映画を観る前に知っておきたいこと

【創造と神秘のサグラダ・ファミリア】2026年完成予定、工期140年の裏側に迫る

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創造と神秘のサグラダ・ファミリア

スペイン・バルセロナ。1882年の着工から130年以上もの長い間建築が進められている人類史上最大の建築プロジェクト「サグラダ・ファミリア」の裏側に迫ったドキュメンタリー。

300年以上と言われていた工期がいかにして短縮され、2026年完成に至ったのか。建築に関わる人はどんな思いで、どのような試行錯誤を繰り返しているのか。関係者しか入れない内部の映像とインタビューを交え、建築プロジェクトの全容を紐解いていく。


  • 製作:2012年,スイス
  • 日本公開:2015年12月12日
  • 上映時間:93分
  • 原題:『Sagrada: El misteri de la creacio』

予告

あらすじ

完成するまで300年かかると言われていたアントニオ・ガウディのサグラダ・ファミリア。近年、その完成予定は大幅に早まり、2016年、今から10年後に完成すると公式に発表された。

このドキュメンタリーは、スタッフしか入ることが許されない内部の映像と、今なお試行錯誤を繰り返す建築関係者のインタビュー映像を中心に、サグラダ・ファミリア建築のプロジェクトを紐解いていく。

外尾悦郎(彫刻家)

外尾悦郎(彫刻家)

かつて私は仏教徒だったが、カトリックに改宗した。なぜなら、ガウディが見たものを見るべきだからだ。ガウディ本人を見つめるのではなくて、彼の視線を追ってみよう。そう切り替えたのが大きな転機になった。ガウディの模型の破片を基に、模型全体を復元した。ガウディの模型やヒントが仕事の助けになる。ガウディがどんな線を思い描き何を求めたのか、私は毎分毎秒問い続けている。

ジョセップ・マリア・スビラックス(彫刻家)

ジョセップ・マリア・スビラックス(彫刻家)

“受難のファサード”を任せたいと言われた時、あまりにも思いがけなくて心から驚いた。ガウディのスタイルを踏襲するのではなく、自分が生きる時代に根ざした表現を求めるために、ガウディから離れて考えることにした。私は無神論者だがキリスト教文化圏にいる。キリスト教のモチーフを彫るのは、普通のことだ。ただしそうした作品は、私の宗教観を表してるわけではない。

マーク・バーリー(建築家)

マーク・バーリー(建築家)

設計にあたっては、通常建築で使用するCADソフトではなく、飛行機の設計者用に開発されたソフトを使用した。サグラダ・ファミリアの建築においては3Dからイメージを把握することが大切だ。ガウディの作品だが、仕上げはチームが行う。チームとは仲良しクラブではない。みんな貢献したくてここに参加している。そうした作業者や技術者の総合体としてのチームだ。

引用:『創造と神秘のサグラダ・ファミリア』公式サイトより


映画を見る前に知っておきたいこと

そもそもサグラダ・ファミリアとは一体何か

サグラダ・ファミリア
あのアントニオ・ガウディによって設計された建築物という意味で、世界的に名を知られているサグラダ・ファミリアだが、そもそもサグラダ・ファミリアとは一体何なのか。

建物そのものは「贖罪教会」である。キリスト教徒が自分の罪を告白するための場所として、民間カトリック団体「サン・ホセ教会」が建築を依頼したのが始まりだ。

そのコンセプトは「すべて個人の寄付によって建築される建物」というもので、最初はフランシスコ・ビリャールという建築家が無償で依頼を引き受けた。

その後、意見の対立などからビリャールは辞任。2代目建築家として、当時は全くの無名だったアントニオ・ガウディが引き継ぐ形となった。

未完成ながらも現代ではスペイン・バルセロナのシンボルとして、カタロニア・モダニズムの代表的な建築例として、世界中から多くの観光客が集まるユネスコの世界遺産となっている。

サグラダ・ファミリアの魅力

サグラダ・ファミリアは建築としては稀有というよりも、既に異常な存在である。

そもそも建築とは人の目的の為に作られるのであり、その目的を果たせなければ全く存在する意味がまるでない。

始まりは贖罪教会だった。しかし、贖罪教会などというものはあらゆる場所に存在するし、“贖罪する為の場所”としての本来の目的は既に失われているようにに思われる。

しかし、今もなお建築が進められているということは、そこには明確な目的があるということだ。でなければ建築なんてパワーのいる作業を、多くの人が寄って集って100年以上も続けてはいられない。

多くの人がサグラダ・ファミリアに惹かれるのは、その“目的”に壮大なロマンを感じるからではないだろうか。

さらに130年ともなれば、一体どれだけの人のエネルギーが注がれたのか、筆舌に尽くし難い。

この映画は、その130年に関わる人たちのそれぞれの思いにも焦点を当てている。ガウディの思考を追う人、あるいはガウディとは全く別の方向性を模索する人―。

そしてガウディ自身も、後世が完成させることを期待している。完成に300年かかると分かった時点で諦めそうなものだが、「神は急いでおられない。焦らなくていい」という言葉通り、後世に託すというぶっ飛んだ発想に至るところが既に常軌を逸している。

「偉大」という言葉が本当によく似合う建築家だ。

サグラダ・ファミリアは既に建築の域を出て、人類が起こす“自然現象”の美しさの象徴のような気さえしてくる。

最後に、発表されるや否や世界中で話題になった2026年の完成をイメージした動画と完成予想図を紹介する。

予告

そしてこれが完成予想図。

サグラダ・ファミリア 完成予想図

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