映画を観る前に知っておきたいこと

後妻業の女
婚活大国ニッポンをテーマにした愛とお金の人間喜劇

後妻業の女

あなたの愛とお金、ねらわれてませんか?

原作は黒川博行の直木賞受賞後の第1作目となった「後妻業」。ドラマ界で社会派作品の名手とされる鶴橋康夫監督と豪華キャストで送る愛とお金の人間喜劇。婚活大国となった日本の社会を背景に“後妻業”と言われる結婚詐欺を、コメディタッチに映し出す。

今や65歳以上の一人暮らしは600万人以上と言われている。“熟年離婚”が急激に増加し、その反動で“熟年婚活”も増加、その結果“後妻業”が生まれる。そんなリアルな社会問題を、どこか可笑しみのある登場人物たちが喜劇へと変える!


予告

あらすじ

「武内小夜子63歳。若くして夫を失った熟年女性です。好きなことは読書と夜空を見上げること……わたし、尽くすタイプやと思います。」

後妻業の女

結婚相談所主催のパーティーに現れた武内小夜子の魅力に男たちはイチコロだった。80歳の中瀬耕造もそんな一人だ。小夜子と耕造は互いに惹かれ合い結婚した。二人は幸せな結婚生活を送るはずだった……

後妻業の女

しかしわずか2年後、耕造は脳梗塞により亡くなった。葬式の場で、小夜子は耕造の娘の次女・朋美と長女・尚子に法的効力がある遺言公正証書を突き付け、小夜子が全財産を相続する事実を言い渡す。納得できない朋美は同級生の弁護士に助けを求め、小夜子の調査をするとそこには驚きの事実が……

後妻業の女

小夜子は過去に8人の男と結婚し、後妻として財産を手に入れてきた“後妻業の女”だった!そしてその背後には、結婚相談所の所長・柏木の影があった。朋美は裏社会の探偵・本多と共に、次々と“後妻業”を繰り返してきた小夜子と柏木を追及する。

後妻業の女

一方、小夜子は次のターゲットだった不動産王・舟山を本気で愛してしまうのだった……


登場人物&キャスト

後妻業の女
大竹しのぶ(武内小夜子役)
全員イチコロ。後妻業のエース。

後妻業の女
豊川悦司(柏木亭役)
裏で操る結婚相談所所長。

後妻業の女
笑福亭鶴瓶(舟山喜春役)
小夜子が愛した凄腕の不動産王。

後妻業の女
永瀬正敏(本多芳則役)
正体不明の裏社会の探偵。

後妻業の女
津川雅彦(中瀬耕造役)
小夜子の9番目の夫。元女子短大教授。

後妻業の女
尾野真千子(中瀬朋美役)
一級建築士の気の強い女。

後妻業の女
長谷川京子(西本尚子役)
専業主婦の世間知らずの長女。

映画を観る前に知っておきたいこと

豪華なキャストと、直木賞作家の原作ということでも話題となった映画です。どのような映画か知ってもらうために原作者・黒川博行について紹介しながら原作との違いにも少しだけ言及してみようと思います。

2017年には彼が直木賞を受賞した「破門」の映画化も決定しています。そちらの原作にも触れています。

「後妻業」と『後妻業の女』

直木賞作家・黒川博行が直木賞を受賞したのは「後妻業」の一つ前の作品「破門」である。受賞からもわかる通り、彼の代表作でもある。

「破門」は黒川博行の人気シリーズ「疫病神」の一作であり、建設コンサルタントの二宮と暴力団二蝶会幹部の桑原の疫病神コンビが悪党共とシノギを削るノンストップ・ノワール(犯罪)小説だ。

映画の原作となっている「後妻業」は「疫病神」シリーズのようなハードボイルド小説ではないが、非常に黒川博行らしい作品である。

彼は社会風刺に笑いを交えたノワール小説を得意とし、読み手の予想を裏切るスピーディーな展開はエンターテイメントとしても優れている。そういう意味では黒川博行の小説は映画との相性が非常に良い。もし映画をお気に召したら、「疫病神」シリーズを読んでみる価値はあるかもしれない。その人にとっての相性の良さも期待できる。

彼が直木賞を受賞したのは「破門」の一作だけだが、「疫病神」シリーズ5作の内、実に3作が直木賞候補に選出されている。彼が最初に直木賞候補となってから6回目、それは18年後の受賞だった。最終的に「破門」は満場一致での受賞だった。

審査員の中には、作品以外の部分で黒川博行の忍耐力と作家魂を評価したという者もいた。黒川博行本人はそんな経験から「もう候補にならないのが一番ありがたい」とも語っている。

「後妻業」は受賞後の第一作目であり、黒川博行がプレッシャーから解き放たれた作品でもある。作品はより喜劇的となり、人間臭さ、可笑しみといった要素が前面に押し出されている。

原作では”後妻業”を巡る柏木と本多の駆け引きが主軸に描かれていたが、映画では大竹しのぶが演じる主人公・小夜子は原作以上の存在感を持つように描かれており、人間喜劇という側面がさらに強調されている印象を受ける。これは映画のタイトルも原作の「後妻業」から『後妻業の女』に変更されていることからもわかる通り、鶴橋康夫監督流の脚色である。

よりエンターテイメント性を増した映画化となった。

最後に本作とは直接関係ないが、2017年に佐々木蔵之介×横山祐のW主演で「破門」の映画化も決まっている。

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