映画を観る前に知っておきたいこと

小さき声のカノン 3.11のその後の希望を見たドキュメンタリー

投稿日:2015年1月7日 更新日:

小さき声のカノン

2011.3.11、未曾有の大災害となった福島原発事故。その衝撃も薄れ風化していく最中で、福島の母親達は放射能から子供たちを守ろうと、今もなお戦い続けている。そんなお母さん達の小さな声を、一人でも多くの人に伝えたい。そんな思いから製作されたドキュメンタリー映画。

  • 製作:2014年,日本
  • 日本公開:2015年3月7日
  • 上映時間:119分

予告

あらすじ

東京電力福島原発事故からもう4年が経とうとしている。過去の事件として風化し、誰もが放射能とは関係のない日常に戻ってからも、現地では今もなおその影響と隣り合わせで生きる人達がいる。そんな福島のお母さん達をフォーカスしたドキュメンタリー映画。あの日、福島では子供達に何が起きたのか。その後、お母さんたちはどうやって子供を守ろうとしたのか。かつてのチェルノブイリと対比して、原発事故のその後を生きるお母さん達を追う。
チェルノブイリ原発事故が起こったのは1986年。30年が経とうとしている今でも、ベラルーシではその影響は続いている。安全だ、危険だ、お偉いさん方がやっているそんなリアリティの欠片もない議論をよそに、事故の影響化をリアルに生きる人達がいる。安全だとか、危険だとか、そんな大きな声に流されることなく、母の直感にしたがって子どもたちを守る道を探し続けている。
事故の衝撃に立ちすくみ、ただ困惑する時期は終わった。もっと具体的に、事故を乗り越えた希望をつくり出す新しいステージに今、私たちは立っている。日本のお母さんたちは、迷いながらも自分たちの意志で動き始めた。その小さな声は、やがて国境を越えて響き始める。

映画を見る前に知っておきたいこと

原発、被爆、放射能。様々な問題が絡み合って進行する原発問題を、分かりやすくリアルに伝えるメッセージ。「原発は恐ろしいものだ!だから反対すべきだ!」という一方的な反対論ではなく、「過ぎて見れば何てことなかったね」なんていう楽観でもない。『小さき声のカノン』は「あの事故が日本にとってはまだ続いてる」という事実を真摯に見つめた先の、もっと具体的な希望を追いかけた。自分には関係ない、出来る事は何もない、と誰もがフタをしてきた後ろ暗い気持ちに光を与えて解き放つことが出来る。この映画はそんなドキュメンタリー。

監督・キャスト

鎌仲ひとみ監督

kamanaka-hitomi『内部被爆を生き抜く』『ミツバチの羽音と地球の回転』など原発問題、エネルギー問題を中心に数々のドキュメンタリー映画を発表する社会派ドキュメンタリー監督。鎌仲監督の作品に心を動かされ、原発問題を考え始めた人は多いと思う。事実という避けようのないリアリティを武器に、痛烈なメッセージを伝えるのがドキュメンタリー映画の特徴のひとつだが、彼女の撮る作品は”見守るスタンス”とでも言うべきか、優しく暖かい気持ちを沸きあがらせる不思議な作風の映画を撮る人。

-ドキュメンタリー, 邦画

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。