映画を観る前に知っておきたいこと

【ドラゴン・ブレイド】ジャッキー・チェン最新作はスペクタクル歴史大作!

投稿日:2016年1月28日 更新日:

ドラゴン・ブレイド

史実を基にローマ帝国vs前漢時代の西部連合軍の戦いを描いた歴史アクション。ジャッキーのアクションはもちろんだが、ローマ軍と漢の人々の間に芽生えるドラマも見所のひとつ。

ジャッキー・チェンは主演のほか、製作、アクション監督も兼任。『三国志』『項羽と劉邦』など歴史大作で多くの中国史ファンをニヤリとさせたダニエル・リーが監督を務める。


  • 製作:2014年,香港合作
  • 日本公開:2016年2月12日
  • 上映時間:103分
  • 原題:『天将雄師 Dragon Blade』

予告

あらすじ

紀元前50年、前漢時代の中国。シルクロードでは、36もの部族が領土や利権をめぐり紛争を続けていた。

そんな広大な砂漠地帯で、国境防衛と治安維持を任されている西域警備隊の隊長フォ・アンは、西域の平和を実現しようと日夜任務に励んでいた。

しかしある日、何者かの陰謀により、反逆者の汚名を着せられ解任。奴隷労働者として、西域辺境の関所・雁門関へ部下共々追放されてしまう。

その雁門関に、突如として表れたなぞの軍隊。彼らは将軍ルシウスが率いるローマ帝国の軍だった。ルシウスはプブリウスという人物を守るため、自らの軍を率いてこの地へ逃れて来たのだ。

ドラゴン・ブレイド

先日、プブリウスの兄ティベリウスが二人の父親である執政官クラッススを暗殺、そして彼もまた実の兄に命を狙われているのだという。

事情を知ったフォ・アンはルシウス将軍を歓迎し、ルシウスはローマの先進技術を用いて雁門関の修復工事を瞬く間に完工させてしまう。どこか似たもの同士である二人は、国を越えて互いに親交を深め合うのだった。

ドラゴン・ブレイド

そこへティベリウスが率いるローマ帝国の大軍勢が表れ、雁門関を取り囲む。弟を追ってきたという以上に、ティベリウスはそれを足がかりにした中国侵攻までをも目論んでいた。

窮地に陥った自国を守るため、フォ・アンは抗争を続ける36部族に共闘を申し出るが・・・。


映画を見る前に知っておきたいこと

史実:消えたローマ軍の謎

“史実を基にした”というからには、多少なりとも史実を知っておきたいというのが人情である。というわけで、まずは『ドラゴン・ブレイド』の基になった史実を掻い摘んで紹介しようと思う。

紀元前53年、中東アジアの戦場に参戦していたローマの軍が、謎の失踪を遂げた。

執政官クラッススがパルチアへの侵略戦争に失敗、パルチアの砂漠で包囲され、クラスッススは捕虜となり斬首される。息子プブリウスが精鋭6000人を連れて包囲網を突破し東へ逃れたが、その後の行方が分からなくなってしまったのだ。

前漢 地図

この消えた軍団は多くの謎を残しており、「その当時一体何が起きたのか?」という問題は、現代の歴史家の間でも重要な研究対象となっている。

その失踪事件が起きたのとほぼ同時期、西部武官を務めていた陳湯(ちんとう)にまつわる「漢書・陳湯伝」には、100人あまりの奇妙な軍団に遭遇したという記録が残っている。

100人余りの歩兵が魚の鱗のような陣形や盾を持った陣形を組み、土で築いた城の外に木の城を築いていた。

漢書・陳湯伝

これは当時のローマが使っていた歩兵戦術“ファランクス”のことではないかと思われる。

ファランクス

記録によると、この時遭遇した軍団は捕虜として捕らえられ、中国の甘粛省永昌県に連れて行かれたそうだ。この地域には、現代でも十数世帯の人が地中海の人が持つ特徴を有している。

