映画を観る前に知っておきたいこと

【COP CAR/コップ・カー】今ハリウッドで最も優秀な新鋭監督・待望の長編2作目

コップカー

イタズラでパトカーを盗んだ家出少年二人が、怪しい悪徳保安官に追われる様を描いたスリラー映画。

監督は、今最もハリウッドで注目されている期待の若手、ジョン・ワッツ。ホラーの帝王、イーライ・ロスにその才能を認められ、続く本作で実力を証明し、2017年の『スパイダーマン』を監督することが決まっている。

抜群の知名度と個性的な役柄でちょい役でもでかでかとトップクレジットされる癖になる悪役、ケヴィン・ベーコン主演。彼が製作総指揮も務めたことも話題になっている。


  • 製作:2015年,アメリカ
  • 日本公開:2016年4月9日
  • 上映時間:88分

予告

あらすじ

こっそりと家出した二人の少年、トラヴィスとハリソン。汚い言葉を連呼してふざけ合いながら野原を歩いていた彼らは、たどり着いた先の空き地で乗り捨てられた一台のパトカーを発見する。
コップカーそのパトカーは車のキーがかけっぱなしになっていた。悪乗りも極まり、早速パトカーでドライブに乗り出す二人は、田舎道を猛スピードで暴走する。

それを目撃した中年女性ベヴがすぐに警察に通報するも、誰にも信じてもらえない。

一方、二人がパトカーを見つける少し前、保安官ミッチ・クレッツァーがパトカーのトランクに乗せてきた死体の処理をしていた。

地面に穴を掘り、死体を放り投げてようやく処理を終えたクレッツァーが車に戻ると、自分が乗ってきたはずのパトカーがない。
コップカー焦るクレッツァー。しかしまずは森を出て街へ帰る手段を見つけなければならない。どうにか近くの車を盗み出し街へ戻ったクレッツァーは、警察無線を探り当て何食わぬ顔で通信司令部へ連絡をとる。

自分の失態を悟られぬよう冷静さを装い、自分のパトカーの場所を聞き出そうとする。そうして何が起きたのかを知ったクレッツァーは、無線で小さな盗人たちに今すぐ自分の車を返すように警告する。

その頃、トラヴィスとハリスンは車で見つけた銃や防弾チョッキで遊んでいた。そこへ突然かかってきたクレッツァーからの無線。怒りに震える彼の声を聞いて、ようやく事の重大さに気付くのだった。

車を返すべきか、このまま逃げるべきか・・・。

二人が揉めていると、何やらトランクから不審な物音が聞こえてくる。恐る恐るトランクを開けると、そこには両手を縛られた血だらけの男が入っていた。

車を走らせていたのがクレッツァーではないことを知った男は、二人に助けを求めるが、少年たちはそこで始めて恐ろしい事件に首を突っ込んだことに気付く・・・。


映画を見る前に知っておきたいこと

知っている人も知らない人も、この映画を語る上で彼の名前は外せない。ハリウッドで今最も優秀な若手監督と言えば、ジョン・ワッツその人である。

というわけで今回は、ジョン・ワッツとは一体どんな監督なのかということから、この映画を紐解いていこうと思う。

ホラーの帝王イーライ・ロスが認めたジョン・ワッツ

コップカー2017年に発表される『スパイダーマン』の監督に抜擢されたことで一気に知名度を上げたジョン・ワッツ。本作は彼の長編2作目になる。

彼の監督デビューは、映画学校時代に友人のクリス・フォードと共に冗談で製作し、Youtubeにアップしたホラー映画『クラウン』のフェイクトレーラーがきっかけだった。

製作総指揮にホラーの帝王イーライ・ロスの名前を勝手にをクレジットして、それを見たロスが面白がって制作に携わった経緯で監督デビューを果たしたという面白い経歴を持つ。

当のイーライ・ロスもまた、映画学校の卒業制作でクエンティン・タランティーノの『レザボア・ドッグス』のパロディホラー『レストラン・ドッグス』を制作した過去を持つ。

そんな経験を持っていればこそ、自分の名前をクレジットしてくれたことはさぞ嬉しかったことだろう。

とは言え「嬉しかったから制作しよう」という話になるはずもなく、結果的に「あのイーライ・ロスが実力を認めた」という冠を掲げて長編デビュー作『クラウン』に臨むことになった。

そうして滑り出しの良いデビューを果たしたジョン・ワッツの評価をさらに高め、『スパイダーマン』の監督に押し上げたのが本作『Cop Car/コップ・カー』である。

ジョシュ・トランクによる『ファンタスティック・フォー』が振るわなかったにもかかわらず、敢えて敢えての新世代起用。マーベルとしては、新世代の新しいセンスに意外性を期待しているといったところだろうか。

意外性が高い評価を受けた『Cop Car』

コップカー予告動画を見た人とっては、ケヴィン・ベーコンが子供たちをひたすらに追い回すスリラー映画の様に見えるかもしれない。

簡単に想像できるプロットとしては「紆余曲折を経て子供たちが無事に逃げ切ってめでたし」あるいは、「結局捕まりはするものの悲劇的な展開もなく、子供たちには良い刺激と教訓になった」ぐらいのものだろうか。

しかし、レビューを眺めてみるとどうやらそう簡単な話ではないらしい。

面白かったかどうかについては意見が割れている一方で、観客を裏切りまくる意外性は一様に評価の対象となっているようだ。意外性と言っても奇をてらうわけではなく、意外性の中にこそ映画のテーマをしっかりと描いたところが高く評価されている。

ストーリーを書く人、あるいは何かものづくりをする人には共感していただけると思うが、映画に限らず作品づくりにおいて意外性という要素はなかなかに難敵である。

全体を見る目は当然、受け手を裏切りながらも置き去りにしない絶妙なバランス感覚が必要になってくるうえに、「この物語が見る人にどう受け止められるのか」という客観的な視点をより正確に持っていなければならない。

受け手に解釈を任せるような芸術嗜好の強い映画ならまだしも、娯楽映画では「誰が見ても面白い」という視点を外せないため、意外性にはより慎重で繊細な取り扱いが求められる上に、新しくなければならない。

ここからは僕の想像なのだが、『Cop Car/コップカー』がその点で高い評価を受けたのだとしたら、ひょっとしたらジョン・ワッツの実力は相当なものなのではないかと思う。

「ハリウッドで一番優秀な若手」として、これからの映画界を引っ張っていく存在になると期待されているのも頷ける。

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