映画を観る前に知っておきたいこと

マジック・イン・ムーンライト 天才マジシャンと霊能者の恋の魔法を楽しむ映画

投稿日:2015年2月11日 更新日:

マジック・イン・ムーンライト タイトル

コリン・ファースが演じる天才マジシャンは一瞬にして人間関係を破壊できるほど尊大にして、超毒舌。そんな毒舌男も恋をする。その相手はエマ・ストーン演じる話題の女性占い師。二人の恋の結末は・・・”他人は見透かしても、自分は見透かされたくない霊能者”と、”他人は騙しても、自分は騙されたくないマジシャン”の恋の魔法。アメリカを代表する名監督、ウディ・アレンの最新ロマンティックコメディ。アレン流のペテンの効いた小粋なエンディングは魔法のような幸福感で満たしてくれる。

  • 製作:2014年,アメリカ・イギリス合作
  • 日本公開:2015年4月11日
  • 上映時間:98分

予告

あらすじ

超絶に頭が固くて皮肉屋のイギリス人、スタンリー(コリン・ファース)。彼は中国人に扮装し、華麗なイリュージョンでステージを毎晩のように拍手喝采で埋め尽くす天才マジシャン。そんなスタンリーが友人からある依頼を受ける。とある大富豪が入れあげているアメリカ人の占い師ソフィ(エマ・ストーン)の真偽のほどを見抜いて欲しいというものだった。彼は天才マジシャンの名にかけてと鼻息荒く、大富豪の豪邸へ乗り込んでいく。
だが、退治したアメリカ人占い師は若くてとても美しい女性で、笑顔も抜群にチャーミング。しかもいきなり、”あなたには東洋のイメージが浮かぶ”とスタンリーを驚かせる透視能力を見せつける。超常的な現象を全て真っ向から否定してきたスタンリーは、その人生観をひっくり返され、さらにはソフィにあっという間に魅了されてしまう。ソフィの方も、紳士的なスタンリーに徐々に惹かれて行く。
しかし素直に想いを打ち明けられない2人・・・。やきもきしている間に、2人の関係に大波乱が訪れるのだった。悲観主義者のマジシャンと楽天主義者の占い師、この2人のぐっちゃぐちゃにもつれまくった関係を、解きほぐす魔法とトリックは存在するのだろうか・・・?

映画を見る前に知っておきたいこと

脚本に定評のある天才監督:ウディ・アレン

超常現象反対派と肯定派の対立は、世の中どこでも目にするものです。本作は、それを恋仲にしてしまった脚本が一番の見所だと思います。脚本を手掛けるのは、監督でもあるウディ・アレン。彼の代表作と言えば『ブルージャスミン』と『ミッドナイト・イン・パリ』。この映画の予告動画でも引き合いに出されている名作です。『ブルージャスミン』は裕福なマンハッタンのソーシャライトが貧しい生活へと落ちていくコメディ・ドラマ。『ミッドナイト・イン・パリ』は1920年代、ベルエポックの時代(映画の解説後半にベルエポックについて記述しています。)と現代を行き来する映画脚本化の物語。どちらも世界中で、特に脚本が高い評価を得ています。
”恋の魔法”という言い回し通り、この2人の関係を見事に解きほぐす魔法とトリックは果たして存在するのか。存在するとすればどんな魔法なのか。脚本がウディ・アレンだけに、あっと驚く展開を期待してしまいます。

肩の力を抜いて楽しめる映画

ウディ・アレン監督が大物過ぎる故か、『マジック・イン・ムーンライト』では酷評も目につきます。

「失敗作とは言えないが、は軽薄すぎてウディ・アレン監督の傑作だと評することはできない。」映画批評集積サイトのRotten Tomatoes

「この映画はウディ・アレンの代表作と言えるほどではない。しかし、時間をかけて鑑賞し、敬意を払う価値は十分にある。」フィルム・ドットコムのジョーダン・ホフマン

「コリン・ファース(撮影当時53才)とエマ・ストーン(撮影当時25歳)の年齢差が、本作をやけに甘ったるくしている。」ヴァニティ・フェアのリチャード・ローソン

など批評家たちの厳しい評価もありますが、この作品はもっと肩の力を抜いて楽しめばいいと思います。甘ったるいなんてこの作品に対しては褒め言葉なんじゃないですか。映画館に行く人たちは純粋に映画を楽しんで、アレン流ロマンティック・コメディに酔いしれればいい。

監督・キャスト

監督・ウディ・アレン

woodyallenキャリアのスタートはシュールでスラップスティックな喜劇が中心だった。その後、ラブストーリーを撮るようになり、ミステリー、サスペンスにもその才能を伸ばしていく。発表された作品はどれも高い評価を得て、アメリカを代表する監督としての地位を確かなものにする映画ばかり。アカデミー賞に史上最多となる24回ノミネートされ、監督賞を1度、脚本賞を3度受賞している。主な作品は『アニー・ホール』『カイロの紫のバラ』『ハンナとその姉妹』『ミッドナイト・イン・パリ』『ブルージャスミン』『ローマでアモーレ』。現在もほぼ1年に1作のハイペースで映画を撮り続けるなど、精力的に活動している。また次作のミステリー作品も既に発表されており、エマ・ストーンの2作品続けての登場とホアキン・フェニックスのキャスティングが早くも話題となっている。

コリン・ファース:(スタンリー)

colin-firth54歳。日本でもヒットした『ブリジット・ジョーンズの日記』のキャラクター、マーク・ダーシーは彼の演技がイメージの元になっている。2年連続英国アカデミー主演男優賞、ゴールデングローブ主演男優賞、ヴェネツィア国際映画祭男優賞、などたくさんの賞を受賞している実力者。2015年は『キングスマン ザ・シークレットサービス』に出演、全米で大ヒットを飛ばした。主演のエマとの年の差は実に28歳。この年の差を違和感なく演じられるというのも恐ろしい話である。

エマ・ストーン:(ソフィ)

emma-stone26歳。少女時代に数多くの舞台に立ち、15歳のときに本格的なプロの女優を志して高校を中退。母親とロサンゼルスに移り住む。日中はオーディション、勉強は家でという叩き上げの生活を送り、晴れて米国のタレント発掘番組のオーディションで役を勝ち取る。『アメイジング・スパイダーマン』(12)、『アメイジング・スパイダーマン2』(14)のグウェン・ステイシー役で世界中を魅了し、ハリウッドにおける若手トップ女優の座を揺るぎないものにした。最新作では同じく4月公開の『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』にも出演。本年度のゴールデン・グローブ&アカデミー賞にノミネートされている他、その他の賞レースも賑わしている。本作での彼女の1920年代ファッションは映画の雰囲気を華やかにしている。

-コメディ, ラブストーリー, 洋画

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