映画を観る前に知っておきたいこと

【パージ】それは殺人を含む全ての犯罪が合法となる法律

パージ

世界興行収入シリーズ累計200億円という驚異的なヒットとなったエクストリーム・スリラーがついに日本上陸。続編『パージ:アナーキー』も8月1日に連続公開される。そして3作目となる『The Purge 3』も2016年夏に公開が決まっている。

監督は『交渉人』、『アサルト13 要塞警察』の脚本を手がけたジェームズ・デモナコ。

「パージ」とは、殺人を含む全ての犯罪が合法となる法律。それは1年に1度、政府による放送とサイレンで始まる夜の7時から朝の7時までの一晩だけ。逃げるか、戦うか、あなたならどんな選択をする?


  • 製作:2013年,アメリカ
  • 日本公開:2015年7月18日
  • 上映時間:85分
  • 原題:『The Purge』
  • 映倫区分:R15+

予告

あらすじ

2022年、経済が崩壊したアメリカでは、「新しいアメリカ建国の父たち」を名乗る集団が全体主義的な統治を行っていた。そして、人々の生活を裕福にするため、安全を維持するために「1年に一晩(12時間)だけ殺人を含む全ての犯罪が合法になる」法律「パージ」を定めた。国民はこの夜に1年の間に溜まった「怒り、憎しみ、恨み」すべてを解き放つ。その間、警察・消防・医療などの救急サービスは全て停止する。

パージ

「パージ」の導入によって、犯罪率と失業率は1%にまで低下し、経済状況も改善し、国民は「パージ」をカタルシスをもたらしてくれる、ある種の行事だと思っていた。しかし実際は国民をコントロールするための法律であった。なぜなら、パージの夜に犯罪の標的となるのは富裕層ではなく、貧困層だったからである。

パージ

んな「パージ」の夜を完璧なセキュリティの家で、家族と共にやり過ごそうとするジェームズ・サンディン。しかし彼は、「パージ」開始直後にターゲットとなった1人の男を家にかくまってしまったことで、暴徒と化した市民から一家全員の命が狙われることとなる。

映画を見る前に知っておきたいこと

評価

本作はそのヒットとは裏腹に賛否両論が多い。ある映画評論サイトでは批評家支持率は38%、平均点は10点満点で5.1点となっている。また批評家たちの間では

「本作の半分は社会の寓意で、もう半分はスリラーの要素で成り立っている。『パージ』はスリラー映画の形式を採用した上で理知的な主張をしようとしたが、使い古された文句と溢れんばかりの暴力描写に終わってしまった」

「映画の形式をとって、陳腐で非現実的な政治に関する演説を長々とやっている」

などの意見がある。確かにこの作品の設定は非現実的な法律である。しかし、それを陳腐な政治演説だとか、理知的な主張をしようとして失敗したかのように言われるのも少しどうかと思う。良い意味で所詮ホラー映画なので、「殺人を含む全ての犯罪が合法となる法律」があったらどうなるんだろう、という単純な発想で観ればいい。ここにリアリティや信憑性を求めたらどんどんややこしくなってしまう。だからヒットしたことと、こうした批評家たちの意見はあまり関係ない。単純に楽しんで観てもらいたい映画だ。

「purge」の意味

映画のタイトルになっている「purge」とは浄化するという意味を持つ英単語である。人々の生活を裕福にするため、安全を維持するために作られた「殺人を含む全ての犯罪が合法となる法律」にはぴったりの名前である。

しかしこれ以外にも、政治・思想的に反対勢力を排除するという意味でも「purge」は使われる。実は政府が国民をコントロールするための法律だった「パージ」はこちらの意味合いが強いのかもしれない。映画の制作者がどこまで意識していたかは不明だが、二つの意味を込めて付けられた名前だと考えると、ちょっとした都市伝説みたいでおもしろい。

感想

非常にわかりやすい娯楽作品

率直な感想は良くも悪くも想像通りの作品だった。やはり先に述べたような批評家たちの意見はズレていると感じた。というのも「殺人を含む全ての犯罪が合法となる法律」という非現実的な設定は、スリラー映画においては小難しい評論を必要とするものではないからである。むしろ下手な殺人鬼が出てくるよりよっぽど現実味のある世界観で、映画に入り込みやすいのではないだろうか。

全米初登場No.1という驚異的なヒットとなったことも納得の非常にわかりやすい娯楽作品であった。続編となる『パージ:アナーキー』の方がおもしろいという声が多いが、よりスリラー要素を強く求める人にとってはこちらの方がおもしろいと感じるかもしれない。それは『パージ:アナーキー』ではさらに物語に広がりを持たせるため、街全体が舞台となっているが、本作は家の中だけで物語が完結するので、より閉鎖的なスリラーを味わえるからである。

「殺人を含む全ての犯罪が合法となる法律」という設定で新たな可能性を探り、映画が進化していく様子は順を追って見ることでより理解できる。一応それぞれが独立した内容なのでどちらかだけを見てみることも可能だ。

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