映画を観る前に知っておきたいこと

【女が眠る時】ビートたけし×西島秀俊共演!名匠ウェイン・ワンによる日本映画

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これは5日間の愛の話。始まりはただの好奇心だった。そして、異常な愛は狂気に変わる。狂っているのは自分なのか。それとも、目の前の現実か……

若く美しい女性と男との異常な愛、変わっていく妻との関係、覗きへの罪悪感と止まらない好奇心、エスカレートしていく衝動。郊外のリゾートホテルという閉塞的な場所で次第に自分自身を見失っていく男。女への執着が狂気へと変わっていく男の姿を、背徳的で官能的な映像美で描く、深淵なる魅惑のミステリー。

『スモーク』(1995)がベルリン国際映画祭銀熊賞に輝いた巨匠ウェイン・ワンによる初の日本映画。主演にビートたけしを迎え、西島秀俊が共演する。二人の関係は古く、ビートたけしは『DOLLS』(2002)の主演に当時干されていた西島を抜擢した恩人でもある。最近になってようやく『劇場版 MOZU』で初共演を果たしたが、今度は主演が入れ替わっての共演となった。

第66回ベルリン国際映画祭パノラマ部門正式出品作品。


  • 製作:2016年,アメリカ
  • 日本公開:2016年2月27日
  • 上映時間:103分
  • 映倫区分:PG12
  • 原作:短編小説「WHILE THE WOMEN ARE SLEEPING」ハビエル・マリアス

予告

あらすじ

作家の清水健二(西島秀俊)は1週間の休暇を取り、妻の綾(小山田サユリ)と郊外のリゾートホテルを訪れていた。健二は初めて書いた小説がヒットしたもののスランプに陥り、新たに就職することが決まっていた。また妻との関係も倦怠期を迎え、無気力な時間を過ごしていた。

滞在初日。健二はプールサイドで異様な存在感を放つ、初老の男・佐原(ビートたけし)と若く美しい女・美樹(忽那汐里)に目を奪われる。二人は親子ほど歳が離れていたが、健二にはそうは見えなかった……女が眠る時それ以降、健二はホテルで二人を見かけるたびに後をつけ、部屋を覗き見るようになっていく。部屋には、美樹の体の産毛をカミソリで丁寧にそり、毎晩彼女が眠る姿を撮影し続ける佐原の姿があった。女が眠る時自ら佐原に近づいた健二は、佐原と初めて言葉を交わしたものの、美樹が眠る動画を見せながら彼が放った言葉に底知れない恐怖を覚えた。女が眠る時

「あの子の最後の日を記録しようと思って」

危険を感じながらも好奇心が止まらない健二の行動はどんどんエスカレートしていく。部屋の中にまで忍び込むという、ストーカー行為にまで及んでいく。女が眠る時ある日、健二は二人をつけるうちに辿り着いた居酒屋で、怪しげな雰囲気を放つ店主(リリー・フランキー)により佐原と美樹の過去を知り驚愕する。その頃、佐原の美樹に対する執着は健二の想像をはるかに超える狂気へと向かっていた……


映画を見る前に知っておきたいこと

名作『スモーク』の監督ウェイン・ワン

あの『スモーク』(1995)の監督ウェイン・ワンが日本映画を撮る。通な映画ファンにとってはこれだけで幸せなニュースだ。ウェイン・ワン監督が撮る映画は、一言で言い表せないような深いものが多い。それは決して複雑というわけではなく、どこか曖昧で、味わい深い作品と言う意味だ。

『スモーク』はそんなウェイン・ワン監督の代表作であり、映画ファンから愛されている1本でもある。映画は、14年間毎朝同じ時刻にブルックリンの同じ街角で写真を撮り続けている煙草屋の店主オーギーと、その周りに集まる人たちを暖かいタッチで描いた人間ドラマだが、物語の中心となるような出来事があるわけでもなく、どこか淡々とした空気で進んでいく。

おもしろい映画というのも、何を根拠にそう言うのかは難しい。派手な演出で魅せるアクションや、スリリングな展開からラストで衝撃を受けるようなサスペンスなど、それも映画のおもしろさだ。しかし、『スモーク』のように何度も見返したくなるような映画はそうそうない。この映画には結末というものがないから、何度でも見れるのかもしれない。

この映画の中心となっているのは、登場人物たちが交わす会話だ。その中に観客の心に触れるような暖かいものが散りばめられている。

僕が思う最高の映画は、二人の登場人物がただ会話をするだけ。もしそんな映画でおもしろかったら究極なのではないかと、そんなことを思う時があるが、『スモーク』はそれに近い。普段、誰かと交わす何気ない会話の中にも小さなドラマはあったりする。その感覚こそ映画の本質ではないだろうか。

『女が眠る時』もウェイン・ワン監督の味わい深さというのが冴える作品だ。100人が映画を見れば100人なりの解釈が生まれる。きっとそこには良い意見も悪い意見もあるだろうが、一度良い意見の方になればハマれるというのがウェイン・ワン監督の特徴でもある。

北野武とウェイン・ワンの共同製作

自身の作品を除けば、映画の主演は『血と骨』以来12年ぶりとなるビートたけし。ウェイン・ワン監督の日本映画が見られることは幸せと言ったが、本作はビートたけしが主演することで、北野武とウェイン・ワンの共同製作という見方もできる状況が生まれた。

ウェイン・ワン監督も北野武がもう一人の監督と言うほど、映画を撮影しながら様々な意見を参考にしたようだ。もし本作が日本映画でなければ、ビートたけしは主演を務めるだけだったと思うが、作品により日本的な解釈を求めることによって二人のコラボレーションが自然と実現した。映画好きとしては、そそられる条件が揃った興味深い作品となっている。

ウェイン・ワン監督の謙虚な姿勢は、いつでも素晴らしい。

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