映画を観る前に知っておきたいこと

【Dearダニー 君へのうた】43年越しのジョン・レノンからの手紙

Dearダニー 君へのうた

ジョン・レノンからの手紙が人生を再び輝かせる。これは実話から生まれた感動作。

主演はミュージシャン役に初挑戦のアル・パチーノ。さらにアネット・ベニング、ジェニファー・ガーナーら実力派が共演する。監督は、『塔の上のラプンツェル』などの脚本を手掛けたダン・フォーゲルマン。

ジョン・レノンが新人アーティストに宛てた励ましの手紙が、数十年を経て本人に届いたという実話から着想を得て制作された。

ジョン・レノンの数々の名曲が全編で使われ、映画を彩る。


  • 製作:2015年,アメリカ
  • 日本公開:2015年9月5日
  • 上映時間:107分
  • 原題:『Danny Collins』
  • 映倫区分:PG12

予告

あらすじ

人気アーティストとしての盛りも過ぎてしまったダニー・コリンズは作曲することもなくなって何年も経っていた。そんなある日、マネージャーから古い手紙を見つけたと渡される。それは駆け出しだった43年前の自分にジョン・レノンが送ってくれたものだった。Dearダニー 君へのうた

「Dearダニー。人生を無駄に過ごすな。音楽に誠実であれ。力になるよ。ジョンより」

そう綴られたジョン・レノンからの手紙がダニーを変える。当時受け取っていたら人生はもっとマシだったと思ったダニーは、今からでも遅くないと新しい人生を生きることを決める。とりあえずツアーをすべてキャンセルし、一度も会ったことのない息子に会いに行くのだった。Dearダニー 君へのうたしかし、息子には「勝手なヤツだ」と言われ、激しく拒絶されてしまう。想いは伝わらない。それでも息子の妻とかわいい愛娘を味方につけ、懸命に息子に愛情をささげ続ける。そんなダニーに息子は心を開きかけるも、息子はある深刻な病を患っていた。さらに、息子の愛娘が多動性障害であることを知ったダニーは、息子のことを何も知らないことに気付かされるのだった。Dearダニー 君へのうたそれでもダニーは諦めず、息子の愛娘の為に最高の環境の学校を探した。そしてダニーは再び作曲したいと考えるようになる……


映画を見る前に知っておきたいこと

ジョン・レノンから実際に手紙を受け取ったスティーヴ・ティルストン

本作は実話をもとに脚本が書かれているわけだが、ジョン・レノンから実際に手紙を受け取ったミュージシャンはスティーヴ・ティルストンというフォークギターの名手だ。

彼は21歳の時、雑誌「ZigZag」(今は廃刊になっている)でインタビューに答え、成功して裕福になることで色んなことが変わってしまうのではないかという不安を口にした。そして、それを見たジョン・レノンはティルストンに、心で感じるものは変わらないから裕福になることを恐れる必要はないと元気づける直筆の手紙を送ったのだ。そこにはレノンと妻オノ・ヨーコの署名も会った。

しかし、その手紙をティルストンにインタビューを行った記者に送ったが、ティルストンのもとに届くことはなかった。ティルストンが初めてその手紙の存在を知ったのは2005年のことだ。手紙はオークションに掛けられ、7000ポンド(約93万円)の値を付けていた。レノンが射殺されてから25年が経ち、ティルストンも60歳になっていた。

「手紙にはレノンの自宅の電話番号も書かれていたのに、本当に悔しい。ばかげているのはわかるが、時が経つにつれて電話したいと思うようになった。」そう語るティルストンは手紙が自分に渡されず売買されたことに憤りを感じていた。実際の手紙はこんな風に書かれていた。

「裕福になることはあなたの考え方を変えるものではない。唯一の違いは、お金や食べるもの、住む所に悩まなくてもよくなるということだ。でも感情や人との関係などはすべて他の人と同じ。私もお金持ちになったり貧乏になったりしているし、ヨーコも同じ。だからそんなことを心配する必要はない」

ジョンレノンの手紙より

ティルストンは音楽キャリアの中で大したヒットもないかもしれないが、これまで20枚以上のアルバムを制作し、自身の音楽活動も40周年を迎えている。当時のインタビューは若気の至りもあっただろうが、レノンの心配を他所に素晴らしいミュージシャンになっている。

レノンの手紙は真のアーティストとは何かを教えてくれている。

ティルストンにとってうれしい映画??

僕も音楽が好きだから、ジョン・レノンから手紙が来たらどれだけ励みになるか何となくわかる。そしてそれを当時受け取れなかった悔しさも……

ただスティーヴ・ティルストンが当時に手紙を受け取っていたら、こんなに話題にはならなかっただろう。ましてや映画になることなんてなかったと思う。少し皮肉だが、こうして映画になることでよりドラマチックなエピソードとして完結することができたのではないだろうか。

それでもジョン・レノンと話したかったと思うのは、ミュージシャンならまったく仕方ないことだとも思うが……

コメント2件

  • 藤原 浩 より:

    事実のインパクトが強すぎるために、映画のストーリーがありきたりなのは、(おそらく)一般向けエンターテイメントにしたかった製作者の意図から、仕方なかっただろう。 ジョンレノンの曲の個性が強すぎて、映画のBGMには向かないのも同様だ。 むしろ、ドキュメンタリーにした方が面白かったかもしれない。
    例えば、バーで日系人の名前『ひろし』に「いい名前だ」というセリフの後に、ストーリーが展開されたら面白かったかもしれない。もし事実だったとしたら。もっとも、私の個人的な興味かもしれないが(笑)。

  • 今川 幸緒 より:

    >藤原 浩

    僕も、ドキュメンタリーにした方が面白かったかもしれないという気持ちは分かります。
    ただそれをやってしまうと、スティーヴ・ティルストンの映画になってしまうのかもしれないですね。

    やはりジョン・レノンという名前が偉大過ぎるので、そこも一般向けエンターテイメントとしての選択だったように思います。

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