映画を観る前に知っておきたいこと

アナーキー シェイクスピアの戯曲「シンベリン」がギャング映画になった

投稿日:2015年5月14日 更新日:

アナーキー

マイケル・アルメレイダ監督、イーサン・ホーク主演コンビが『ハムレット』に続き、シェイクスピア劇をクライムサスペンスとして映画化。押しも押されぬスター俳優エド・ハリス、ミラ・ジョボビッチに加え、『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』で話題をさらったダコタ・ジョンソンも出演。原作の中で交錯する思惑、入り混じる感情といった原作のテーマを、現代のアメリカのリアリティに結びつけた秀作だ。

  • 製作:2014年,アメリカ
  • 日本公開:2015年6月13日
  • 上映時間:98分
  • 原題:『Cymbeline』
  • 原作:戯曲『シンベリン』シェイクスピア
  • シンベリン―シェイクスピア全集〈22〉 (ちくま文庫) シェイクスピア全集 (〔34〕) (白水Uブックス (34))

    予告

    あらすじ

    アナーキー
    バイク・ギャング「the Britons」を統べる麻薬王シンベリン(エド・ハリス)は、後妻のクイーン(ミラ・ジョヴォヴィッチ)を溺愛していた。彼女の言う事を聞いているうちに、ローマ警察との血まみれの抗争が勃発してしまうほどに。

    クイーンにはクロートン(アントン・イェルチン)という息子がいて、シンベリンは自身の娘イノジェン(ダコタ・ジョンソン)とクロートンを結び付けたいと考えていた。しかし、イノジェンは幼馴染のポステュマス(ペン・バッジリー)と結婚する。それが気に入らないシンベリンは、ポステュマスを組織から追放してしまう。
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    追放されたポステュマスはヤーキモー(イーサン・ホーク)という男と出会う。彼はポステュマスにある賭けを持ちかけた。「お前とイノジェンの愛は本物か?」それを確かめる為に、ヤーキモーはイノジェンを口説いてくるという。

    やがて戻ったヤーキモーが突きつけた浮気の証拠に、ポステュマスは怒り狂う。イノジェンは姿を消し、ギャングとローマ警察との抗争は激しさを増す。その最中、真実は徐々に明らかになっていく・・・。

    映画を見る前に知っておきたいこと

    なぜシンベリンなのか?

    『シンベリン』はとてもダイナミックで、さまざまな要素が詰まった物語だ。シェイクスピアの四大悲劇の要素を併せ持ち、神話のような壮大さもある。それに、男性登場人物の虚栄心と危険性に惹かれた。女性を信用できない、獰猛で情熱的な戦士たちだ。
    -監督・マイケル・アルメレイダ

    原作に『シンベリン』を選んだ理由をこう語っている。目指したのは、400年前のシェイクスピアの戯曲の登場人物、状況、テーマを現代のリアリティに結びつけること。

    ヤン・コットの「シェイクスピアはわれらの同時代人」という本の中で語られている「シェイクスピア劇はいつの時代にも関連性があり、見る世代の価値観や大切にするものを映し出す鏡だ」という説に強く影響を受けたという。

    原作:シンベリンのあらすじ

    click ※ネタバレ?
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    原作のタイトルは主人公のブリテン王シンベリンの名からとっている。王女イモージェンは幼なじみのポステュマスと密かに結婚をしたが、シンベリンは再婚した王妃の連れ子クロートンと結婚させたかったためにそれを許さず、ポステュマスを追放。

    イタリアに渡ったポステュマスの前に、ヤーキモーという男が現れ「自分なら口説ける」と賭けを持ちかける。イモージェンの貞操を信じていたポステュマスは賭けに応じた。

    早速ブリテンを訪れたヤーキモーは、イモージェンに嘘をつく。「ポステュマスはイタリアで女遊びをしている」と。しかし、イモージェンもまた、ポステュマスを信じていた。意地でも賭けに勝とうとしたヤモーキーは、イモージェンの部屋に忍び込み、部屋の造りとイモージェンの胸の痣を記憶してイタリアに戻りポステュマスに報告した。「誘惑は成功した」

    それを聞いたポステュマスは絶望し、ブリテンに残してきた召使いのピザーニオに、イモージェンを殺せと命じる。イモージェンの無実を知っているピザーニオは彼女を少年の姿に変装させて、ポステュマスのいるイタリアに行くように告げる。

    イタリアに渡ったイモージェンは、道中のウェールズで生き別れの二人の兄と出会う。グィディーリアスとアーヴィラガスだ。いなくなったイモージェンを探して、クロートンもウェールズにやってきていた。イモージェンを力づくで手篭めにしようという腹だ。しかしその途中で、グィディーリアルに決闘を挑み、首を切り落とされて殺されてしまう。
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    同じ頃、イモージェンは王妃から薬と偽って渡された毒を飲んでしまう。だが、その毒は王妃の行動を怪しんだコーニーリアスが調合した、仮死状態になる薬だった。息を吹き返したイモージェンは、そばに首のないクロートンの死体を見つける。着ていた服からポステュマスと勘違いしてしまい、悲しみに暮れるのだった。

    ブリテンでは、王妃の諌言によりローマ軍との戦争が始まっていた。グィディーリアスとアーヴィラガス、帰国したポステュマスはブリテンのためにローマ軍と戦い、ブリテン軍は見事勝利を収める。王妃は戦争の最中に数々の罪を告白して死ぬ。そして、グィディーリアスとアーヴィラガスは王子として迎えられ、ポステュマスとイモージェンの結婚も許されるのだった。

-ミステリー・サスペンス, 洋画

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