映画を観る前に知っておきたいこと

【探偵ミタライの事件簿 星籠(せいろ)の海】累計550万部を突破した推理小説がついに映画化!

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探偵ミタライの事件簿 星籠(せいろ)の海

シリーズ累計550万部を突破した島田荘司の人気推理小説「御手洗潔」シリーズの映画化。和製シャーロック・ホームズと称される天才脳科学者・御手洗潔が解決した難事件は全49作ある中、映画化の原作として選ばれたのはシリーズ最新作である「星籠の海」だ。上下巻866ページからなるこの原作が大胆にアレンジされ、オリジナルキャラクターが登場するなど映画ならではの仕上がりとなっている。

人よりも謎を愛する天才脳科学者・御手洗潔の前に立ちはだかる3つの難事件。次々と死体が流れ着く島。外国人女性変死体事件。赤ちゃん誘拐殺人事件。星籠(せいろ)の謎が一見関連性のないそれぞれの事件を結びつける。さらに戦国時代、そして幕末の歴史ミステリーまですべてが繋がった時、真実の扉が開く!

主人公・御手洗潔を演じるのは、テレビドラマ版「天才探偵ミタライ〜難解事件ファイル 傘を折る女」と同じく玉木宏。「御手洗潔を演じる俳優は彼しかいない」と玉木宏を指名したのは原作者の島田荘司だ。ヒロイン・小川みゆきを演じるのは、数々のテレビドラマや映画に出演し、女優として着実にキャリアを重ねている広瀬アリス。映画オリジナルキャラクターでもある小川みゆきは、観客と同じ目線で数々の謎と御手洗に翻弄されるという映画版ならではの雰囲気を演出する重要な役どころとなっている。

監督は、本作と同じ推理物である連続テレビドラマ「相棒」シリーズのメイン監督を務める和泉聖治。『相棒 -劇場版- 絶体絶命! 42.195km 東京ビッグシティマラソン』(08)でも監督を務めている。そんな和泉聖治が杉下右京とは違うタイプの天才・御手洗潔を生み出す。

予想外のクライマックスを用意した新たな探偵ミステリー・エンターテイメントが誕生する!

    • 製作:2016年,日本
    • 日本公開:2016年6月4日
    • 上映時間:107分
    • 原作:小説「星籠の海 The Clockwork Current」島田荘司

予告

あらすじ

その天才的な頭脳を持つ脳科学者の御手洗潔は探偵を趣味とし、過去に多くの難事件を解決してきた。ある日、大学の講義を終えた御手洗のもとに、出版社の女性編集者・小川みゆきが訪ねてきた。彼女は御手洗の手掛けた事件をもとに小説を書いている推理作家・石岡に最新作を執筆してもらうため、御手洗本人にそのネタとなる難事件を持ち掛けてきたのだ。探偵ミタライの事件簿 星籠(せいろ)の海

「難しい事件でしたら喜んで。」

その事件の中から御手洗が目を留めたのは、〈事件1:死体島〉という見出しの記事だった。御手洗とみゆきは早速、この半年間に次々と6体もの死体が流れ着いたという瀬戸内海の興居島へと向かった。現場に立った御手洗は、「犯人はこの特殊な海です!」と断言!世界でも稀な“時計仕掛けの海”と呼ばれる瀬戸内の海流が、ある場所からこの興居島へと死体を運んできたのだった。探偵ミタライの事件簿 星籠(せいろ)の海そのある場所が広島県福山市だと突き止めた御手洗たちは現地へ向かい、福山警察署・黒田の協力を得て捜査を進めていく。だが、その福山で不可思議な事件〈事件2:外国人女性変死体事件〉〈事件3:赤ちゃん誘拐殺人事件〉が相次いで起こる。そんな中福山では伝説の生物・水竜の目撃騒動が世間を賑わせており、西京化学工業社長の槙田は建設予定の水族館に本気で展示を目論むほどだった。探偵ミタライの事件簿 星籠(せいろ)の海一方、福山市立大学准教授の滝沢加奈子は、近年発見された福山藩主・阿部正弘に関する新資料の古文書に記されていた星籠(せいろ)について調べ始めた頃から、身の回りで不穏な出来事が起こるようになっていた。ある日、帰宅途中の加奈子が東南アジア系外国人集団に襲われた事がきっかけで、御手洗たちは星籠の謎までも追う事となっていく。探偵ミタライの事件簿 星籠(せいろ)の海御手洗の超人的な推理により、一見何の関連性もないように見える3つの事件と星籠の謎が複雑に絡み合っており、次第にその奥に潜む犯人が浮かび上がってくる!果たして時計仕掛けの海を舞台に起きた3つの事件の真相と、幕末の歴史に隠された星籠の謎とは一体何なのか!?

映画を見る前に知っておきたいこと

映画化を想定して執筆された原作「星籠の海」

本作の原作はシリーズ累計550万部を突破する程の人気作にも関わらず、これまでに映像化されたのは本作を含め、テレビドラマ「天才探偵ミタライ〜難解事件ファイル 傘を折る女」の2作だけである。もちろん過去に映像化の話はあったが、なかなか実現に至らなかったのは、原作者・島田荘司の了承を得られなかったからだ。

その理由は、あまりに天才過ぎる主人公・御手洗潔を演じられる島田荘司が納得する俳優がいなかったからだ。しかし、2008年のNHK大河ドラマ「篤姫」で坂本龍馬役を演じた玉木宏が土間で靴を脱ぐシーンを見て、島田荘司は「御手洗潔を演じる俳優は彼しかいない」と感じた。

そして今から6年前に映画化の企画が持ち上がったのだが、それは島田荘司の故郷でもある広島県福山市を全国に広めたいという福山市の市長の思いに答えるためでもあった。そう、映画の原作「星籠の海」は映画化を想定して執筆されたものなのだ。そういう意味では、映像化に強い拘りを見せる島田荘司が映画の脚本を手掛けたという感覚に近い。実際の脚本も島田荘司の意見を取り入れながら書かれている。

小説「御手洗潔」シリーズのファンも納得できる程、原作者・島田荘司の血が濃い映画化となっているのではないだろうか。

原作やドラマを知らなくても楽しめる!

これまで御手洗潔を主人公にした作品は全49作ある中で、映画の原作となった「星籠の海」は2013年に刊行されたシリーズ最新作でありながら、その帯には国内最終章と書かれていた。原作を読んだことがない人にとってシリーズものなだけに不安要素だと言える。

しかし、そこはそれぞれの作品が独立した内容となっているので安心してもらいたい。よってテレビドラマ「天才探偵ミタライ〜難解事件ファイル 傘を折る女」を見ていなくても大丈夫だ。(ちなみにドラマの原作は2006年に刊行された「UFO大通り」という作品の中に収録されている。)

その証拠として、御手洗潔というキャラクターは現在では探偵が趣味の天才脳科学者になっているが、シリーズ第1作目では探偵が趣味の占星術師であった。さらにその設定がフェイドアウトする形で星占いが趣味の私立探偵となり、現在の探偵が趣味の天才脳科学者という形に落ち着いている。これでは御手洗潔を演じられる俳優が見つからないのも仕方がない……

-6月公開, ミステリー・サスペンス, 邦画
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