映画を観る前に知っておきたいこと

【教授のおかしな妄想殺人】世界中で敬愛されるウディ・アレン監督最新作!

投稿日:2016年5月13日 更新日:

教授のおかしな妄想殺人

アカデミー賞に史上最多となる24回もノミネート(うち監督賞を1度、脚本賞を3度受賞)されたアメリカを代表する監督ウディ・アレンの最新作!

数々の名作を世に送り出してきたウディ・アレン監督だが、コメディアンとして活躍した後に映画の世界に飛び込んできたキャリアから彼の監督作はコメディが多い。しかし彼の生み出すコメディは、生まれ育ったニューヨークの文化や暮らし、人々のメンタリティ、ユダヤ人であることの差別とコンプレックス、自己意識などをテーマとした独特の哲学を持った作品ばかりである。そして本作は、そんなウディ・アレン監督の哲学的集大成となるダーク・コメディだ。「人生は無意味である」という真理に到達してしまったニヒルな大学教授と、そんな教授に恋する生徒のすれ違う運命を描き、“生きる意味”とは何なのだろうかと僕たちに問い掛ける。

ウッディ・アレン監督と初タッグとなるホアキン・フェニックスを主演に迎え、前作「マジック・イン・ムーンライト」でもヒロインを演じたエマ・ストーンが本作でもヒロインを演じている。

2015年カンヌ国際映画祭アウト・オブ・コンペティション部門正式出品作品。アウト・オブ・コンペティション部門では受賞の対象外として特別に映画祭の中で上映される。


  • 製作:2015年,アメリカ
  • 日本公開:2016年6月11日
  • 上映時間:95分
  • 原題:『Irrational Man』

予告

あらすじ

並外れた変人と評判の哲学科教授エイブが、アメリカ東部の大学に赴任してくる。若い頃は政治活動やボランティアに熱中し、世界中を飛び回ったエイブだが、今では学問にも恋愛にも身が入らず、慢性的に孤独な無気力人間になっていた。しかし教え子ジルはそんなエイブに恋心を抱き、彼を救いたいと考えていた。教授のおかしな妄想殺人そんなある日、たまたま立ち寄ったダイナーで迷惑な悪徳判事の噂を耳にした瞬間、エイブの脳裏に突拍子もない考えがひらめく。それは誰にも疑われることなく、自らの手で判事を殺害するという完全犯罪への挑戦。すると、あら不思議、奇妙な“生きる意味” を発見したエイブはたちまち身も心も絶好調となり、ひたすら憂鬱だった暗黒の日常が鮮やかに色めき出す。教授のおかしな妄想殺人一方、ジルはまさか彼の頭の中におかしな妄想殺人が渦巻いているとはつゆ知らず、別人のようになったエイブに困惑しながらますます恋心を燃え上がらせていくのだった。教授のおかしな妄想殺人一体、エイブの頭の中で何が起こったのか?彼をポジティブ人間に変えた秘密とは!?


映画を見る前に知っておきたいこと

ウディ・アレン監督が世界中で敬愛される理由

ウディ・アレン監督はもともとコメディアンから映画界に入ってきたが、映画人としてのキャリアは1965年辺りからスタートしている。そのキャリアは監督のみならず、脚本家、俳優としても活躍している。監督、脚本、主演の三役をこなして成功することができた映画人は、北野武とチャールズ・チャップリンとオーソン・ウェルズとウディ・アレンだけだと言われている。また、小説家、クラリネット奏者など多岐に渡る才能を持ち合わせた人物である。

その反面、賞レースには一切興味がなく、アカデミー賞に史上最多となる24回もノミネートされながら授賞式には一切出席しないことでも知られる変わり者だ。授賞式をすっぽかしてニューヨークのパブでクラリネットを吹いていた程だ。しかし、一度だけ授賞式に姿を現したことがある。それはアメリカ同時多発テロで犠牲になった人たちに捧げるオマージュとして製作されたニューヨークを舞台にした作品集の紹介を依頼された時だ。役目を終えるとすぐに帰ってしまったが、生まれ育ったニューヨークに対する特別な思いを感じるエピソードだ。

ウディ・アレン監督はそうした行動からハリウッドに背を向けた映画人と言われるが、アカデミー賞での評価の高さは相変わらずであることがその巨匠ぶりをうかがわせる。また、興行成績的にはアメリカ国内よりフランスなど国外の方が良いことが多いが、アメリカ国内の人気俳優や女優が競って出演することでも知られている。

ウディ・アレン監督がそれだけ敬愛される理由は何だろう。それはやはり作品に込められたテーマの深さと、それを表現するユーモアだと思う。彼の作品はコメディが多いが、それは腹を抱えて笑うようなものではない。筋金入りのペシミスト(悲観論者)として知られるウディ・アレン監督は、ニヒルでブラックな笑いを得意とする。これまでの作品では手を替え品を替え、運命や偶然なるものに翻弄される人間の哀しさ、滑稽さを探究してきた。彼の作品はコメディでありながら常に哲学的なのだ。

彼の才能に疑う余地はないが、大学時代は授業をサボりすぎて2度も中退を経験しているなど(ダメ)人間らしい一面もある。そんな彼の性格が作品には色濃く反映されている。ましてや本作は主人公を哲学者にしたことで、もっともウディ・アレンらしい作品に仕上がっているように思う。、アレンのテツガク的集大成という謳い文句もあながち間違っていないのでは……

-6月公開, コメディ, 洋画
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