強い怨念を遺して死したモノの呪い。呪いに触れた者は命を落とし、新しい呪いを生む・・・。日本最恐のホラー映画と呼び声の高い『呪怨シリーズ』の最終章。『呪怨シリーズ』は清水崇監督のビデオシリーズを皮切りに、国内外で10作が製作された。
今回、メガホンを取るのは、前作『呪怨 終わりの始まり』に続いて落合正幸監督。呪怨の大ヒットを受け、日本のホラーシンボルとなった佐伯伽椰子を演じるのは最所美咲だ。平愛梨を主演に、佐々木希、桐山漣、おのののかなどが出演。
- 製作:2015年,日本
- 日本公開:2015年6月20日
Contents
- 1 予告
- 2 あらすじ
- 3
映画を見る前に知っておきたいこと
- 3.1 呪怨シリーズ
- 3.2 呪いの誕生……
- 3.3 なぜ伽椰子は人を呪い殺し続けるのか
- 3.4 裏設定・小ネタ
予告
あらすじ
麻衣は、小学校の教師をしている妹・結衣(前作の主人公)の失踪の手がかりを探していた。妹は疾走する直前、”佐伯俊男”という不登校児の家を頻繁に訪ねていたという。早速佐伯家を訪れた麻衣だったが、家があるはずの場所は既に空き地になっていた。
居合わせた不動産屋に「佐伯家は呪いの家だから関わらない方がいい」と忠告される。しかし、麻衣は妹の行方をつかむため、”佐伯俊男”を探し始める……
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映画を見る前に知っておきたいこと
呪怨シリーズ
日本のホラー映画では、霊が直接登場するシーンを避ける傾向にある中で、『呪怨シリーズ』では次々と霊が登場する。呪怨のコンセプトは、シリーズの生みの親である清水監督曰く「笑われるほど幽霊を出しまくること」。コンセプトを見事に体現していると言っていいのか、霊が登場するシーンの過激さのあまり爆笑してしまう人も少なくない。
下記の概要を基に、国内外で10作以上が製作されたオムニバスシリーズで、本作は『呪怨 終わりの始まり』とストーリーが繋がっている。
呪いの誕生……
強い怨念を遺して死したモノの呪い。呪いに触れた者は命を落とし、新しい呪いを生む・・・。「強い怨念を残して死んだモノ」とは佐伯伽椰子という女性のことで、彼女の呪いは次々と人を死に追いやっていく。
佐伯伽椰子
伽椰子は大学時代に同級生の小林俊夫に片想いをしていた。それも思い込みのキツいストーカーで、学生時代から俊介への想いをノートに綴り続けていた。その恋は遂に片想いで終わり、伽椰子は後に出会った夫である佐伯剛雄と結婚、息子も授かり家庭を築いていた。
しかし、後年になって息子・佐伯俊雄が通う小学校の教師になっていた小林俊介と再開、伽椰子の想いは再燃する。そして昔よりも狂信的にノートへの書き込みを始めるようになる。
夫、佐伯剛雄の暴力
夫の佐伯剛雄は二人目の子供を熱望していたが、伽椰子はなかなか妊娠しなかった。そのため産婦人科を訪れたところ、自らが「乏精子症」である事が判明する。「妊娠する確率は数%です」という担当医の言葉から、俊雄の父親は自分ではのではないかという妄想に取り憑かれるようになっていった。さらに偶然伽椰子のノートを見てしまい、嫉妬に狂って暴力を振るうようになる。
「俊雄の名前は小林俊介の”俊”と自分の”雄”をとって付けられた」
「俊雄の父親は小林俊介である」
伽椰子殺害
剛雄の妄想は肥大化し、それまで可愛がっていた息子の俊雄にも憎悪の感情を剥き出しにして暴力を振るうようになる。
暴力は日に日に激しさを増していき、剛雄は遂にカッターナイフで伽椰子の喉や全身を切り付け、2階に放置した。伽椰子はなんとか逃げだそうと虫の息で階段を這いずり、下の階まで降りたが、追ってきた剛雄にとどめを刺された。
この現場を目撃した俊雄は、押入れに隠れてその場をやり過ごしていた。しかし、死亡した母親によって向こう側の世界に連れて行かれた。剛雄はその数日後、変死体で発見された。
その後、無人となった佐伯家には次々と新しい入居者が引っ越してくるが、本人も、その家族や親族、事件を捜査した刑事たちまで伽椰子の呪いに触れ、命を落とすことになる……
なぜ伽椰子は人を呪い殺し続けるのか
伽椰子は自分を殺した剛雄と愛する小林俊介を殺害、俊雄も誘拐し、目的を達成したかのように思える。なぜ彼女は次々と人を呪い続けるのか。
その答えはハリウッドのリメイク版『呪怨 パンテミック』で明かされている。伽椰子の母親はイタコであり、除霊の儀式を行っていた。他人から祓った悪霊を血に含ませ、それを伽椰子に飲ませ続けていたために、伽椰子が悪魔化し「この苦しみを他人に味あわせてやりたい」という念が怨念になったというものだ。
実はこれは、ビデオ版でボツになった設定。母親がイタコという時点で、清水崇がこだわっていた”日常に現れる恐怖”に悖るためだ。『呪怨 パンデミック』
裏設定・小ネタ
長く続いたシリーズだけに、たくさんの裏設定や小ネタなどが存在する。その中から、知っておくと面白そうなものを少し抜粋した。
- 俊雄が猫の鳴き声をあげるのは、可愛がっていた黒猫の「マー」を、剛雄が殺したことに関係している。虐げられた弱い者同士の霊が惹かれ合って一体化した。
- 伽椰子、俊雄に遭遇した人は必ず殺されるか、失踪する。
- 呪い殺された人は成仏できず、真っ白なゾンビのような姿や、下顎が外れた状態で伽椰子に使役される。剛雄もまた伽椰子の操り人形になっている。
- 伽椰子の「ア、ア、ア・・・」という奇声は剛雄に首を切られたため。
- この声は監督の清水崇本人が発泡スチロールを使って出している。
- 佐伯家の住所は「東京都練馬区寿町4-8-5」