映画を観る前に知っておきたいこと

【クーデター】これぞ純サバイバルスリラー!

クーデター

海外赴任先の国がクーデターにより突然の秩序崩壊を起こし、外国人というだけで全国民に命を狙われる家族のサバイバル。言葉も通じず、右も左も分からない異国の地。まるでゾンビ映画のようなシチュエーションだが、命を狙ってくるのは同じ人間。そして何よりも“ありえない話ではない”というリアル感が恐怖を誘う。

監督はジョン・エリック・ドゥードゥル。緻密なストーリー、ミステリアスな展開が世界的に評価される名監督だ。オーウェン・ウィルソン&ピアース・ブロスナンの共演でも話題を呼んだ。


  • 製作:2015年,アメリカ
  • 日本公開:2015年9月5日
  • 上映時間:101分
  • 原題:『No Escape』

予告

あらすじ

ジャック(オーウェン・ウィルソン)は東南アジアのとある国に支援事業のために赴任することになり、妻と娘を連れてこの国にやってきた。アジアに着き、とりあえず肩の荷を降ろして一息ついた翌朝、街には「外国人を殺す。捕虜はとらない。皆殺しだ」という怒号が響き渡っていた―。

政府と外国人をターゲットにしたクーデターが勃発し、暴徒による容赦ない殺戮が開始されたのだ。次々と殺されていく外国人。ジャックが滞在しているホテルにも襲撃の手が伸びる。妻子を守るために奔走し、現地で出会ったハモンド(ピアース・ブロスナン)の先導で間一髪逃げ延びたものの、その先で突きつけられた現実は絶望的なものだった。
クーデター
ワケも分からず標的となり、命を狙われ続ける極限の状況の中で次々に迫られる究極の選択。果たしてジャックは、愛する家族を守りぬき無事に国境を越えることができるのだろうか―。


映画を見る前に知っておきたいこと

まるでゾンビ映画

怪談を語るときに度々言われる「一番怖いのは人間だよね」というあの台詞を大規模に地で行くところがこの映画の新しさ。相手は何か目的があって殺意を持っているのではなく、殺すことそのものが目的の人々を見ていると、淡々と襲いくるゾンビに似た恐怖を感じる。

しかも襲ってくるのはその国の全国民。そこにドラマや対立などは何もなく、ただ“情勢に流されるだけ”の集団。相手側の事情は何も語られず、奪われる側のドラマだけに焦点を当てた脚本の作りの裏に、作り手側の悪い笑顔が見え隠れする。

そういう意味ではこの映画はホラーに近い。なんともジャンル分けに困る映画である。サスペンススリラーだったり、パニック・スリラーだったり、スリラー映画を冠する作品はたくさんあるが、ここまで純粋にただただスリラーな映画も珍しい。意味もなく他人に命を狙われる恐怖をここまで味わえる映画は他にないだろう。

ありえない話ではない

そして何よりも恐ろしいのは、これがありえない話ではないと言うこと。昨今の世界情勢の不安定さを考えると、可能性は低いにしても十分にありえる話。それというのも、最近『ルック・オブ・サイレンス』というドキュメンタリーの記事を書いたのが尾を引いているのかもしれない。

この映画はドキュメンタリーだが、その実際の様子がフィクションで描かれているのが『クーデター』であると言ってもいい。「○○だから」と自分とは全く関係のない話で命を狙われるというのは、全くありえない話ではないのだ。

しかも主人公はどこにでもいる一般の人間で、狙われるのはどこにでもいる普通の家族。映画のリアルさは作品のリアリティラインの設定や演出にかかるところではあるものの、その点でもホラーや他のサバイバルとは一線を画す映画であることは間違いない。

Rotten tomatoesで97%の満足度を獲得した傑物『ベルファスト71』に続く、スリラー映画の歴史に残る作品になるかも?


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