映画を観る前に知っておきたいこと

【アイリス・アプフェル!94歳のニューヨーカー】人生の達人に会える稀有なる体験を

投稿日:2016年2月12日 更新日:

アイリス・アプフェル!94歳のニューヨーカー

94歳にして今なおニューヨークのカルチャーシーンに影響を与えるファッション・アイコン、アイリス・アプフェルのドキュメンタリー。全米最大の映画レビューサイトRotten Tomatoesで満足度97%という驚異的な数字をたたき出し、各国の映画祭でも熱く支持された傑作がついに日本公開となる。彼女から学ぶ“素敵に楽しく”人生を生きるヒントがここにある。

監督は『ローリング・ストーンズ・イン・ギミー・シェルター』(1969)や、ジャクリーン・ケネディ・オナシスの叔母と娘の関係をつづった『グレイ・ガーデンズ(原題)』(1970)などを手掛けたアメリカドキュメンタリーの巨匠アルバート・メイズルス。しかしこの作品を最後に、2015年マンハッタンの自宅で膵臓癌のため亡くなった。皮肉にもアイリス・アプフェルよりも少し若い88歳だった。

あのジャン=リュック・ゴタールに「最高のアメリカ人カメラマン」と言われ、映画史に残るドキュメンタリーを数多く手掛けてきたアルバート・メイズルス監督が最後に僕たちに残してくれた映画は人生を豊かにしてくれる最高の1本だ!

  • 製作:2014年,アメリカ
  • 日本公開:2016年3月5日
  • 上映時間:80分
  • 原題:『Iris』

 

予告

あらすじ

アメリカ・ニューヨークのカルチャーシーンに影響を与え続ける94歳アイリス・アプフェル。彼女は今なお現役のキャリアウーマンであり、インテリアデザイナー、実業家としてそのバイタリティは留まることを知らない。大きな眼鏡に、ブランドのジャケット、タイルを貫き、ヴィンテージアクセサリーや民族衣装、その独創的なスタイルは多くのデザイナーたちからもリスペクトされている。アイリス・アプフェル!94歳のニューヨーカー彼女は1950年代からインテリアデザイナーとしてキャリアをスタートし、夫と設立したテキスタイル会社も大成功をおさめた。そして、あのジャクリーン・ケネディや歴代大統領からホワイトハウスの装飾を任されたというキャリアまで。アイリス・アプフェル!94歳のニューヨーカー2005年、84歳の彼女のファッション・コレクションの展覧会がメトロポリタン美術館で開催され、驚異的な動員数を記録した。それ以来、彼女は「KATE SPADE」の広告モデルや化粧品「M・A・C」のミューズを務め、人気アニメ「シンプソンズ」にキャラクターとして登場するなど、大きなメガネとアクセサリーがトレードマークのファッションアイコンとなったのだ。アイリス・アプフェル!94歳のニューヨーカーそんな彼女の独創的なファッションセンスはどのように培われたのか?実業家としても変化の激しいニューヨークで現役で居続けられる理由とは?伝説を打ち立てたメトロポリタン美術館の展覧会や、老舗百貨店・バーグドルフ・グッドマンでのディスプレイ企画、売り切れ続出のTVショッピングなど、彼女のキャリアの裏側から紐解いていく。

また劇中ではそんな彼女の魅力を、デザイナーのアレキサンダー・ワン、ドリス・ヴァン・ノッテン、グラミー賞を21回受賞したミュージシャン、カニエ・ウェストら豪華セレブらが証言する。

そして、ポップでカラフルな彼女の世界観を捉えた映像の中には、最愛の夫カールの姿がある。彼女が理想の夫と語るカールは今はもう亡くなってしまったが、そこには美しい二人の夫婦愛が偲ばれる。アイリス・アプフェル!94歳のニューヨーカーそんな人生の達人に会える稀有なる体験をあなたに……

映画を見る前に知っておきたいこと

94歳アイリス・アプフェルの生き方

こんな人がいるのか!初めはその奇抜なセンスに驚かされたが、本当に驚いたのはその生き方だった。

昔から洋服が好きだった僕は、年齢を理由に最近ではあまり拘らなくなった。でもアイリス・アプフェルを知ってそれを少しばかり恥じた。僕は拘らなくなったわけではなくて、ただめんどくさがっていた。センスに歳はあまり関係ないのかもしれない。何よりもそれを生み出しているのは彼女が持つバイタリティーだ。僕にはセンスそのものより、その行動力や考え方、生き方が素敵に思えた。

彼女の人生そのものが1本の映画のようで、彼女がその映画の主演女優のようで、彼女のコレクションはそれだけで華やかでまるで映画のセットのようだ。本作はドキュメンタリー映画だが、彼女を取り巻く世界観は脚色されたもののように映った。

そんなアイリス・アプフェルの生き方が垣間見える彼女の名言を紹介したい。

  • 「人の目を気にするのではなく、自分のために服を着る。」
  • 「パーティーに出かける支度は、パーティーそのものよりずっと楽しい。うまい事、言うわ。」
  • 「ハーリー・ウィンストンより、4ドル程度のアクセサリーに胸が躍るの。」
  • 「値段交渉には美学がある。むやみに値切るわけじゃない。でも値切らないと逆に失礼な場合もあるのよ。」
  • 「ハーレムの人は、カラフルでスタイリッシュよね。ダウンタウンでは皆黒ずくめよ。制服みたいでおもしろくない。」
  • 「子供は望まなかった。すべてを手に入れるのは無理だとわかっていたから、キャリアと旅行を選んだ。」
  • 「私は大きくて大胆で派手なものが好き。死者も目覚めるほどよ。」
  • 「毎日無難な事を繰り返すぐらいなら、いっそ何もしなきゃいい。」
  • 「人と同じ格好をしないのは、自分の意見を持つということ。」
  • 「センスがなくても幸せならいい。皆好きな服を着るべきだもの。」
  • 「服のデザインを見ればどんな時代だったかわかるわ。政治、経済や科学、ファッションはすべてつながっているの。」
  • 「積極的に世の中に出たいわ。それが私の生き方なの。」
  • 「自分を美人だと思ったことは一度もない。私みたいな女は、努力して魅力を身に付けるの。」
  • 「40年代に女性で初めて、私がジーンズをはいた。ギンガムチェックのターバンと大きなイヤリング、シャツとジーンズを合わせてみたいと思ったの。」

-3月公開, ドキュメンタリー, 洋画
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