映画を観る前に知っておきたいこと

チャップリンからの贈り物 実際にあったチャップリン遺体誘拐事件

投稿日:2015年6月25日 更新日:

チャップリンの贈り物

1977年に喜劇王チャップリンの遺体が盗まれた実際の事件を題材に、マヌケでドジな2人組の犯人が巻き起こす大騒動を描いたヒューマンコメディ。

「神々と男たち」でカンヌ国際映画祭審査員特別グランプリを受賞したグザビエ・ボーボワ監督が、チャップリンの遺族の全面協力を得て完成させた。チャップリンが晩年を過ごした邸宅や実際の墓地で撮影を行ない、チャップリンの息子や孫娘も特別出演している。ストーリーも常に弱者の味方だったチャップリンへのオマージュにあふれ、映画の中にもオマージュ的シーンがちりばめられている。チャップリンファンが楽しめる作品となっている。


  • 製作:2015年,フランス
  • 日本公開:2015年7月18日
  • 上映時間:115分
  • 原題:『La rancon de la gloire』

予告

あらすじ

1977年12月25日。世界の喜劇王チャーリー・チャップリン死去。そのニュースを知った刑務所を出所したてのお調子者エディは親友のオスマンを巻き込んで、埋葬されたチャップリンの柩を盗み身代金で生活を立て直そうと計画する。チャップリンの贈り物オスマンは、娘がまだ小さく妻は入院中。医療費が払えなくなるほど貧しい生活を送っていた。小心者のオスマンは決死の覚悟で犯行へ。チャップリンの贈り物しかし、二人の計画は穴だらけ。次々とボロが出るばかりか、ツキにも見放され崩壊寸前のピンチ。あきらめかけた時、追詰められたオスマンが最後の賭けに出た。人生どん底の二人に逆転はあるのか。

映画を見る前に知っておきたいこと

実際のチャップリン遺体誘拐事件のあらまし

日本ではあまり知られていないかもしれないが、映画の題材にもなっているチャップリン遺体誘拐事件は実話だ。犯人も映画の二人組同様、人生どん底の失業中のポーランド人自動車修理工と東欧からの亡命者だった。さらには実際の犯行計画も同様にかなりずさんなものであった。棺桶を掘り出す日が大雨だったので、土がドロドロで同じ穴のもっと深い所に埋めるという当初の計画を断念し、鉛の内ばりをした重い棺桶を遠くまで運ぶはめになったとか・・・

映画と実際の事件の違うところは、犯人からの27回の電話に応対したのは、チャップリンの娘で女優のジェラルディンだ。女優らしく、悲嘆にくれている見事な演技力で会話を引き延ばして逆探知に成功し、事件は解決した。

チャップリンに最大の敬意を払った作品

本作は、チャップリン・ファンが見て納得のオマージュが随所に見られる。

  • エディが誘拐計画を話すシーンで、口論の様子をサイレントで描いている。
  • 『サーカス』では、チャップリンは馬に追いかけられてサーカス団の花形道化となったが、エディは猿を連れてそのままサーカスの道化となっている。
  • ラストの道化の楽屋のシーンは、メイクから衣裳まで『ライムライト』のカルヴェロの楽屋を模している。
  • 舞台に出て行く2人の道化の後ろ姿は『ライムライト』のチャップリンとキートンの2人組そのままの姿だ。
  • サーカスの幕が画面の両端を黒くして、スクリーンをチャップリンの時代と同じスタンダード・サイズにして2人を捉えて映画は終わる。
  • 『ライムライト』のテーマ曲を巧みにアレンジして、全編をきらめくよう な音楽で彩る。

本当に映画の様々な箇所にチャップリンへの凝ったオマージュがちりばめられている。そしてストーリーや作品の雰囲気自体もオマージュとなっているのだからチャップリンファンは必見だ。

-コメディ, ヒューマンドラマ

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