映画を観る前に知っておきたいこと

【君がくれたグッドライフ】ALSをテーマに人生の素晴らしさを描いたドイツ映画

君がくれたグッドライフ

トロント、ロカルノなどをはじめ、世界各国の映画祭で絶賛された人生の素晴らしさを知るドイツの感動作!

年に1度、自転車で旅に出る6人の仲間たち。ALS(筋萎縮性側索硬化症)と宣告されたハンネスは妻や仲間と共に尊厳死の許されたベルギーを目指す。ハンネスの病を知った仲間たちは彼をサポートしながらドイツからベルギーまで548キロの道のりを進む。共に笑い合いながら……

ハンネスを演じるのは『ヴィンセントは海へ行きたい』でドイツ映画賞主演男優賞を獲得した国民的俳優、フロリアン・ダーヴィト・フィッツ。監督はドイツ映画の未来を担うと言われるクリスティアン・チューベルト。

これは人生最期の度を通じて、どのように死ぬかではなく、どう生きるかを描いた映画だ。


  • 製作:2014年,ドイツ
  • 日本公開:2016年5月21日
  • 上映時間:95分
  • 原題:『Hin und weg』
  • 映倫区分:PG12

予告

あらすじ

旅立ち──「なぜベルギーへ?」君がくれたグッドライフ年に1度6人の仲間たちで行く15回目の自転車旅行。出発の日の朝、自宅の窓からの景色をじっと見つめるハンネスだった。メンバーは最愛の妻キキ、悪ふざけが大好きな弟のフィン、そして近ごろ夫婦関係が微妙なドミとマライケ、さらに自由主義で未だ独身のミヒャエル。

毎年、持ち回りで行き先を決めていたが、今年はハンネスとキキの番だった。行き先がベルギーと聞いて不満を漏らす仲間たち。ドイツ暮らしの彼らにとってベルギーは、チョコレートぐらいしか思いつかない退屈な場所であった。最初の休憩で、毎年恒例の“課題ゲーム”を始める6人。右隣に座った人に旅行中の課題を出すのだが、内容は実行するまで秘密だ。「マジで?」「笑えるな」と全員で盛り上がっていた。

告白──「一緒に楽しく旅行したあと、最期を見届けるってこと?」君がくれたグッドライフ翌日、6人はハンネスの兄家族の家に立ち寄った。そこで酒を酌み交わしていた時、ドミがハンネスに子供はまだかと訊ねる。すると突然ハンネスの母親が泣き出してしまう。キキに促され、ハンネスは父親と同じALS(筋萎縮性側索硬化症)を発症し、余命3~5年と宣告されたと打ち明けた。仲間たちはショックを受けるが、そこでハンネスとキキが行き先ををベルギーにした理由を初めて知るのだった。それは、ベルギーでは法的に尊厳死が認められているからだった。

真実を知らされていなかったことに感情的になってしまう弟のフィン。命が尽きるまで生きることを願う母。しかしハンネスは父の時のように、家族に辛い思いをさせたくないと願うのだった。マライケはキキに「旅をやめさせて」と頼むが、「ハンネスにはみんなとの旅が大切なの。一緒に来てくれる?」と答えた。

2度目の出発──「楽しい旅行にするぞ。約束するよ」君がくれたグッドライフ翌朝、ハンネスが母の車で出発しようとすると、旅の支度をした仲間たちが現れる。それぞれが様々な感情を抱えながらも、みなハンネスの願いを叶えたいと思っていた。しかし、そこにはフィンの姿だけなかった。兄と甥っ子に別れを告げ、母とはベルギーで落ち合う約束をし、再び出発することに。街を抜け、山道へ入る頃、弟のフィンが追いついてきた。フィンは「兄貴は闘わないの?」とハンネスに思いをぶつける。

旅を続いていくにつれ、ハンネスが懸命に生きる姿は、ぎこちない空気を変えていった。次第に6人の間に笑顔が戻る。“女になる!”という課題で女装したミヒャエルが現れると、ハンネスたちは大きな笑い声に包まれる。翌朝、知り合ったばかりのザビーネを皆に紹介するミヒャエル。実家のあるベルギー国境まで同行すると聞いて仲間たちは呆れるが、ザビーネの無邪気さにも救われていた。

笑顔の旅──「精一杯生きたいのよ」君がくれたグッドライフ度が進むにつれハンネスの症状も日に日に悪化していく。自転車の速度も落ちていた。しかし、楽しかった日々の思い出話は旅を中止するべきではという心配を吹き飛ばしてくれた。キャンプの朝、雨でぬかるんだ泥の中で、昔のように思い切りふざけ合う6人は、ただ一緒にいることが大切だと気付くのだった。“課題ゲーム”をクリアするたびに笑いが絶えない、いつもの旅ような反面、彼らはみな、その一瞬一瞬を胸に刻もうとしていた。遂に国境にたどり着き、6人はザビーネと別れ、ベルギーへと入っていく。

旅の終わり──「君なら─?」君がくれたグッドライフそして最後の夜、キャンプファイアを囲みながら、ハンネスはみなに最期の思いを話すのだった。初めてキキが本音をぶつけたことから、ハンネスもまた本当の胸の内を語る。

翌朝、母とベルギーで合流し、約束の医師の家へと向かうハンネスたちだったが……


映画を見る前に知っておきたいこと

ALS(筋萎縮性側索硬化症)とは?

本作の主人公ハンネスが冒されている病、ALS(筋萎縮性側索硬化症)とはどんな病気なのか知っている人は多くないと思う。映画により感情移入できるようにALS(筋萎縮性側索硬化症)について少し書かせてもらう。

ALS(筋萎縮性側索硬化症)とは脳や末梢神経からの命令を筋肉に伝える運動ニューロン(運動神経細胞)が死滅していく病気で難病の一つとされている。日本でも日本に約8300人あまりの患者がおり、研究が進められている。

この病気の特徴として、知覚神経や自律神経が司る五感(視覚、聴覚、臭覚、味覚、触覚)、記憶、知性は原則として障害は起こらない。また、心臓や消化器を動かすのも筋肉であるが、これらは自律神経が司る運動なので問題はない。

例えば熱いものに触れた時とっさに手を離すことがあると思うが、ALS(筋萎縮性側索硬化症)に冒されると熱いと感じることはできるが、とっさに手を離す動きができなくなってしまう。簡単に言ってしまえば、思い通りに体を動かすことができなくなってしまう病気なのだが、これがどうして死に直結してしまうかというと、呼吸を司る呼吸筋が次第に弱くなって呼吸困難になってしまうことなどが挙げられる。

ALS(筋萎縮性側索硬化症)は現代の医学では原因がわかっておらず、その抗うことの難しさ、恐ろしさからもハンネスの心境を読み取ってもらいたい。

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