映画を観る前に知っておきたいこと

夜に生きる
アメリカギャングの抗争史

投稿日:

夜に生きる

罪を重ねて、愛に溺れて、心を殺して、夜に生きる

警官の息子からギャングへ。決して後戻りできない世界に足を踏み入れた男は、全てを手に入れるため“夜に生きる”ことを決意する。

『アルゴ』(12)でアカデミー作品賞に輝いて以来、5年振りにベン・アフレックがメガホンを取ったクライム・エンターテインメント。『ミスティック・リバー』(03)やアフレックの初長編監督作『ゴーン・ベイビー・ゴーン』(07)の原作でも知られるデニス・ルヘインの傑作ノワール小説を映画化する。

アフレックが監督のみならず製作、脚本、主演まで務め、どんな代償を払っても己の信念を貫く“高潔なダークヒーロー”を演じきる。シエナ・ミラー、エル・ファニング、ゾーイ・サルダナら今を輝く華やかな女優たちが共演する。


予告

あらすじ

1920年代、国家禁酒法時代のボストン。野心と度胸さえあれば権力と金を手に入れられる狂騒の時代に、アイルランド系一家の三男として厳格に育てられたジョー(ベン・アフレック)は、警官幹部である父(ブレンダン・グリーソン)に反発する日々を送る。誰にも支配されたくないジョーは、組織に属すことを嫌い、仲間と強盗を繰り返していた。

夜に生きる

© 2016 Warner Bros.

ある日、強盗に入った賭博場でエマという美しい女性(シエナ・ミラー)と出会い、ジョーは恋に落ちる。しかし、彼女はアイルランド系ギャングのボスであるホワイト(ロバート・グレニスター)の娼婦だった。それでもジョーは彼女と駆け落ちする資金調達のため、最後の仕事として銀行強盗を計画する。

夜に生きる

© 2016 Warner Bros.

しかし、ホワイトの計略に嵌められ、警官殺しの罪を着せられたジョーは敢えなく刑務所送りに。警官幹部である父の取り計らいによって、早々に刑期を終えるジョーだったが、尚も彼は“夜に生きる”ことを望むのだった……


映画を観る前に知っておきたいこと

1920年代初頭は、禁酒法の施行によりギャングの在り方が大きく変わった時代であった。それまでギャンブルと窃盗がギャングの主な生業だったが、無許可で酒を製造販売することで彼らは大いに儲けたのである。また、この禁酒法の時代に主人公ジョーのようなアイルランド系ギャングが台頭し始め、映画の舞台となったボストンがその最初の地だとも言われている。

『夜に生きる』は、そうした時代性を色濃く反映させた実話さながらの世界観によって描き出される。そのため、アメリカ人にとってこの映画は、エンターテインメント以前に鮮烈なアメリカギャングの抗争史でもある。それは日本人で言うところの、戦後の広島抗争からヤクザ社会の一つの時代を切り取ったあの『仁義なき戦い』(73)か。

前作『アルゴ』(12)で見せたベン・アフレックの時代と社会に対する考察力は、モブ・マフィアものであっても変わらない。あのマーティン・スコセッシの実話系ギャング映画『グッドフェローズ』(90)のリアリティにも肉薄してみせるほど鋭いものだ。

社会に暴力と売春が跋扈するような荒れた時代に、愛と欲望に揺れながら己の信念を貫く高潔な生き様。実在しないはずのギャングスターによって、アメリカ裏社会の歴史が語られる。

-ギャング・マフィア
-, ,

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。