映画を観る前に知っておきたいこと

【SLUM-POLIS】若干21歳で製作した近未来SFアクション巨編

投稿日:2015年8月22日 更新日:

SLUM-POLIS

自主制作映画『眠れる美女の限界』が、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2015で審査員特別賞を受賞した新鋭監督・二宮健が、大阪芸術大学の卒業制作として撮影当時21歳で撮った近未来SFアクション巨編。未公開シーンを加え<新劇場版>として進化を遂げ、この度劇場公開となった。

野望渦巻く無法地帯“SLUM-POLIS”を、鮮烈な青春が駆け抜ける。


  • 製作:2015年,日本
  • 日本公開:2015年9月26日
  • 上映時間:113分

予告

あらすじ

舞台は2014年の南海トラフ大地震後の西日本。復興されていない土地はコミューン地区とされ、通称“SLUM-POLIS”と呼ばれた。そこではスラム化が急速に広がり事実上無法地帯となり、飢えと暴力に支配されていた。

富も法律もない、銃声の残響だけが響き渡る第3コミューン。ある日、そこに住む絵描きの娼婦アンナは、ジョーとアスという2人の青年に出会う。3人はそれぞれの夢を実現させるため巨大暴力団の麻薬輸送車襲撃を企てる。しかし、それが原因で“SLUM-POLIS”の闇の抗争に巻き込まれてしまう。SLUM-POLIS

「ただ、3人でいられればそれでよかったんだ」

荒れ果てた地の果てで、3人の若者が見るのは希望か絶望か・・・


映画を見る前に知っておきたいこと

日本の新鋭監督・二宮健

この作品は二宮健監督が21歳の時、大阪芸術大学の卒業制作として製作されている。単純に卒業制作でこのスケール感は凄いと感じた。国内では多くの映画祭で賞を獲得し、評価も上場だ。

  • ハンブルグ日本映画祭2014 正式出品/上映
  • カナザワ映画祭2014 観客賞受賞/上映
  • 第24回TAMA CINEMA FORUM 招待上映
  • さぬき映画祭2014 上映
  • 第8回田辺・弁慶映画祭 コンペディション部門入選/上映
  • ちば映画祭2015 招待上映

高校2年生から監督として映画を製作し、2013年の第13回TAMA NEW WAVEコンペティションに『大童貞の大冒険』で入選した。『眠れる美女の限界』『DAUGHTERS』など23歳という若さにして、次々と作品を生み出している。このバイタリティとクリエイティブな精神には脱帽である。

まだまだ国内の評価であるが、これからどうなっていくか楽しみではある。年齢と作品のクオリティを考えれば世界的な監督になる可能性も考えられるが、まだその若さに目がいってしまい本当の意味で天才かはわからない。

というのも、本作はあまりにストレートな映画という印象を受けたからだ。若者のエモーショナルな青春を、どこまでもピュアに残酷に描く。こういう作品が創れるのは若さゆえなのではないかと思ってしまう。基本的に映画監督は新鋭といっても、世界でもここまで若い監督はあまりいないので、そういう意味ではなかなかお目にかかれない作品である。今しか撮れない映画と感じた。それは素晴らしいことだ。

これから成熟していく姿にぜひ注目したい監督である。

世界の新鋭監督

日本の新鋭監督として二宮健監督に期待する一方で、“新鋭”という響きに世界の新鋭監督と比較してしまう。

例えば、『Mommy/マミー』を撮ったグザヴィエ・ドラン監督。彼はカナダの新鋭監督で現在26歳、2014年カンヌ国際映画祭で83歳の巨匠ジャン=リュック・ゴダールと並び審査員特別賞を受賞している。興行的にも100万人を動員し、大ヒットを記録した。また、彼も17歳の時に自ら書いた脚本を19歳で監督として完成させたデビュー作『マイ・マザー』(09)が、いきなり第62回カンヌ国際映画祭・監督週間部門に選ばれ、鮮烈なデビューを果たしている。

他には、同じく9月に公開されるロシア映画『草原の実験』の監督アレクサンドル・コットも末恐ろしい新鋭監督だと感じた。新鋭といっても年齢的には少し上であるが、ロシアの巨匠アンドレイ・タルコフスキーも引き合いに出されるほどの作品だ。どちらかというと鬼才と呼ぶべき手法を駆使した作品だが、その映像美や衝撃は2015年で一番ではないかと思った。またロシア映画にはアレクサンドル・コット監督のような鬼才が多いように感じる。

国によって映画の下地に違いはあるが、新鋭監督という意味では、二宮健監督も同じ土俵に立っているわけだ。カナダのグザヴィエ・ドラン監督と、ロシアのアレクサンドル・コット監督を引き合いに出したが、本当に世界の才能というのは凄いと、改めて感じる。決して二宮健監督を批判するわけではないが、実際にこうした傑物たちと競っていかなければいけない。

別に賞レースで勝ったからおもしろい作品だとは思わないが、日本の新鋭監督がカンヌ国際映画祭などで評価されると嬉しくなるのも事実である。なので期待感を込めて、こうした新しい才能を紹介しながら吉報を待つことにしよう。

-SF, アクション, 邦画

執筆者:


  1. 座喜味香苗 より:

    初めまして。私は二宮監督の知り合いのものです。
    こちらの記事について、1点修正をお願いしたく連絡を致しました。

    記事では二宮監督の年齢を26歳としていますが、現在二宮さんは、23歳です。
    二宮さん本人もこちらの記事を確認し、Twitter上で間違いだと言っております。
    作品を取り上げていただき大変有り難がっておりましたが、基本情報は間違えないようにしていただきたいのと、可能なら修正の程を、
    お願い致します。

    突然の連絡で恐縮ですが、
    何卒よろしくお願い致します。

  2. 今川 幸緒 より:

    初めまして、LUCKY NOWの今川幸緒と申します。
    ご指摘ありがとうございます。
    早速、記事の方修正致します。

    作品のイメージにも関わることなので、今後このようなことがないよう善処致します。

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