いとしい。おいしい。
日活の成人映画レーベル「ロマンポルノ」の45周年を記念し、日本映画界の第一線で活躍する監督たちが新作ロマンポルノを手掛ける「日活ロマンポルノ・リブート・プロジェクト」第2弾!
本能むきだしのままヒートアップする男と女の駆け引き。性を軽妙かつ自由に描き出したオフビート活劇。大自然の中で欲望の渦に飲まれていく、彼らの行き着く果ては……?
野性味溢れる魅力を放つヒロイン汐里を演じたのは、今年公開された『屋根裏の散歩者』(16)でもオールヌードを披露し、その潔い脱ぎっぷりに注目が集まる女優、間宮夕貴だ。
Contents
- 1 予告
- 2 あらすじ
- 3
映画を観る前に知っておきたいこと
- 3.1 ロマンポルノ、ロカルノに挑む!
- 4 あとがき
予告
あらすじ
都会の喧噪を避け、過去から逃げるように山小屋で暮らす男・高介(永岡佑)。ある時、彼は生命力を持て余し、野性味溢れる魅力を放つ女・汐里(間宮夕貴)に出会う。
© 2016 日活
「女は、もう卒業したんだよ。」そう言い放つ無欲な高介は、欲望に忠実な汐里に翻弄されていく……
Sponsored Link映画を観る前に知っておきたいこと
ロマンポルノの名匠・神代辰巳監督をリスペクトする塩田明彦監督がロマンポルノの新たな地平を切り開いた。ロカルノ国際映画祭で見事、若手審査員賞を受賞。ロマンポルノ作品が国際映画祭のコンペティション部門へ招待されたこと自体が初めてのことだった。
ロマンポルノ、ロカルノに挑む!
ロカルノ国際映画祭は、スイス南部、イタリアに国境を接するティチーノ州で1946年から続く、カンヌ、ベネチア、ベルリンと同様に国際映画製作者連盟(FIAPF)公認の伝統ある国際映画祭だ。
ロカルノでの評価は、ロマンポルノにとって非常に重要な意味を持つ。
日本では、ロマンポルノがピンク映画とはまったく“別もの”という認識があるものの、実際は映画低迷期に苦肉の策として生まれた成人向けジャンルであることは否定できない。初期においては映画表現のわいせつ性をめぐって警察権力から度重なる告発を受け、長期にわたる裁判闘争も行われた。
また、ロマンポルノのおもしろさがポルノというジャンルに起因しているのも事実だ。ただ官能的で芸術的なだけの映画なら日本の映画史に大きな潮流のひとつとして刻まれることもなかったはずである。そう、ロマンポルノはポルノであることを自ら否定できない。
しかし、1988年に一旦その幕を下ろしたロマンポルノが「日活ロマンポルノ・リブート・プロジェクト」として再び映画史にその姿を現したことで、国際的にもピンク映画とは“別もの”と認められる機会を得たのだ。
しかも、塩田明彦監督自身が敬愛するロマンポルノの名匠・神代辰巳監督の代表作『恋人たちは濡れた』(73)を彷彿とさせる作品であることが、その快挙をより感慨深いものにする。
因みに、『恋人たちは濡れた』も同映画祭のHistoire(s) du cinema部門で上映されている。国際映画祭にロマンポルノが2本も招待されたのだ。
あとがき
「日活ロマンポルノ・リブート・プロジェクト」により、ロマンポルノが再評価されることは予想できたが、ロカルノまで届いたことには正直驚いている。この企画が、園子温・中田秀夫・行定勲・白石和彌・塩田明彦の5人の監督に限定されていることに少々寂しさを感じはじめている。これから国内外で、継続的な製作を望む声が高まってくるのではないだろうか。
過去の潮流としてのロマンポルノについては、「日活ロマンポルノ・リブート・プロジェクト」の記事で触れているので、興味と時間があれば参考にしてほしい。
作品データ
原題 | 『風に濡れた女』 |
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製作国 | 日本 |
製作年 | 2016年 |
公開日 | 2016年12月17日 |
上映時間 | 78分 |
映倫区分 | R18+ |
キャスト
キャスト | 間宮夕貴 |
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永岡 佑 | |
テイ龍進 | |
鈴木美智子 | |
中谷仁美 | |
加藤貴宏 | |
赤木悠真 | |
谷戸亮太etc. |
監督・スタッフ
監督 | 塩田明彦 |
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脚本 | 塩田明彦 |
製作 | 由里敬三 |
製作総指揮 | 田中 正 |