高い鼻に深い彫り、カールした頭髪と金髪の体毛、赤みを帯びた白い肌、恵まれた体格などの身体的な特徴のほか、その風習もまた通常とは異なっている。

何がどうとはうまくは言えないが、なんともロマンのある話だ。

夢の対決 ローマvs前漢

ジャッキーアクションや異文化の和解というメッセージ性などはさておいて、ローマvs前漢は歴史好きの間で度々話題に上がる夢の対決でもある。

当時のローマ帝国は文字通り最強の帝国としてヨーロッパに君臨していた。それこそ現代に置き換えて言えば、世界の半分では到底すまない程の支配圏を誇った歴史上最大級の帝国である。前27年~1453年

方や中国の前漢は、秦の始皇帝の後の中国統一王朝で、中国で最初の長期安定した王朝だ。武帝の時代には、中国を長く苦しめた匈奴の軍に打ち勝つほどの力を持っていた。(初代皇帝・劉邦は匈奴に破れ、屈辱的な講和条約を結ばされていた)前202年~8年

匈奴がどの程度の脅威だったかということを分かり易く伝えると、あの万里の長城は匈奴への対策だったと言われている。

舞台は紀元前50年とされているが、当時のローマは共和制であり帝国ではなかった。なので、ローマが圧倒的国力を誇った時代とはギリギリかすらない。

加えて両国間には大きな距離があったこともあり、歴史上にこの二つの大国がぶつかったという記録はない。

ともあれ、ローマ帝国と前漢は歴史上で間違いなく強国として語られる国であり、歴史マニアの間ではあれやこれやと条件をつけて、戦略的な視点で夢の対決が語られている。

もっとも本作は脚色を加えたフィクションであり、アクションとスケール感、そしてドラマ要素に重きを置いているため、軍vs軍を歴史考証に基づいて再現したというような類のものではないが、エンターテイメントの要素としてそういう一面も抑えておくと映画をより楽しめるのではないだろうか。

ジャッキー・チェンの凄いところ

ジャッキー・チェン

最後に、カンフーアクションの神と言っても差し支えないほどのヒーローであるジャッキー・チェンのことについて、少しは触れておかねばなるまい。

昨今ではあまりに有名過ぎて彼の偉業は世界のスタンダードになりつつある。そこで、ジャッキー・チェンの一体何が凄いのかを改めて振り返ってみようと思う。

若手時代のジャッキーは、かのブルース・リーの後継者として早くから期待されていたものの、なかなか成功には至らなかった。そこで、重い復讐劇が一般的だった当時のカンフー映画に、自身のキャラクターを活かしたコミカルで明るい風を吹き込ませた。

これが大成功を呼び込み、一躍世界的スターとして名を馳せたのだった。

今ではアクションコメディというジャンルが当然の様に存在し人気を集めている。一昔前の香港では『少林サッカー』がジャッキー・チェンを超える成功を収めたと話題になっていたが、この源流を辿ればおそらくジャッキー・チェンその人にぶち当たる。

その後の活躍は知っての通り、意欲的に作品を発表し続け、今ではアジア人を代表する世界的スターだ。

ちなみに本作は、既に公開された欧米では大ヒットを記録しジャッキーにとって2010年代最高の成功作となったようだ。これによりアメリカのフォーブス誌が毎年発表する世界長者番付けで5000万ドル(約60億)を記録し、ロバート・ダウニーJr.に次ぐ世界2位となった。

2012年の『ライジング・ドラゴン』では、自身のセールスポイントである“体を張ったスタントアクション”から引退すると宣言したにもかかわらず、なおも進化を続けている。

ジャッキー・チェンももう引退してもおかしくない歳(61歳)だと思っていたが、予告編を見ていると何やら若々しくてびっくりする。個人的な希望としては、最近の活躍から「最強の60代」と呼ばれるリーアム兄さんと対決してみてほしい。

もちろん映画で。

-アクション, 洋画
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  1. チャッキーチェン より:

    見たけどもんげ〜面白かった
    男向けだね

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