監督はジア・コッポラ。フランシス・フォード・コッポラの孫で、ソフィア・コッポラの姪にあたる。人気俳優であるジェームズ・フランコが、故郷のパロアルトという都市を舞台に綴った短編小説を原作に、思春期の若者たちの恋や友情を描く青春群像劇。キャストはジュリア・ロバーツの姪エマ・ロバーツや、原作者でもあるジェームズ・フランコのほか、バル・キルマーが実の息子ジャック・キルマーと共演している。
Contents
- 1 予告
- 2 あらすじ
- 3
映画を見る前に知っておきたいこと
- 3.1 ジア・コッポラ
- 3.2 現代のティーンエイジャーのリアル
予告
あらすじ
サンフランシスコ湾岸の小都市、パロアルトの高校に通う少女のエイプリルは、サッカーチームのコーチ務めるバツイチのハンサムガイ、ミスターBのお気に入り。彼女の方もひそかに彼に恋をしていた。一方、クラスメイトのテディはエイプリルに想いを寄せている男子生徒。
ある晩、テディはホームパーティーの会場で彼女が他の男子にキスされるのを目撃してしまう。ショックを受け、飲酒運転で交通事故を起こしたテディは、罪滅ぼしに社会奉仕活動に励むことになるが・・・。
映画を見る前に知っておきたいこと
ジア・コッポラ
フランシス・フォード・コッポラの孫、ソフィア・コッポラの姪、この冠詞はジア・コッポラに嫌でも付いて回ることだろう。フランシス・フォード・コッポラはあの『ゴッドファーザー』の監督だし、ソフィア・コッポラは今やガーリーカルチャーを語る上で無くてはならない存在だ。そしてジア・コッポラは、彼女が望むと望むまいに関わらず次世代のコッポラ、映画界のサラブレットということで注目を集めている。
現代のティーンエイジャーのリアル
そんなジア・コッポラの長編デビュー作はリアリティたっぷりの青春群像劇だ。ジアは原作『Palo Alto』について「ここまで若者がリアルに描かれていて、私自身が気に入った小説には出逢ったことがなかった」と語り、絶賛している。考えてみれば、日本には10代をリアルに描いた作品はあまり無いように思う。というのも、一般的に青春映画と言えば「夢に向かって頑張る姿」「甘酸っぱい恋愛」「バットで人を殴る不良」そんなところ。
ハッキリ言って、現代の10代は大人が思うほど輝いてはいない。「鬱蒼」という言葉に鬱の字が使われているように、10代の世界はもっと漠然とした閉塞感の漂う陰鬱なものだ。輝いて見えるのは、鬱屈とした世界観を幼さ故の無知や無謀で誤魔化しているに過ぎないと僕は思う。
ジア・コッポラの”若者がリアルに描かれていて、私自身が気に入った”という言葉は、この映画を見る前に胸に留めておきたい重要なキーワードだ。