映画を観る前に知っておきたいこと

【ロスト・パトロール】“悪魔の兵器”を処理する5人のブラジル人兵士の実話

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ロスト・パトロール

第二次世界大戦中、イタリアに派遣された5人のブラジル人兵士たちの戦争を、実話を基に描いたドラマ。ヒューマントラストシネマ渋谷とシネ・リーブル梅田で開催される「未体験ゾーンの映画たち 2016」で上映される50本の中の1本だ。

監督は、ヴィセンテ・フェハス。ドキュメンタリー作品を手がけてきた人物らしく、史実を基にしたプロットとの相性は良さそう。

出演は世界に衝撃を与えた犯罪映画『テリトリー・オブ・ゴッド』のダニエル・デ・オリベイラほか、『パッション』のセルジオ・ルビーニ、『家宝』のイヴォ・カネラシュ、『ラストミッション』のリヒャルト・サメルなど、耳馴染みのない名前ばかりだが、リオ・デ・ジャネイロ国際映画祭で主演男優賞を受賞している。

同映画祭では同時に編集賞も受賞しており、予告動画のイメージ通りの緊迫感と迫力を期待させる。


  • 製作:2013年,ポルトガル・イタリア・ブラジル合作
  • 日本公開:2016年2月2日
  • 上映時間:109分
  • 原題:『A Estrada 47』

予告

あらすじ

第二次世界大戦中、枢軸国へ宣戦布告を表明したブラジルは、2万人規模の軍隊を戦地イタリアへと派遣する。青年ギマが所属していた部隊は、イタリアの産地での任務中に敵襲に遭い敗走。

生き残ったギマ達5人は、自分たちが脱走兵ではないことを証明するために自ら危険な任務を買って出る。その任務とは、地雷で埋め尽くされた最前線、47号を開通すること。ロスト・パトロール彼らには振り返る道はなかった。


映画を見る前に知っておきたいこと

地雷の恐ろしさを物語る3つの特徴

ロスト・パトロール
“悪魔の兵器”という異名をもつ地雷。それを最前線で処理することがどれほど恐ろしく危険なことなのか、地雷の特徴を知るとよく分かる。

1、怪我をさせる事が目的である

地雷は相手を殺さず、怪我を負わせることを目的としている。命を残して怪我をさせることで救護に兵力を割かせ、怪我人を増やすことで軍の機動力を削ぐ。

さらにはその後の治療やリハビリに経済力を回させ、間接的に国力の低下を促す狙いもあるという。

地雷を踏んで即死することは稀で、すぐに救命措置が施されるものの生き残るのは二人に一人と言われている。生き残ったとしても、手足の切断や失明などかなり重度の障害が残ることは言うまでもない。

2、無差別に人を襲う

地雷は相手を選ばない。戦時中は最前線で危険な土地も、戦争が終われば普通に生活が営まれる場所となる。そして兵士と民間人、大人と子供、男と女の区別なく、誰かが踏むのを待ち続ける。

この無差別性もまた、地雷が“悪魔の兵器”と呼ばれる所以である。

3、いつまでも残る

地雷に消費期限など存在しない。半永久的に獲物を待ち続ける。

現在、世界中に埋まっている地雷の正確な数は不明。少なくとも5000万個、多くて1億以上もの地雷が埋まっていると言われ、毎年10000万人以上の被害が出ているとされている。

年間10万個が処理されているが、今でも年間200万個が新たに埋められているという。撤去には製造費の100倍もの費用がかかり、経済に切迫し撤去活動が続けられなくなった地域も多数存在する。

戦場での地雷処理

ロスト・パトロール
この様に、現代では地雷について戦後の処理をメインに語られることが多いが、戦場ではどうだったのだろうか。

戦場では通常は専用の地雷処理機材が使われることが一番望ましい。それが難しい場合は、砲撃で誘爆させるという方法もある。さらにそれも出来ない場合に、この映画のように人員を動員して処理される。

しかし、地雷の中には処理しようとする人間を狙ったブービートラップのようなものも存在しているため、処理方法を熟知していたとしても安全の保障はない。

その他、大戦中は一般市民や捕虜、懲罰兵などを銃で脅して地雷原を歩かせるなどの非人道的な方法も用いられていた。

別の角度の第二次世界大戦

「第二次世界大戦」という言葉は世界中の人が知るところではあるものの、実際に戦地でどういうことが起きていたのかを詳しく知る人はあまり居ないのではないだろうか。

1939~1945年、枢軸国vs連合国の世界戦争という概要を捉えることはできるものの、規模が大きすぎて戦地での細かい状況と影響をそれぞれに把握するのは非常に難しい。

そこで映画が非常に役に立つ。「いやー、映画って本当に良(以下略

第二次世界大戦にまつわる映画は古今東西あらゆる国にあり、それがまた画一的でないそれぞれの視点から描かれていて本当に面白い。

『ロスト・パトロール』で描かれたのは、今まで日の当たらなかった戦争の一面である。

兵士と言えども一人の人間だ。そのことに焦点を当てたドラマは数多く存在するが、英雄的でも悲劇的でもないこの5人の立場は、映画のテーマとしては珍しいように思う。

それもそのはず、そういう新しくて飲み込みづらい、“ぶっ飛んだ映画”や“よく分からない映画”が集まるのが映画祭『未体験ゾーンの映画たち』だ。

未体験ゾーンの映画たち

この映画は、毎年この季節に東京・ヒューマントラストシネマ渋谷開催される映画祭「未体験ゾーンの映画たち」で上映される50本の中の1本であることは冒頭で述べた。

ワケ有りで日本で公開されなかったマイナー映画をぜひ劇場で見てほしいという想いから始まったこの映画祭は、2016年で5回目を迎えて徐々に知名度と規模を広げつつあるようだ。

集められた50本はカンヌに招致されるようなドラマ作品から、サメとタコの合体怪獣“シャークトパス”が暴れるパニック映画までジャンルも国も多種多様。

当初は「鬼が出るか蛇が出るか」といった予想もつかないB級感が売りだったようだが、最近では思いがけない名作に出会えることも多くなってきたというファンの声も。

年明けの映画イベントとして楽しみにしている人も多い。

関西では大坂・シネ・リーブル梅田で開催されるほか、映画配給会社GAGAの動画配信サイト『青山シアター』でも配信される予定。

50本のラインナップはすべてオフィシャルサイトで確認できる。もう一歩南下してきてくれれば毎年行くのに・・・というわけで、近場にお住まいで興味のある方はぜひ足を運んで盛り上げてほしい!

未体験ゾーンの映画たち – オフィシャルサイト

青山シアター – オフィシャルサイト

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