映画を観る前に知っておきたいこと

フリー・ファイヤー
タランティーノばりのクライムアクション

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交渉決裂!乱闘勃発!

銃の取引のため場末の倉庫に集った2組のギャング。しかし、あるトラブルを契機に交渉は決裂。取引現場は混沌とした修羅場と化す。

名匠マーティン・スコセッシが製作総指揮に名を連ね、『ハイ・ライズ』(15)の俊英ベン・ウィートリーが監督を務めるノンストップアクション・コメディ。わずか90分間のワンシチュエーションの中で、スリル、アクション、ブラックユーモアが詰め込まれたエンターテイメントによって、2016年トロント国際映画祭ミッドナイト・マッドネス部門で観客賞(最高賞)に輝いた。

主演は、『ルーム』(15)でアカデミー主演女優賞に輝いたブリー・ラーソン。彼女がまさかの女ギャング役でこれまでのイメージを180度覆す他、アーミー・ハマー、キリアン・マーフィ、シャールト・コプリー、ジャック・レイナー、サム・ライリーら、近年映画界の中心的俳優陣が今までにないクセ者キャラを演じる。


予告

あらすじ

1978年のアメリカ・ボストン。銃器密売のため、寂れた倉庫に集まった2組のギャング。それは簡単に終わる取引のはずだったが、仲介人ジャスティン(ブリー・ラーソン)が注文した銃と違うことを指摘。それに対し、取引相手のヴァーノン(シャルト・コプリー)は悪態をつく。

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© Rook Films Freefire Ltd/The British Film Institute/Channel Four Television Corporation 2016/Photo:Kerry Brown

些細な誤解がきっかけで彼らの交渉はこじれ始め、その場にはトランク一杯の札束と大量の銃があったことから、張り詰めた空気は一気に爆発。突如として壮絶な銃撃戦が幕を開ける。

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© Rook Films Freefire Ltd/The British Film Institute/Channel Four Television Corporation 2016/Photo:Kerry Brown

クセ者揃いの悪党たちは、罵声を放ちながら銃を撃ちまくる。誰が味方かも分からないほど無法地帯と化した取引現場は、もはや収拾不能。全員瀕死の発狂状態の中、最後に笑うのは一体誰だ!?


映画を観る前に知っておきたいこと

カンヌ・ベネチア・ベルリンの世界三大映画祭。最近では、ここにトロントも含め“世界四大映画祭”と呼ぶ動きもあるほど、年々その注目度は増している。そして、ノン・コンペティション形式のトロント国際映画祭の大きな特徴は、最高賞が観客賞であることだ。

審査員による審議ではなく観客の投票から選出されるため、難解で芸術性に長けたマイノリティな作品が選ばれることが極端に少ない。そのトロント国際映画祭の中でも、本作が観客賞を受賞したミッドナイト・マッドネス部門は、世界中からエッジの効いたクレイジーな映画を集めた部門である。

90分間、決して観客を飽きさせることのないハイテンションな展開。そして、寂れた倉庫という閉鎖的なワンシチュエーションの中で繰り広げられる銃撃戦と騙し合いは、あのタランティーノのデビュー作『レザボア・ドッグス』(92)を思い起こさせる。

しかし、それは何もプロットが似ているからというだけではない。また、時代色の強いジョン・デンバーのカントリー・ミュージックの配置が絶妙だとか、そういうことでもない。イギリスの俊英ベン・ウィートリーが演出する巧妙かつクレイジーな会話劇こそが、観客を退屈させない最高のスパイスになっているからだ。

前作『ハイ・ライズ』(15)の舌を巻く難解さから一転、今度は全く脳みそを必要としないブラックユーモアの数々。製作総指揮マーティン・スコセッシ!?いやいや、ここにある悲喜劇は全てウィートリーのものだ。

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