映画を観る前に知っておきたいこと

スノーデン
実話を基に描かれる米国内で最も危険なテーマ

スノーデン

米国最大の機密を暴いた男。
彼は、英雄か。犯罪者か ──

2014年アカデミー長編ドキュメンタリー映画賞に輝き、その年最も熱い視線を浴びたドキュメンタリー映画『シチズンフォー スノーデンの暴露』。そこに映し出されたのは、世界を揺るがせた一大スキャンダルだった。2度のオスカーに輝いた社会派監督オリバー・ストーンが同じテーマに切り込む!

アメリカ国家安全保障局(NSA)職員のエドワード・スノーデンは、当局がアメリカ国民の膨大な通信データを秘密裏に収集しているという衝撃的な告発を行った。これは実話に基づく、ひとりの若者が恐るべき現実に理想を打ち砕かれ、世界最強の情報機関に反旗を翻す物語である。


予告

あらすじ

香港の高級ホテルの一室。ドキュメンタリーの映像作家のローラ・ポイトラス(メリッサ・レオ)とガーディアン紙の記者グレン・グリーンウォルド(ザッカリー・クイント)のもとへ一人の青年(ジョセフ・ゴードン=レビット)がやってくる。

彼の名はエドワード・スノーデン。アメリカ国家安全保障局(NSA)職員であるスノーデンは彼らに機密資料を提供し、アメリカ政府が秘密裏に構築した国際的な監視システムの存在を告発した。

スノーデン

© 2016 SACHA, INC.

国を愛するごく平凡な若者だった彼は、中央情報局(CIA)やNSAで勤務するうちに、その恐るべき実態を目の当たりにした。テロリスト、民間企業、さらには個人までも対象にしたその監視システムは、アメリカ国内のみならず全世界のメールや携帯電話での通話までも傍受可能だという。

スノーデン

© 2016 SACHA, INC.

危機感を募らせたスノーデンは自身や恋人の危険を顧みず、この機密情報を世界にリークすることを決意する。


映画を観る前に知っておきたいこと

日本では『シチズンフォー スノーデンの暴露』が今年公開されたばかりで、まだこの事件を記憶に留めている人も多いはずだ。

こうして立て続けにこのテーマが撮られるということが、アメリカでの関心の高さをうかがわせる。

米国内で最も危険なテーマ

スノーデンの告発に対する国民の関心の高さとは裏腹に、やはりこのテーマに挑むとなると憂慮しなければならないことが多いようだ。

この映画がアメリカ、ドイツ、フランスの合作となった背景には、製作に出資するアメリカ企業が現れなかったという問題がある。また、スタジオの協力も得られなかったことで資金繰りにはかなり苦労したようだ。ストーン監督も「アメリカ人に関する話なのにアメリカでこの映画への出資ができないというのは奇妙なことだ」と語っている。

撮影の殆どもドイツ・ミュンヘンで行われた。これは、アメリカ国家安全保障局(NSA)の干渉を恐れたためである。

シチズンフォー スノーデンの暴露』でも、米国内でのスノーデンとの接触を避ける形で撮影されていたが、こうした問題が次から次へと出てくる辺りに、如何に危険なテーマかを思い知らされる。

しかし観客目線からすれば、映画制作におけるこれらの秘話がポリティカル・スリラーとして、作品を更なる高みに押し上げているのだからおもしろい。

こんな形で報道の自由に一石投じることができるのも、また映画ならではの魅力である。

あとがき

2016年カンヌ国際映画祭の総代表(上映作品を選出する代表者)ティエリー・フレモーは「本当に素晴らしい作品だ。『シチズンフォー スノーデンの暴露』を見事に補完している。多くを理解するのに役立つ」と本作を賞賛した。実際にカンヌで上映されることはなかったが、スノーデンの告発を知るうえでこの2作は外せない。

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