映画を観る前に知っておきたいこと

【クーパー家の晩餐会】嘘と秘密でドロドロになっていく聖夜祭

投稿日:2016年1月29日 更新日:

クーパー家の晩餐会

人間は様々な事柄に嘘をつく。嘘をついたことがないと言える人の方が珍しいだろう。ましてや最近では、“嘘をつく病気”なんてものが叫ばれていたりもする。

『クーパー家の晩餐会』では、登場人物はみんな今時の複雑な問題をそれぞれに抱えている。しかし、クリスマスという特別な夜を家族のために、その問題を嘘と秘密で演出しようとする。

「嘘も方便」とはよく言ったものだが、どんな嘘であれ嘘は嘘である。嘘をつく瞬間とそれがバレる時の取り返しのつかない絶望感は想像に難くないと思う。ハッキリ言って笑えない。

そんな笑えない瞬間の連発と末路をユーモアたっぷりに描いた群像劇だ。

監督は『I am Sam アイ・アム・サム』で文字通り世界中を感動の渦に巻き込んだジェシー・ネルソン。

ダイアン・キートン、ジョン・グッドマン、マリサ・トメイ、オリビア・ワイルド、アラン・アーキン、アマンダ・セイフライドらが問題を抱えた今時の家族を見事に演じて見せた。


  • 製作:2015年,アメリカ
  • 日本公開:2016年2月19日
  • 上映時間:107分
  • 原題:『Love the Coopers』

あらすじ

毎年のクリスマスには必ず一族が一同に会するクーパー一家。幸せな聖夜に満面の笑みで集まってくる彼らだったが、その笑顔の下にはそれぞれに秘密と嘘を抱えていた――。

  • 父と母はこの日を最後に離婚することを隠している。
  • 娘は家族に不倫の恋がバレないように空港で出会った男を恋人と偽り同伴。
  • 息子は失業したことを言い出せずにいる。
  • 叔母はクリスマスプレゼントを万引きして逮捕された。
  • 叔父はお気に入りのウェイトレスが辞めると聞いて彼女のことで頭がいっぱい。

クーパー家の晩餐会クリスマスのご馳走がテーブルに並び、いよいよ幸せな晩餐会が幕を開ける。しかし、ひょんなことから次々と嘘がバレ、クーパー家の晩餐会は思わぬ方向へ・・・。


映画を見る前に知っておきたいこと

ユーモアと嘘

秘密と嘘の向こう側に、等身大のお互いを認め合う本当の愛――。というお決まりのホームドラマは見え隠れするものの、嘘がバレるハラハラ感をユーモアたっぷりに描いたと言われると、エンターテイメントとしては極上の匂いがする。

昨年の4月1日、エイプリルフールのその日に『エイプリルフールズ』という邦画が公開された。キャッチだけ見れば似たような作品にも思えるが、「ユーモア的」か「ジョーク的」かでハッキリと違いがある。

『エイプリルフールズ』が“嘘”にフォーカスしているのに対し、『クーパー家の晩餐会』では“問題”の方が大きく取り上げられている。

つまり、笑えないのだ。笑えないことを敢えて笑える視点から見る姿勢こそが「ユーモア」である。

人生を救うのはいつもユーモアだ。あの非暴力の導師ガンジーですら、ユーモアの大切さを自身の人生の内から語っている。

「もし、私にユーモアがなければ、これほど長く苦しい戦いには耐えられなかったでしょう。」

― ガンジー

“問題と嘘”なんて笑えないテーマを、ユーモアを通して見ると一体どうなるのか?

(ユーモアって何だろう?ユーモアのある人になりたいなー。)常日頃からそんなことを考えている自分としては、安っぽいコメディドラマとは一線を画して興味が引かれる映画である。

アイ・アム・サムはもう忘れよう

2001年に『アイ・アム・サム』がヒットして以来、鳴かず飛ばずのジェシー・ネルソン。その『アイ・アム・サム』も日本で話題になったほど海外での評判は高くはなかった。

公式サイトでも「あのアイ・アム・サムの監督が!」という謳い文句で宣伝されているが、『アイ・アム・サム』の宣伝効果を差し置けばジェシー・ネルソン本人には監督の名前で集客できるほどの話題性はないと思う。

なので、『アイ・アム・サム』を期待していくと肩透かしを食らうのではないかという危惧はある。

彼女の2007年の作品『恋とスフレと娘とわたし』は、原題『Bcause I Said So(わたしがそう言ってるんだからそうなのよ)』を『恋とスフレと娘とわたし』なんていかにもハートフルなタイトルに置き換えられていて、「あのアイ・アム・サムの!」という謳い文句で宣伝されていた。

その分無駄にハードルがあがってしまい、透かされたという人をあちらこちらに見かける結果となった。大多数向けに宣伝しようと思うとそう言うしかないというのは分かるんだが・・・。

過去の作品を引き合いに出してテイストを期待するのは仕方のないこととは言え、さすがにあれから15年。本当に無駄にハードルが上がるだけなので『アイ・アム・サム』はとりあえず忘れましょう。

加えてあちらこちらでスマッシュヒット!と言われてはいるものの、具体的に何がどうなったのかが何も言われていないので信憑性はあまりない。広告の世界では言ったもん勝ちなところは少なからずあるしね。

ちなみに「Rotten tomatoes」では103件のレビューのうち、支持率は19%となっている。

しかしながら、Rotten tomatoesで評価されなかった=絶対に面白くないということはないので、僕と同じようにこの映画に興味を持った人はあまり気にする必要もないとは思う。

-コメディ, ヒューマンドラマ, 洋画
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