映画を観る前に知っておきたいこと

LUPIN THE IIIRD 血煙の石川五ェ門
ルパン本来の世界観で描くスピンオフ

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LUPIN THE IIIRD 血煙の石川五ェ門

未熟なり、五ェ門…!

孤高の剣士・石川五ェ門、その覚醒の瞬間。そして若きルパンとの出会いまでを描いた物語。

自らの雇い主であったヤクザの組長の死を巡り、組から裏切り者の汚名を掛けられた五ェ門が、その屈辱を晴らすため、圧倒的な力を持つ敵に己の力と一振りの刀で挑む!若き血たぎる五ェ門が、斬って斬って斬りまくり、血煙呼ぶ死闘の末に手に入れたものとは!?

2012年の深夜に放送され、峰不二子を主人公にしたTVアニメシリーズ『LUPIN the Third -峰不二子という女-』の流れを汲む、スピンオフ企画。劇場版としては、次元大介がルパンの相棒になるまでを描いた『LUPIN THE ⅢRD 次元大介の墓標』(14)に続く第2弾となる。

前作から引き続き、監督・キャラクターデザインを担当するのは小池 健。

予告

あらすじ

日本の伊豆沖を進む賭博船。襲撃された鉄竜会の組長を救ったのは、若き用心棒・石川五ェ門だった。しかしその直後、爆発により船は大破し、組長は命を落とした。五ェ門は船を爆破した大男を一旦は追い詰めたものの、まんまと逃げられてしまう。

LUPIN THE IIIRD 血煙の石川五ェ門

© モンキー・パンチ (C)TMS

その頃、賭博船から金を奪うことに成功したルパン、次元、不二子は洋上のボートからその様子を目撃する。

“バミューダの亡霊”と呼ばれていた大男の正体は、かつて戦場で2,000人を殺戮した兵士だった。コードネームはホーク。なぜそんな男が日本にいるのか?公安の銭形警部はホークの足取りを追っていた。

そして、組長の葬儀の場で裏切り者の汚名を着せられた五ェ門もまた、屈辱を晴らすためホークを追う。

LUPIN THE IIIRD 血煙の石川五ェ門

© モンキー・パンチ (C)TMS

一方、ルパンたちは伊豆山中のアジトで、札束を前に祝杯を挙げていた。そこに突如現れたホークの目的はルパンたちの処刑だった。アジトを脱出したルパンたちの車とホークのバイクが激しくチェイスを繰り広げる中、いきなり巨木が倒れかかってくる!

「助太刀無用!」

巨木の上に現れたのは、ホークを仇と狙う五ェ門だった……!!

映画を観る前に知っておきたいこと

ルパン三世ファン、いや石川五ェ門ファン必見のスピンオフ劇場版第2弾。前作『LUPIN THE ⅢRD 次元大介の墓標』では、登場しなかった五ェ門が、その哀愁をまざまざと見せつける。

『ルパン三世』シリーズの劇場版最高傑作と目されるのが宮崎 駿による『ルパン三世 カリオストロの城』(79)だが、このスピンオフシリーズは原作にあった陰翳の深いアダルトな雰囲気が漂う、これぞルパン本来の世界観だ。

プロデューサーの浄園 祐が監督起用について「小池 健のルパンを作るため」と語るほど、彼の描き出す『ルパン三世』は秀逸なのだ。

原作を踏襲したシリーズ

TVアニメシリーズ『LUPIN the Third -峰不二子という女-』からキャラクターデザインを手がけてきたのが小池監督である。

彼は原作に近い劇画調のリアルなタッチでハードボイルドな世界観を演出しながら、ルパンのジャケットデザインを青にし、次元のスーツを緑であしらうなど、『ルパン三世』のスタイリッシュな魅力まで引き出してゆく。本作では、ルパンのジャケットはシックなブラックへと変更され、よりクールな佇まいを見せる。

また、耳馴染んだ「ルパン三世のテーマ」が使われないのもスピンオフ・シリーズの魅力のひとつだ。いかにもという空気を取り払おうとする拘りのひとつひとつが、昨今の子供向けの「ルパン三世」とは別物だということを印象付けてゆく。

この製作陣で、銭形にスポットを当てた第3弾を是非とも観たいものだ。

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