映画を観る前に知っておきたいこと

ビッグ・アイズ 大きな瞳だけが知っている

投稿日:2014年11月23日 更新日:

ビッグアイズ タイトル

ティム・バートン最新作!「アートとは何か?」を問いかける映画。
「チャーリーとチョコレート工場」や「アリス・イン・ワンダーランド」そして「ダーク・シャドウ」などこれまでの作品のような特殊効果は一切ない。しかしバートンが子供の頃から親しんできた「ビッグ・アイズ」を題材にしたこの映画はバートン自身のアーティストとしての核心に迫った作品となっている。


  • 製作:2014年,アメリカ
  • 日本公開:2015年1月23日
  • 原題:『BIG EYES』
  • 上映時間:106分

予告

あらすじ

大きな瞳だけが知っている

ビッグアイズは60年代のアメリカポップアート界で人気を博した異様に大きな眼をした子供たちの絵画である。この映画はその絵画たちをめぐる、美術史上最大の詐欺事件の実話をもとにしている。
この奇妙な絵の作者は当初ウォルター・キーンだとされていたが、実はそれが嘘であることを妻のマーガレットが「真の作者は自分」だと暴露し、夫との法廷闘争へと発展してゆく。

映画を見る前に知っておきたいこと

ティム・バートン作品のなかでは異端であるが
これはどうしようもなく、ティム・バートンの作品である

ビッグアイズ」にはこれまでのティム・バートン作品のような派手な特撮、珍妙なキャラクターやガジェット(小道具や仕掛け)、ゴシック調の陰鬱な背景、現実離れしたストーリー、それらすべてが存在しない。おまけに今回、主人公は女性である。

実話をもとにしているという点では94年の作品「エドウッド」(脚本は同じアレクサンダーとカラゼウスキが手がけている)が唯一、一番近いといえる。また「ビッグアイズ」「エドウッド」この2作品はティム・バートンのアートに対する強い思いが込められている。

「ビッグアイズ」はこれまでとは違う表現方法を用いているが、その他のティム・バートン作品と通じ合う箇所もあることに注意したい。

異様に大きな眼をした子供たちの絵画を自らの作品でないことを隠蔽したい夫により、マーガレットは閉め切った薄暗いアトリエで絵を描き続けることを強いられる。それも愛娘にすら自作絵画の秘密をひた隠しにして。しかし次第に彼女は夫の名前で絵が世に流通することが苦痛となっていく。そして遂に夫の虚偽を暴き、絵に自らの署名を刻印しようと決意する。ここにこれまでのティム・バートン作品でしばしば描かれた、幽閉され孤立した存在が他者との結びつきを求めて外界へ参入するプロセスがある。

そしてこの瞬間「ビッグアイズ」はこれまでのティム・バートン作品からまた分岐する。なぜならこれまでのティム・バートン作品では外界へ出た幽閉者は必ずや誤解され再び孤立してしまうからだ。しかしマーガレットは夫との法廷闘争に勝利し、アーティストとして世に存在が認められた時晴れやかな表情を獲得する。

過去の作品とのこうした共通点や相違点があるなかで、「ビッグアイズ」の、奇妙な核家族像を媒介して郊外型アメリカン・ドリームの破綻を冷ややかに見つめている辺りはどうしようもなくティム・バートンの作品である。

50年代末期から60年代にかけて女性の独立

この映画を理解する上で、当時のアメリカの時代背景を知っておいてもらいたい。作中で描かれている時代は社会的にも家庭的にも男が主導権を握っていた。50年代末期から60年代にかけて米人女性の硬直した役割が解放へ向かった時代とほぼ正確に一致するマーガレットの物語を通じて、ティム・バートンはおそらくはじめて歴史を描いている。

監督・キャスト

監督:ティム・バートン

ティムバートン1958年生まれ。代表作は「シザーハンズ」、「ビッグフィッシュ」、「チャーリーとチョコレート工場」や「アリス・イン・ワンダーランド」そして「ダーク・シャドウ」などがある。アニメーション、実写ともに評価され興行収入的にも成功を収めている。それはバートンの作品が万人から受け入れられている証拠と言える。

-ヒューマンドラマ, 洋画

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