映画を観る前に知っておきたいこと

マグニフィセント・セブン
黒澤明の名作『七人の侍』が現代に蘇る

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マグニフィセント・セブン

俺たち7人の流儀で、裁く。

日本が世界に誇る黒澤 明の名作『七人の侍』をリメイクした『荒野の七人』。21世紀の名匠アントワーン・フークアがそこから更なるリメイクに挑む!

『トレーニング デイ』(01)でデンゼル・ワシントンにアカデミー主演男優賞をもたらしたフークア監督が再び彼を主演に迎え、3度目のタッグが実現。デンゼル・ワシントン、イーサン・ホーク、クリス・プラット、イ・ビョンホンなど豪華キャストによるド派手なアクション超大作となって、『七人の侍』が現代のスクリーンに蘇る。

「重要なのは『七人の侍』のDNAに忠実であること。クロサワが生きていれば、現代版のこの物語を観たいと思ってくれると信じている。」

アントワーン・フークワ

出典:公式サイト

予告

あらすじ

冷酷非道な悪党バーソロミュー・ボーグ(ピーター・サーズガード)に支配されたローズ・クリークの町。奴に家族を殺された未亡人エマ・カレン(ヘイリー・ベネット)は、賞金稼ぎのサム(デンゼル・ワシントン)、ギャンブラーのジョシュ(クリス・プラット)など荒れ果てた大地にやってきた“ワケありのアウトロー7人”を雇って正義のための復習を依頼する。

マグニフィセント・セブン

最初は小遣い稼ぎのために集められたプロフェッショナルな即席集団だったが、圧倒的な人数と武器を誇る敵を前に一歩もひるむことなく、それぞれの武器を手に命懸けの戦いに挑んでいく。

マグニフィセント・セブン

壮絶な闘いの末に、いつしか金で雇われた彼らの目的は変わってゆく……

映画を観る前に知っておきたいこと

アカデミー賞の前哨戦と目されるカナダのトロント国際映画祭でオープニングと同時に封切られた本作。同映画祭での観客賞(最高賞)受賞とはならなかったが、オープニング作品に抜擢されたことがその期待感をうかがわせた。(観客賞を受賞したのはデミアン・チャゼルの『ラ・ラ・ランド』)

アカデミー賞へ

1954年の『七人の侍』公開当時、ハリウッドのアクション映画は西部劇が主流だったため、黒澤監督が尊敬するジョン・フォードの西部劇映画から影響を受けて制作されたと言われている。

しかし、207分に及ぶ大作にもかかわらず綿密な時代考証により生み出された脚本は、アクション映画・時代劇におけるリアリズムを確立し、今なお世界の映画人に影響を与え続ける名作となったのだ。

『七人の侍』はこの年、ベネチア国際映画祭で銀獅子賞に輝くと、1960年にハリウッドでリメイクされた『荒野の七人』も同賞を獲得している。

この2作の魂を受け継ぐ形で制作された本作は、否が応でも世界の注目が集まるというわけだ。アカデミー賞ではノミネートまでとなった『七人の侍』と『荒野の七人』が、さらなるリメイクを経て、再びオスカーを狙う。

現代風にアレンジされた『七人の侍』

通常の7倍の製作費をかけ、当時では考えられないほどの迫力あるアクションシーンを生み出した『七人の侍』。中でも、映画のクライマックスとなる土砂降りの中で展開される決戦シーンは圧巻だった。

「アメリカの西部劇では常に晴れている、だからこそ雨にしようと思いついた」と黒澤監督が語ったように、このシーンは世界中の映画ファンを驚かせた。

2月の寒空の下で、泥とアドレナリンが飛び交う過酷な撮影は数日に及日、俳優全員が「もう二度とできない」と口を揃える。

そして、このシーンで黒澤監督の手腕が光る。雨の中に墨汁を混ぜ、より激しい雨脚と戦闘の迫力を見事に演出してみせた。まさに俳優と監督がしのぎを削って撮った映画が『七人の侍』なのだ。

より現代的なアクション超大作として生まれ変わった『マグニフィセント・セブン』。ハリウッド然とした迫力溢れる映像だけでは、かつての衝撃を超えることはできない。そこにアントワーン・フークワ監督自身が語る“『七人の侍』のDNA”を、観客に感じさせることができるかが重要になってくる。

-アクション, 洋画
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