映画を観る前に知っておきたいこと

T2 トレインスポッティング
特別な青春映画が帰ってくる!

投稿日:2017年1月18日 更新日:

T2 トレインスポッティング

彼らが選んだ ──
20年後の「未来」。

1996年、瞬く間に世界中の若者を虜にしたイギリス映画があった。ヘロイン、アルコール、喧嘩、軽犯罪、クラビング、未来を選べない若者たちの悲惨な日常をスタイリッシュかつ陽気に描き出し、90年代を代表する青春映画となった『トレインスポッティング』。決して色褪せないよう記憶の端に避けたはずだった映画が、20年の時を経て帰ってくる!

監督ダニー・ボイル、脚本ジョン・ホッジはもちろん、ユアン・マクレガー、ユエン・ブレムナー、ジョニー・リー・ミラー、ロバート・カーライルらオリジナルキャストも再集結。音楽はアンダーワールドのリック・スミスが手がけ、イギー・ポップの「Lust For Life」(The Prodigy Remix)が再び映画を彩るあたりに、懐かしさと期待感が交差する。


予告

あらすじ

マーク・レントン(ユアン・マクレガー)が仲間の金を持ち逃げしてから20年後のスコットランド・エディンバラ。ロンドンでくすぶっていたシック・ボーイはこの街に戻り、表向きはパブを経営しながら、売春、ゆすりを稼業としていた。そんな彼の前にレントンが突然姿を現す。

T2 トレインスポッティング

家族に愛想を尽かされ、孤独に絶望しているスパッド(ユエン・ブレムナー)は相変わらずだ。殺人罪で服役中のベグビー(ロバート・カーライル)は出所時期が近づき、レントンへの復讐に燃えている。

T2 トレインスポッティング

そんな中、ポルノ映画製作でひとヤマあてようと企むシック・ボーイのもと、4人は再び故郷のリースに集結する。モノ分かりの良い大人になれずに荒んだ人生を疾走する彼らが次に選ぶ未来とは!?


特別な青春映画

スコットランドの首都エディンバラの北部にある港町リース。かつてはそこにあった列車のヤードは長年放置されたまま、いつしかヤク中たちが集う悪の温床に。この土地では彼らのことを皮肉たっぷりに“トレインスポッティング(鉄道オタク)”と呼ぶ。

ブリッドポップの熱に浮かされていた十代、社会風刺などは二の次だった。ドラッグ・カルチャーやその隣にある惨状すら憧れの対象でしかなかった僕は、『トレインスポッティング』をまるで流行りのブランド服のように眺めていた。この映画を知っている特別感が当時の僕の自信だったのだ。

2002年には原作者であるアーヴィン・ウェルシュが続編『ポルノ』を書いたことが大きな話題となったが、結局映画化されることはなかったため、この小説を手に取った映画ファンは多い。僕もそんな一人で、続編が公開される今となっては脳みそをブチまけてしまいたい気分だ。

前作から9年後を舞台に、ポルノ映画でひとヤマ当てようと企むシック・ボーイのもと、レントン、スパッド、ベグビーが再び故郷リースに集うという設定で描かれた続編小説だったが、映画では製作までの空白期間を埋め合わせるように20年後に書き換えられる。

90年代を若者として生きた世代と同じだけ歳を重ねた4人の相変わらずのワルっぷりは、「Born Slippy NUXX」に乗せて一人だけしたたかに悲惨な日常から抜け出したレントンの姿を完全に過去のものにしてしまうのだろう。

それでも中毒患者のように何度も『トレインスポッティング』を観ていた僕にとって、待望の続編であることはどうやっても否定できない。真に厄介なのは精神的依存だ。

レントンの刹那的な生き方に憧れた当時の自分が嘘のように、安定した生活を求めるようになった今の僕の目に、この映画は一体どんな風に映るのだろうか?

そんなつまらないことばかり考える大人になったからこそ、『T2 トレインスポッティング』をまだ青春映画として観ていられるような気がする。

-コラム, 青春
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