映画を観る前に知っておきたいこと

【パパが遺した物語】この秋最高の感動作

投稿日:2015年9月13日 更新日:

パパが遺した物語

父と息子の絆を描いた『幸せのちから』で世界中を涙させたガブリエレ・ムッチーノ監督最新作。ニューヨークを舞台に、過去の事件から心に傷を抱えた少女ケイティの成長を描く。カーペンターズの名曲「Close to You」と共に描かれる、父親ジェイクと娘の愛の物語。この秋最高の感動作。

ケイティ役は『レ・ミゼラブル』のアマンダ・セイフライド。父ジェイク役は、グラ­ディエーター』でアカデミー賞主演男優賞を受賞したラッセル・クロウ。子供時代のケイ­ティに扮するカイリー・ロジャーズの健気で可憐な姿からも目が離せない。


  • 製作:2015年,アメリカ・イタリア合作
  • 日本公開:2015年10月3日
  • 上映時間:116分
  • 原題:『Fathers and Daughters』

予告

あらすじ

父と娘

1989年。小説家のジェイク・デイヴィス(ラッセル・クロウ)と、妻と7歳の一人娘ケイティ(カイリー・ロジャーズ)の3人は、ニューヨークで幸せな日々を過ごしていた。しかし、運命の日は突然やってきた。

ジェイクが起こした交通事故で妻が帰らぬ人となり、ジェイクも重症を負い長い入院生活を送ることになった。ケイティは、妻の姉のエリザベス(ダイアン・クルーガー)に預けられることになる。パパが遺した物語それから7ヵ月後、やっと退院したジェイクは、真っ先にケイティの元へ向かった。不安に笑顔を曇らせて「もう離れない?」と訊ねるケイティに父は、「ずっと一緒だ」と力強く答えるのだった。

しかし、そう誓い合った父と娘を引き離そうとするかのように、現実はジェイクの前に立ちはだかる。事故の後遺症の発作には苦しめられながら書いた新作の小説は酷評、さらに義理の姉夫婦であるエリザベスとウィリアムがケイティの養育権を巡る起訴を起こす。

病状は日増しに重くなり、生活は苦しくなっていく一方。それでも娘との約束を守ろうとジェイクは必死だった。刻一刻と崖っぷちへ追いやられていく中、彼は新しい小説の執筆を始める。それは自分と娘のケイティの物語だった―。パパが遺した物語

25年後

それから25年。ケイティは大学院に進学して心理学を学んでいた。しかし自暴自棄な日々を過ごし、人と深い関係を築くことを避けてきた彼女は、過去の家族の思い出がトラウマになっていた。人を愛することができなくなってしまっていたのだ。

そんなある日、小説家の父・ジェイクを尊敬しているという青年キャメロン(アーロン・ポール)と出会い、二人は恋に落ちる。この新しい出会いに、ケイティは過去と決別し、新しい人生に踏み出そうとするのだが―。パパが遺した物語次第に明かされていくあまりに純粋な父と娘の愛の物語。そしてケイティに遺された、父の最後の小説とは・・・


映画を見る前に知っておきたいこと

脚本に対する監督、俳優の評価

本作の脚本は、その評価とは裏腹になかなか映画化される機会に恵まれなかった。2012年のブラックリスト(ハリウッドで映画化が実現していない優秀脚本を選定する賞)の10位に選ばれたガブリエレ・ムッチーノ監督は、こうしたヒューマンドラマを好み、この脚本にある愛や情熱や苦悩が彼に私的なレベルで語りかけてきた。また、本作で主演を務めるラッセル・クロウは、脚本を読みながらボロボロに泣いたという。

「今まで読んだ中でも最高級の脚本だ。感情に訴える力が強く、語りやすくて、生命力に溢れている。これは、生と死、喪失、愛、愛する人を失う恐怖について、つまり人生についての物語なんだ」

ガブリエレ・ムッチーノ監督

 

「あまりに感情を刺激された。心の深部に訴えかけてくるんだ。僕は脚本に影響されないと映画に携わらないんだけど、これは有無を言わせない強さがあった。読み終わった瞬間に電話をかけて、作品に参加する手続きを始めたよ」

ラッセル・クロウ

 

「この物語のアイディアは、僕と妻の間に初めての娘ジュリアが生まれた時に思いついた。小説家が感情的・経済的問題に苦労しながらも、必死で小さな娘を育てようとする物語を書きたいと思ってね。僕が最初に書いた草案では、主人公のジェイクが小さな娘ケイティと一緒にいる時代を舞台に、ジェイクが自らが引き起こした事故で妻を亡くし、精神的な問題に立ち向かっていく物語だった。僕はその物語を気に入っていたけれど、何かが足りない気がしてね。それで一年後、もう一度この脚本に向き合い、成長したケイティ(アマンダが演じた部分)が、両親を失ったことで抱えざるを得なくなった問題についての物語を追加してみた。この2つの時代の物語を一つに組み立ててみたら、それぞれがお互いに命を吹き込み始めたんだ!」

脚本家のブラッド・デッシュ

カーペンターズよりマイケル・ボルトンの「Close to You」

劇中で父と娘が共に歌うシーンが印象に残る「Close to You」だが、本作で使われているのはカーペンターズが歌ったものではない。もともと脚本の時点では“ザ・ローリング・ストーンズ”の曲という話になっていたらしいが、ラッセル・クロウの提案で「Close to You」に決定した。しかし、カーペンターズの「Close to You」はライセンスが取得できず使用できなかった。そこで、全世界で7500万枚以上のセールスを誇るアメリカのシンガーソングライターであるマイケル・ボルトンが代わりに「Close to You」を歌うことになった。本作を見て号泣したマイケル・ボルトンはこれを快く引き受けてくれた。

というのも、彼自身3人の娘がいて、1年間の3/4はツアーで子供たちと離れているという状況が作品への共感を生んだ。もともとラッセル・クロウが「Close to You」を提案した理由は、歌詞がシーンや作品のメッセージとマッチしているからであったが、映画に共感した感情でマイケル・ボルトンが歌うことによってさらに映画にマッチしたのではないだろうか。

-ヒューマンドラマ, 洋画

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