映画を観る前に知っておきたいこと

【ボクは坊さん。】『Always3丁目の夕日』のスタッフが贈る、坊さんの日常

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祖父の死をきっかけに住職の世界に身を投じた24歳の坊さんの成長の日々を描いたヒューマンドラマ。『Always3丁目の夕日』を手がけた制作プロダクションのROBOTが贈る、珠玉の感動エピソードだ。

主人公の僧侶・白川光円を伊藤淳史が主演し、山本美月、溝端淳平、濱田岳らが共演。監督は、これまで多くの新しい才能を見出してきたROBOTから、本作が長編映画監督デビューとなる真壁幸紀が大抜擢された。

  • 製作:2015年,日本
  • 日本公開:2015年10月24日
  • 上映時間:99分
  • 原作:小説「ボクは坊さん。」白川密成
  • ボクは坊さん。

予告

あらすじ

で弘法大師空海が開いたとされ、今では“お遍路さん”の巡礼が有名な四国八十八ヶ所霊場。その第57番礼所、愛媛県今冶市の栄福寺に生まれ育った白方進(伊藤淳史)はお坊さんとしての資格“阿闍梨(あじゃり)”の位を得て、実家の寺に帰って来た。位は得たが、今は地元の本屋で書店員として働いている。

幼馴染の京子(山本美月)と真治(溝端淳平)は、進がお坊さんになることを期待してか、真のことをずっと“和尚”と呼び続けている。しかし、肝心の進は、未だにその決心がつかずにいた。

母の真智子(松田美由紀)と父の一郎(有薗芳記)、そして祖母の宣子(松金よね子)は、進の気持ちを尊重してくれている。

そんなある日のこと、栄福寺の住職である進の祖父、瑞円(品川徹)が病に臥せ、寺に住職がいなくなってしまった。幼い頃、進は祖父に尋ねたことがある。

「人間って、死んだらなーんもなくなっちゃうの?」それを聞いたじいちゃんは「そういうことが気になるんか。そしたら坊さんになれ」と言ってくれた。じいちゃんのその言葉を思い出した進は、ついに坊さんになる決心をするのだった。

光円という僧名はじいちゃんが考えてくれた。進の決意を見届けるかのように、瑞円はその翌日に遷化(せんげ:高僧が亡くなること)した。「起きるを生と名付け、帰るを死と称す」それがじいちゃんの最後の言葉だった。ボクは坊さん光円24歳。こうして栄福寺の新しい住職となった。

坊さんの世界

いつも身近にあると思っていたお寺の世界は、光円が思っていたよりもずっと奥深い世界だった。見たこともない坊さん専用のグッズに、みんな丸坊主なのに個性的な僧侶たち。知らないことだらけで恥もかいた。前途多難な住職生活。ボクは坊さんそんなある日、光円は京子に誘われて、真治が働いているバーに飲みに行くことに。突然、2人に話があると切り出す京子。なんとこの度、結婚することになったのだとか。お相手は職場の同僚で、トラックの運転手をしている人だという。

光円は京子に頼まれて、栄福寺で結婚式を執り行うことに。お寺は結婚式も執り行うのだ。

悪い知らせ

つまづきながらも少しずつ住職としての経験を積み、成長していく光円。お寺のことを第一に考え、さまざまアイデアを出して実行していく。しかし、栄福寺の檀家(だんか:お寺と関わりの深い家)の長老・新居田(イッセー尾形)は、「近くして、見難きは、我が心」という弘法大師空海の言葉を光円に伝える。

それは「場所よりも、まずは自分の心を整えろ」というメッセージ。自分なりに一生懸命やっているつもりだった光円は、思わぬ叱咤に落ち込んでしまう。そんな光円を励ましてくれていたのは、お腹が大きくなった京子だった。ボクは坊さんそんな光円のもとに、悪い知らせが届く。京子がお産の最中に脳内出血をおこしたらしい。赤ちゃんは無事に生まれたものの、母親は重態で意識不明のまま。医者はこのままずっと目覚めないかもしれないという。

その話を聞いた京子の夫は、京子と離婚してしまった。光円は、何か自分にできることはないのかと悩んでいた。そんな光円の姿を見て、新居田は初めて光円に心を開いた。

新居田と話をしたことをきっかけに、光円は引き取り手のない京子の赤ちゃんを預かることを決意した。

一方、真治は「俺たちにとって京子は本当に生きていると言えるのか?」と葛藤する気持ちを光円にぶつける。光円は、密教の教えを説き、「京子との関係は、今までと何も変わっていないと思える」と答えるが、真治に本心を問われ何も答えることができなかった・・・。

改めて自分の無力さに打ちのめされた光円は、ついに心が折れて倒れ込んでしまう。そんな光円の元へ飛び込んできた知らせは訃報だった――。

映画を見る前に知っておきたいこと

感動の実話エピソードを元に

白川密成原作は、糸井重里氏が編集長を務める「ほぼ日刊イトイ新聞」で栄福寺の住職・白川密成(しらかわ みっせい)氏が連載していた実話だ。冒頭で原作として紹介した小説は、このエピソードを後に編集したもの。

連載のきっかけは、白川氏が「ほぼ日刊イトイ新聞」のファンだったことから、自ら住職の日常を綴ることを企画して持ちかけたのだとか。連載は話題を呼び、小説が刊行された2010年には各メディアで話題になったという。

2015年9月11日には続編の「坊さん、父になる」が刊行されている。

また、著書の「空海さんに聞いてみよう。―心がうれしくなる88のことばとアイデア」では、日常の悩みを空海大師が分かり易く、カジュアルに気持ちよく答えてくれる。

めくるめく坊さんの世界「坊さんあるある」

ボクは坊さん直接映画には関係ないが、せっかく坊さんの実話を映画化したということで、坊さんの世界を少し覗いてみよう。

近年は本当に便利な世の中になったもので、SNSの普及によってこれまで知ることも叶わなかった世界が垣間見れるようになってきた。そう、坊さんだってTwitterをやっているのだ。

2013年からの恒例行事となっているという、「#坊さんあるある」。日本中の坊さん達が、坊さんの世界のあるあるをつぶやいている。

「#坊さんあるある」で探せばいくらでも出てくるので、暇なときに覗いてみると面白い。知られざる坊さんの世界にいざ。

-ヒューマンドラマ, 邦画

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