「おおかみこどもの雨と雪」の細田守監督が3年ぶりに制作したオリジナル長編アニメ。人間が住む渋谷とバケモノが住む渋天街(じゅううてんがい)の2つの世界が交錯するなか、少年とバケモノの奇妙な親子の絆を描く。
- 製作:2015年,日本
- 日本公開:2015年7月11日
- 上映時間:119分
Contents
- 1 予告
- 2 あらすじ
- 3
映画を見る前に知っておきたいこと
- 3.1 現代の家族観の変化へ
予告
あらすじ
この世界には人間の世界とは別に、もうひとつの世界がある。
バケモノの世界だ。
人間界【渋谷】とバケモノの世界【渋天街】。交わるはずのない2つの世界に生きるひとりぼっちの少年と、暴れん坊のバケモノ。
ある日、バケモノ熊徹に出会った少年は強さを求めてバケモノの世界へ行くことを決意した。少年は熊徹の弟子となり、九太という新しい名前を授けられる。最初はことあるごとにぶつかり合う2人だったが、奇妙な共同生活と修行の日々を重ねていくうちに互いに成長し、いつしか本当の親子の様な絆が芽生え始める。
月日は経ち、九太は少年から青年になった。ある日偶然にも渋谷の街へ戻り、そこで楓という少女と出会う。新しい世界や価値観を教えてくれる楓との出会いは、九太にとってとても刺激的なものだった。そして九太は、自分が本当に生きるべき世界を模索し始めるのだった。
そんな中、【渋谷】と【渋天街】の2つの世界を巻き込んだ大事件が勃発する。みんなを救うために、自分にできることは何なのか。熊徹と九太、そして楓。それぞれに決断の時が訪れる。
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映画を見る前に知っておきたいこと
現代の家族観の変化へ
監督の細田守が公式サイトでこの映画の根底に流れるテーマを語っている。
現代社会の変容とともに、家族観も変化するのは必然です。
旧来の伝統的な家族観はもはや参考にならず、私達は新しい家族のあり方を模索しなければならない瀬戸際に立たされています。
新しい子供たちは、何を道標にして成長すればいいのか。また新しい大人である私達は、子供たちにどんな姿を見せ、何を手渡してあげられるのか。
この映画を通して、共に考えていければと思います。
―監督・細田守
僕らが子供の頃には、社会化で”核家族化が進んでいる”ということを習った。昔に比べ、家族の絆は希薄になっているという話を聞くこともあるが、昔の実情を知らないので個人的には何とも言いがたい。
僕個人が感じる”家族の絆の希薄さ”は、社会の変化に伴って、変わっていく家族観に対する”戸惑い”が大きいのではないかと思う。「常識」という二文字で全てが片付く時代は終わった。なぜならば、その「常識」が今まさに大きな変化を迎えているからだ。
家族観をテーマにしたこの映画の中で、2つの交わるはずのない世界や、楓が九太に教える”新しい価値観”は何をメタファーにしているのか。この映画は子供にとっても、大人にとっても、家族というものを改めて見つめなおす良い機会になるのではないかと思う。