映画を観る前に知っておきたいこと

【レインツリーの国】実は「図書館戦争」のスピンオフ

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図書館戦争」シリーズの人気作家・有川浩による88万部のロングセラーとなった恋愛小説「レインツリーの国」を待望の映画化。誰もが感じたことがあるときめき、切なさ、もどかしさ、それらを美しい映像で丁寧にすくいとった純粋なラブストーリー。

映画初主演を務めたのは「Kis-My-Ft2」の玉森裕太。ヒロイン役には人気モデルの西内まりや。監督は有川浩原作の「阪急電車 片道15分の奇跡」も手掛けたことのある三宅喜重。

レインツリーとはアメリカネムノキの別名。花言葉は「歓喜、胸のときめき」。レインツリーの国は胸のときめく国。

    • 製作:2015年,日本
    • 日本公開:2015年11月21日
    • 上映時間:108分
    • 原作:小説「レインツリーの国」有川浩

予告

あらすじ

「きっかけは高校時代に大好きだった忘れられない本!」

東京で食品会社の営業として働く向坂伸行(玉森裕太)は、大阪の実家で部屋を片付けていた時、高校時代に大好きだった小説「フェアリーゲーム」の下巻がないことに気付く。その小説の結末が思い出せずに、気になってネット検索して辿り着いたのは“レインツリーの国”というブログだった。

そのブログの管理人は、都内在住のひとみ(西内まりや)という女性だった。「フェアリーゲーム」に対する彼女の感想に親近感を覚えた伸行は、関西弁で書いたメールを読み返すことなく思い切って送信する。これがきっかけとなり、メールを通じた二人の交流が始まった。伸行は会ったこともない彼女に次第に惹かれていく……

「直接会いたい」と告げる伸行だったが、彼女は頑なにこれを拒否した。彼女は伸行に言い出せない秘密を抱えていた。それは、高校生の時に感音性難聴を患って以来、自分の殻に閉じこもってきたことだった。それでも、ついに伸行の想いに負け、ひとみは会うことを決心する。レインツリーの国二人の初デートは互いに緊張しながら、も順調だった。しかしエレベーターに乗った時、重量オーバーのブザーに気付かないひとみに苛立ち、伸行は思わず怒ってしまう。ひとみは「ごめんなさい」と頭を下げて走り去ってしまった。この時、伸行は彼女が難聴だということを初めて知るのだった。その夜、ひとみにあやまるためにメールを送った伸行は、リベンジデートに誘う。レインツリーの国2度目のデートは、良い雰囲気で始まったものの、あることがきっかけで大ゲンカになってしまう。伸行も深く傷つくが、ひとみに対する想いは変わらないままだった。ひとみも再び伸行に会いたくなって職場の前までやって来るが、そこで伸行が同僚のミサコ(森カンナ)と一緒にいる姿を目撃して、そのまま家に帰ってしまう。レインツリーの国落ち込むひとみはブログを休止してしまう。伸行は再び自分の殻に閉じこもったひとみにあるメッセージを送る。果たして、伸行の想いはひとみの固い殻を破ることができるのか?傷つき迷う2人が障害を乗り越えた時、世界は“レインツリーの国=ときめきの国”になる。

映画を見る前に知っておきたいこと

実は「図書館戦争」のスピンオフ

原作者の有川浩は、超が付くほどの人気作家であの「図書館戦争」シリーズは累計600万部を越える大ヒットを飛ばしている。実は本作『レインツリーの国』は「図書館戦争」シリーズの一つでもあるのだ。「図書館戦争」はSFに恋愛要素を加えた作品だが、『レインツリーの国』は「図書館戦争」の作中に登場した架空の小説なのだ。よって直接ストーリーに関係があるわけではなく、SF要素ももちろんない。

有川浩はもともとSFやミリタリー小説を得意とした作家であり、初期の作品には自衛隊三部作と呼ばれるものがある。その後、それを下地に恋愛要素を加えた「図書館戦争」が大ヒットするわけだが、実は「図書館戦争」は、SF小説としてよりも恋愛小説として評価が高い。というより恋愛小説として読まれていると言った方が早いかもしれない。

有川浩の本職は、SFやミリタリー小説であったはずだが、恋愛を書かせたら突然ヒットメーカーになってしまった。本作の原作『レインツリーの国』が88万部のロングセラーとなったのも「図書館戦争」の恩恵だけではないだろう。もちろん有川浩はSF作家としてもおもしろいが、純粋な恋愛を書かせたら一流の作家という証拠だ。SFではなかなか出せなかった、読み手に共感させる才能があるのだと思う。

「図書館戦争」シリーズのファンが本作を見るのは必然だと思うが、純粋な恋愛映画として見た人は、ここから「図書館戦争」シリーズに入っていくのもありだと思う。純粋な恋愛が描かれているという点では同じだし、絶対ハマれるはずだ。

図書館戦争 THE LAST MISSION』は、その副題から完結編と思っていたが、立て続けに『レインツリーの国』まで映画化されるとは、さすがである。

-恋愛, 邦画

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