映画を観る前に知っておきたいこと

映画 ビリギャル
“頑張ること”が生み出すポジティブなエネルギー

投稿日:2015年4月3日 更新日:

ビリギャル

この奇跡は、あなたにも起こるー

実話を基にしたベストセラー小説「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶応大学に現役合格した話」の映画化。『いま、会いにゆきます』(04)『ハナミズキ』(10)の土井裕泰監督が送る、“頑張るヒント”が詰まった青春ストーリー。

もともとテレビドラマで注目を集めていた有村架純が、映画においても女優としての評価を得た作品となった。2016年日本アカデミー賞優秀主演女優賞および新人俳優賞、第58回ブルーリボン賞主演女優賞受賞。

予告

https://youtu.be/aZdU6y9NeiI

あらすじ

高校2年生のさやか(有村架純)は中学入学以来、全く勉強をしてこなかった。ついに成績は学年ビリにまで落ちた。いくらなんでもこのままではマズイと、そんな女の子が学習塾にやってきた。金髪、ヘソだし、超ミニスカにギャルメイク。浮いているさやかの知識は小4レベル。対応した塾講師の坪田(伊藤淳史)も驚きを隠せない。

聖徳太子を「セイトクタコ」と読むし、東西南北もわからない。夢だけは一人前に大きく、第一志望は最難関の慶應大学。

ビリギャル シーン3

「さやかが慶應なんてチョーウケる~!」

「ここまで謎に満ちた答案は初めてだよ……」

ビリギャル シーン2

こんな調子で二人三脚の受験勉強が始まった。まずは小4のドリルから……

映画を観る前に知っておきたいこと

有村架純の存在感

この物語は実話であり、原作者の坪田信貴は実在のさやか(小林さやか)の塾講師である。当時から「君が慶應に受かったら本になるよ、映画になるよ!」と話していたそうだ。

事実は小説より奇なりと言うが、映画のプロットを必要としないほどのシンデレラストーリーがそこにあった。しかも受験という物語の背景は、殆どの人間が通過する過程であるため勇気付けられる人も多い。これが大ヒットした要因のひとつだが、映画の中にある“頑張るヒント”はより多くの層にポジティブなエネルギーを与えた。

さやかを演じた有村架純の存在感がそれを可能にした映画だった。

有村架純

有村架純

1993年生まれ。あの人気連続テレビ小説『あまちゃん』で小泉今日子が演じた主人公の母親の若かりし頃を演じて人気を博す。数々のCMやテレビドラマで活躍中。映画でも『平穏な日々、奇蹟の陽』(14)や話題作『ストロボエッジ』(15)で主演を務めるなど、今話題の若手女優。本作で2016年日本アカデミー賞優秀主演女優賞および新人俳優賞、第58回ブルーリボン賞主演女優賞受賞。

実際のさやか

一番荒れていたのは中学3年の時だった。実際、タバコ、男女交際といった素行不良で何度も無期停学をくらっている。校長先生からは「人間のクズ」と呼ばれ、さやかさんの素行に生活指導の先生は胃を患ってしまった。

ギャルになった原因は”中学時代の両親の不和だった。脱サラして立ち上げた会社に掛かりきりで家庭を省みる余裕をなくした父親と、意固地になった母親の関係は冷め切っていた。そんな二人を見た寂しさから反発し、友達と遊ぶことをやめなかった。

その当時の家族の想いも、本人は書籍化されて知ったという。崩壊寸前の両親の関係、家族の関係は、彼女の受験によってまとまったというエピソードを添えたこの本は、「自分を含めた家族への最高のプレゼントだった」とコメントしている。

また映画も、彼女の頑張る姿勢が家族の絆を繋いだ人間ドラマという側面を覗かせる。

「毎日のように生活指導の先生から呼び出しを食らっていました。その先生は、私たちが卒業したら生活指導を降りたそうです。聞くところによれば、私たちのせいで胃を悪くしたとか。今思えば、申し訳ないことをしたなと思います。でも当時は親や先生に怒られて反省することはなかった。とにかくやりすごそうと、次第に学校内では化粧もせず、スカートも怒られない程度の短さにしていました。でも、学校を出た瞬間、ルーズソックスにはき替え、スカートを折り込んで化粧をして、街に繰り出していました。授業中にホットカーラーで髪の毛を巻くことは、最後までやめませんでしたけどね。」

小林さやか

出典 現代ビジネス

映画のその後

実際のさやかさんは2010年に慶応大を卒業し、現在はウェディングプランナーとして働いている。自身も2014年の3月に8歳年上の相手と結婚した。ウェディングプランナーの仕事を選んだのは、両親の存在が大きかったことを語る。

「どんなご家族にも、私の家族がそうだったように、いろんなドラマがあり、それを経て、やっと幸せな日を迎えられます。結婚式の日は、今までずっと伝えられなかった感謝の気持ちを両親に伝える大切な日。そこで親子の絆の強さを目の当たりにするたび、自分の両親の顔が浮かびます。」

小林さやか

出典 現代ビジネス

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