映画を観る前に知っておきたいこと

【日本のいちばん長い日】集団的自衛権に揺れる今だからこそ見てほしい映画

日本のいちばん長い日

昭和史研究の第一人者・半藤一利の傑作ノンフィクション「日本のいちばん長い日」を、『わが母の記』でモントリオール世界映画祭審査員特別グランプリを受賞した社会派監督・原田眞人が映画化。脚本も務めた。

1945年8月15日、終戦の裏側にあった真実が描かれる。太平洋戦争末期、絶望的な戦況の中、日本は降伏か本土決戦かを迫られる。戦争を終わらせるために戦った人々にとって、それは日本の歴史上いちばん長い日となった。戦後70年を迎え、集団的自衛権の容認が議論される今、この作品が公開されることによって僕たちは改めて平和と戦争について考えることになる。

キャストも歴史超大作に見合った豪華な顔ぶれとなっている。7年ぶりの映画出演となった本木雅弘は断固として戦争終結を求める昭和天皇を。阿南惟幾(あなみこれちか)陸軍大臣を役所広司、死刑を覚悟し法を破っても戦争を終わらせようとする鈴木貫太郎首相を山崎努、徹底抗戦するため決起する畑中陸軍少佐を松坂桃李、迫水久常内閣書記官長を堤真一がそれぞれ演じている。


予告

あらすじ

太平洋戦争の戦況が絶望的となった1945年4月、鈴木貫太郎内閣が発足した。そして7月27日、連合国は日本にポツダム宣言の受諾を迫る。降伏か本土決戦か、連日連夜閣議が開かれるも議論は紛糾する。日本のいちばん長い日決断できずに沈黙する日本に対し、アメリカは8月6日広島、8月9日長崎へと原爆を投下した。8月14日、御前会議で官僚たちは昭和天皇の聖断のもと降伏を決めた。そこから8月15日正午に玉音放送で終戦が国民に知らされるまで、“日本のいちばん長い日”は秒刻みで日本の運命を変えていった。日本のいちばん長い日天皇と同じく子供たちに平和な日本を残そうと願い、平和的解決を求める阿南惟幾(あなみこれちか)陸軍大臣。死刑を覚悟し法を破っても戦争を終わらせようとする鈴木貫太郎首相。そんな中、本土決戦すなわち一億玉砕論を唱え、徹底抗戦するため決起する畑中陸軍少佐。“戦いを止めるための闘い”と“戦いを続けるための闘い”がそこにはあった。終戦の裏側にあった知られざる真実が明かされる……


映画を見る前に知っておきたいこと

今だから見てほしい映画

今、日本では連日“集団的自衛権”の容認が議論されている。“集団的自衛権”とは「日本と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を、日本が攻撃されていない場合においても、武力をもって阻止する権利」である。

これを容認すると、日本が戦争に巻き込まれる懸念がある。もちろん、唯一の被爆国で戦争をしないことを決めた日本がそれを覆すようなことがあってはならない。

しかし、僕たちは時代が変わってきていることも同時に理解しておかなければならないのかもしれない。

中国の台頭による尖閣諸島の領土問題しかり、アメリカの協力なしには自衛できないような状況であることは間違いない。そこで、自分たちだけ守ってもらって後は知らないというわけにもいかない。

他国と協力するためにも“集団的自衛権”が必要な時代になっている。見方を変えれば、戦争に巻き込まれる可能性がある“集団的自衛権”を容認することで、日本は逆に戦争を遠ざけることができるかもしれないのだ。

しかし、歴史的事実が薄れてしまっては議論もできない。

戦後70年。もう戦争体験者がいなくなっていく中で、戦争がいかに悲惨であったか、1945年8月15日に日本はどれほど苦渋の決断をしたのか、映画はそれを伝えてくれる。

僕たちは今、歴史的事実と時代の変化を同時に見極めなければならない。

“一億玉砕”とは

1945年、敗戦必至となった日本では、旧大日本帝国陸軍の参謀たちが“一億玉砕”のスローガンのもと本土決戦をしようとしていた。大本営は本土決戦に持ち込めば、勝てないまでも負けはしないと本気で考えていた。

“一億玉砕”とは文字通り、国民全員が玉砕の覚悟で戦うことだ。今でこそ信じられない話だが、当時の日本人は「捕虜になることは恥であり、自決する方がマシ」という考え方が一般的だった。

映画では“戦いを止めるための闘い”をしてくれた人たちが中心に描かれている。今の平和があるのは彼らのおかげだ。結果的に日本は植民地になることもなかったのだから。そこには感謝の気持ちしかない。

その反面、“戦いを続けるための闘い”をした人たちには尊敬がある。“一億玉砕”はもちろんあってはならないことだが、彼らには今の日本人にはない誇りや強さがあった。

かつて武力で得ようとした平和を、今度は対話で。そんな今の時代にも誇りや強さは必ず求められる。

コメント1件

  • 匿名 より:

    素晴らしいです。

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