映画を観る前に知っておきたいこと

ザ・ビートルズ~EIGHT DAYS A WEEK
46年振りの公式ドキュメンタリー

投稿日:2016年8月15日 更新日:

ザ・ビートルズ~EIGHT DAYS A WEEK

まるで見世物さ。曲なんか聴いちゃいない ──

あの伝説の日本武道館公演から50周年となる今年、アカデミー賞監督ロン・ハワードによってビートルズの歴史に新たな1ページが加えられる。映画はビートルズが1963年から1966年までに巡ったライブツアーの模様を収めたドキュメンタリーとなっており、中でも1963年に行ったマンチェスター・ABCシネマでのライブシーンはデジタル修復されカラーで蘇った世界初公開の映像だ。

これは、ポール・マッカートニー、リンゴ・スター、ヨーコ・オノ、ジョージ・ハリスンの妻オリビア・ハリスンなど関係者の全面協力のもとに制作され、アップル・コア(Apple Corps Ltd.)が手掛けた公式ドキュメンタリー映画である。

予告

あらすじ

イギリス・リヴァプールのキャバーン・クラブで活動を始めたビートルズは、1961年から62年にかけてイギリスの音楽シーンに華々しく登場し、1963年の終わりにはヨーロッパ・ツアーを開始。

ザ・ビートルズ~EIGHT DAYS A WEEK

© Apple Corps Limited

そして翌1964年2月9日、アメリカの人気テレビ番組「エド・サリヴァン・ショー」に出演したことで全世界的に人気を爆発させた。同年6月に入ると、バンドは初のワールド・ツアーをスタートさせる。

ザ・ビートルズ~EIGHT DAYS A WEEK

© Apple Corps Limited

以降2年間はうんざりするような過酷スケジュールをこなし、ツアー活動を停止した1966年8月の時点でバンドは世界15ヶ国90都市で166回ものコンサートを行っていた。

著名人や関係者へのインタビューに未公開映像を交えながら、誰もが知っているビートルズの知られざるストーリーを映し出す。

映画を観る前に知っておきたいこと

この映画を観る人の多くは、きっと僕なんかよりはるかにビートルズに詳しい人たちだろう。中には武道館公演に行った人もいるのではないだろうか。

46年振りの公式ドキュメンタリーである本作は、まさにそんなファン待望の1本だ。ではなぜ本作が公式ドキュメンタリーとされているのか?改めてその稀な機会について考える。

アップル・コア(Apple Corps Ltd.)とは?

アップル コア

© 公式サイト

本作がビートルズの公式作品とされているのは、ポール・マッカートニー、リンゴ・スター、ヨーコ・オノ、ジョージ・ハリスンの妻オリビア・ハリスンなど関係者の全面協力のもとに制作されたからではない。アップル・コア(Apple Corps Ltd.)が制作したからだ。

アップル・コアとは1968年にビートルズによって設立された会社だ。あのiPhoneを作ったアップル社とは関係ない。どちらもクリエイティブな会社でロゴも似ているので、現代においては混同してしまう人もいるかもしれないが、両者は「Apple」の名称およびロゴの使用を巡って法廷で争ったこともある。

映画は「ザ・ビートルズ・アンソロジー」から実に21年ぶりの公式作品となる。

「ビジネスのシステムの中で芸術的な自由を確保すること」

ジョン・レノン

「アップルはある種の共同体、他の人たちに夢を提供する手段さ」

ポール・マッカートニー

© Wikipedia

「ザ・ビートルズ・アンソロジー」

「ザ・ビートルズ・アンソロジー」とは、ビートルズ解散後に制作されたアルバムとドキュメンタリー映像とドキュメンタリーブックの3つからなるプロジェクトの総称で、「アンソロジー3部作」とも呼ばれる。

「ザ・ビートルズ・アンソロジー」のドキュメンタリー映像は全8巻に及ぶ膨大な量であり、映画ではない。日本でも過去に5時間にカットされたものが放送された。

ドキュメンタリー映画『レット・イット・ビー』

アップル・コアによる公式ドキュメンタリー映画としては、1970年の『レット・イット・ビー』がある。当初バンドのリハーサル風景やライブ映像をファンに伝えるために制作されたが、この映画の翌年にビートルズは解散してしまったため、結果的に解散までの軌跡を描いた内容となってしまった。

ただ、唯一の公式ドキュメンタリー映画でありながらファンの間で評判が悪いことは付け足しておきたい。公式作品なのにブート版と揶揄されるほど映像が荒い。そういう意味でも『ザ・ビートルズ~EIGHT DAYS A WEEK』はファンが待ち望んだ映画となるのではないだろうか。

また、『レット・イット・ビー』をリアルタイムで通過したファンにとっては間違いなくノスタルジックな作品となるだろう。

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