映画を観る前に知っておきたいこと

【白鯨との闘い】19世紀実際にあった伝説の白鯨との死闘

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白鯨との闘い

1851年、H・メルヴィルによって生まれた小説「白鯨」はアメリカ文学を代表する作品として今でも国民的である。捕鯨船ビークォド号の航海と、巨大な白鯨に足を奪われた船長の復習を長編であり、1819年に太平洋沖で30メートル以上の巨大な白鯨に捕鯨船が襲われた実際の海難事故が基となっている。そして映画の原作となったのが、H・メルヴィルの「白鯨」に隠された真実を描いたナサニエル・フィルブリックの「白鯨との闘い」である。「白鯨」は聖書のエピソードが盛り込まれたフィクションであったが、「白鯨との闘い」は捕鯨船エセックス号を襲った衝撃の実話を基にしたノンフィクションである。この作品は、アメリカ文学界で最も権威ある賞の一つ全米図書賞のノンフィクション部門を受賞した。

この超大作に挑んだのは、『アポロ13』(1995)『ビューティフル・マインド』(2001)『ダ・ヴィンチ・コード』(2006)などを手掛けた名匠ロン・ハワードだ。巨大な白鯨と命をかけた戦いを繰り広げた男たちが生還するまでの姿を、かつてない臨場感と圧倒的な迫力で映し出す。生きるすべのない大海原で信念を貫いた男たちの物語を見届けよ!


    • 製作:2015年,アメリカ
    • 日本公開:2016年1月16日
    • 上映時間:122分
    • 原題:『In the Heart of the Sea』
    • 上映方式:2D/3D
    • 原作:小説「白鯨との闘い」ナサニエル・フィルブリック

予告

あらすじ

19世紀、アメリカで捕鯨は一大産業であった。鯨から取れる鯨油は人々の生活に欠かせないものであった。白鯨との闘い1819年、一等航海士オーウェンは21人の仲間と共に捕鯨船エセックス号に乗り込み太平洋を目指した。オーウェンは妻とまだ見ぬ我が子に「必ず帰る」と誓いアメリカのナンタケット港を出航した。白鯨との闘いエセックス号は沖合4800kmの海域でかつて誰も見たことがない巨大な白いマッコウクジラと遭遇する。30メートルを超える巨大な白鯨を前にし、勇敢に立ち向かっていくがエセックス号は大破され、男たちは大海に放り出されてしまう。白鯨との闘い生き残ることすら難しい状況に陥った男たちに更なる試練が待ち受ける。白鯨との闘いわずかな食料と飲料水をかき集め3艘のボートに乗り込んだ男たちは、自分たちの位置もわからないまま漂流していく……


映画を見る前に知っておきたいこと

名匠ロン・ハワード監督

本作は、本年度のアカデミー賞候補としても注目を集めている。アカデミー賞と言えば話題性の高い作品が選ばれる傾向が強く、ロン・ハワード監督作品という時点でその要素は満たしていると言える。ロン・ハワード監督は過去に数多くの名作を生み出してきた名匠だ。賞レースでも活躍し、興行的にも多くの成功を収めている。

ロン・ハワード監督の代表作とも言える『ビューティフル・マインド』(2001)では、第74回アカデミー賞監督賞・作品賞・助演女優賞・脚色賞の計4部門を受賞し、ゴールデングローブ賞でも作品賞(ドラマ部門)・脚本賞・主演男優賞・助演女優賞の計4部門を受賞している。この作品は実在したノーベル経済学賞受賞の天才数学者であるジョン・ナッシュの半生を描いている。

興行的に大きな成功を収めた作品は『ダ・ヴィンチ・コード』(2006)だ。この作品はアカデミー賞を取ることはなかったが、大きな話題を呼び7億ドルを超える興行収入を記録した。こちらも原作は小説で、ルーヴル美術館で起こった殺人事件
を発端にレオナルド・ダ・ヴィンチの名画に隠された暗号を解き明かし、事件の裏に秘められたキリスト教をめぐる人類史上最大の秘密に迫るミステリーだ。これは史実として描かれているものの、それを裏付ける資料がないためノンフィクションともされている。キリストを冒涜したものだという批判もあり、その辺が賞レースを賑わせなかった原因かもしれないが、逆に話題を呼んだのも間違いない。

またもう一つのロン・ハワード監督の代表作『アポロ13』(1995)もアポロ13号爆発事故の実話に基づいた作品であり、本作『白鯨との闘い』も実際の海難事故が基となっている点など、いかにもロン・ハワード監督が好みそうな原作だ。ロン・ハワード監督は40年におよぶキャリアの中で多岐にわたるジャンルの映画を撮ってきた。壮大なスケール感で物語を映し出すことも得意としているが、ヒューマンドラマや『ラブINニューヨーク』(1982)と『スプラッシュ』(1984)のようなラブコメも得意とする監督だ。

こうした多彩な作風を見せるロン・ハワード監督は、登場人物の人間性、多面性を描くことにも秀でている。それによって本作は巨大な白鯨との戦いを壮大に描いたスリラーというだけでなく、生と死の狭間に立たされた人間の屈強な精神や、人間の自然との在り方など多くのテーマを含んだ作品となっている。

本作を見る上で、とにかく実話ということは常に頭の片隅に置いておいてほしい。そうすることによって巨大な白鯨との戦いで起きた海難事故を圧倒的な迫力で感じることができる。そして、そこで生き残ろうとする人間の行動がよりリアリティを増してくる。

-スリラー, 伝記, 洋画
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