映画を観る前に知っておきたいこと

僕とカミンスキーの旅
盲目の老画家と青年の奇想天外な旅

僕とカミンスキーの旅

ピカソ、ダリ、ウォーホール!かつて美術界が熱狂した!盲目の天才画家と青年の奇想天外なロードムービー

マティスの弟子にして、あのピカソを夢中にした盲目の画家カミンスキー。突如失踪した彼の居場所を突き止めたのは、崖っぷちの美術評論家だった。

2003年に本国ドイツの歴代興行記録を更新した『グッバイ・レーニン!』(02)の監督ヴォルフガング・ベッカーと主演ダニエル・ブリュールが、12年振りにタッグを組んで贈るロードムービー風ヒューマンドラマ。31歳の美術評論家ゼバスティアンと85歳の盲目の画家カミンスキー、型破りな主人公二人がドタバタ続きの珍道中で奇妙な友情を育んでいく。

ゼバスティアンを今や国際派のスター俳優へと成長したダニエル・ブリュール、カミンスキーを『007』シリーズのイェスパー・クリステンセンがそれぞれ演じる。


予告

あらすじ

1960年代、ポップアートが隆盛したニューヨークで盲目の画家として脚光を浴びたマヌエル・カミンスキー(イェスパー・クリステンセン)。彼はマティス最後の弟子にして、あのピカソを始め、名だたるアーティストを夢中にさせた伝説的な画家だった。しかし、彼は理由も明かさずに突如どこかへ姿を消してしまった。

僕とカミンスキーの旅

© 2015 X Filme Creative Pool GmbH / ED Productions Sprl / WDR / Arte / Potemkino / ARRI MEDIA

あれから50年余りが経ち、カミンスキーの居場所を突き止めたのは、31歳の無名の美術評論家ゼバスティアン(ダニエル・ブリュール)だった。金と名声欲しさに芸術家の伝記を書こうと思い立った彼は、スイスの山奥で隠遁生活を送るカミンスキーの元を訪ねる。そして、伝説的な画家の新事実を暴くため、行き当たりばったりの突撃取材を敢行。しかし、カミンスキーは頑なに口を閉ざし、取材は波乱続きとなった。

僕とカミンスキーの旅

© 2015 X Filme Creative Pool GmbH / ED Productions Sprl / WDR / Arte / Potemkino / ARRI MEDIA

そんな時、カミンスキーには若き日に愛した忘れられない女性がいることを知ったゼバスティアンは、年老いた彼を言葉巧みに誘導し、その女性に会いに行くことを決心させる。かくして始まった二人の旅はトラブル続き、いつしか奇妙な方角にねじれ、思いがけない終着点に向かっていくのだった……


映画を観る前に知っておきたいこと

ドイツ映画として日本でも大ヒットを記録した『グッバイ・レーニン!』以来、実に12年振りとなるヴォルフガング・ベッカー監督の長編最新作。その原作にベッカーが選んだのは、同じくドイツのベストセラー作家ダニエル・ケールマンの出世作『僕とカミンスキー』である。

実在しない盲目の画家カミンスキーを描いたこの物語は、かつて『グッバイ・レーニン!』の主人公アレックスがでっち上げた虚構のドイツを思わせ、芸術に対する皮肉がたっぷりと込められた辺りも、東西ドイツ統合という歴史的な一大事を見事に風刺してみせたベッカーの語り口に通じるものがある。ただ、今度の悲喜こもごもの人間ドラマは、登場人物がどいつも胡散臭く、非常に感情移入しづらい。

野心家で他人の迷惑を顧みないエゴイストにして、無名の美術評論家ゼバスティアン。彼が伝記を執筆しようと思い立ったのも、カミンスキーの死後、金になりそうだからという不純な動機からだ。まさに自称美術評論家といった男である。

そして、そんなゼバスティアン以上にしたたかで身勝手な男として描かれるカミンスキー。盲目の画家という話題性から一度は時代の寵児となった男だが、彼もまた芸術家として致命的な秘密を抱える。

まるで全てが方便のようなこの二人。奇想天外な旅の中で互いの悪意をぶつけ合う様は、滑稽なれど心温まるような代物ではない。しかし、不思議と二人の旅の終わりと共に、ゼバスティアンが書いたカミンスキーの伝記が読みたくなる。そんな気持ちにさせられるのだ。

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