ピクサープレゼンツ。両親がいないと何も出来ない弱虫の恐竜アーロが、家族とはなれて孤独な人間の少年との大冒険を通して成長していく姿を描いたファンタジーアドベンチャー。
お馴染みでシンプルなストーリーを惜しげもなくど真ん中にブチ込む潔さ。ピクサーのこれまでの作品に比べてもかなりシンプルでストレートな展開になっている。
世界観だけは少し特殊で、恐竜が隕石で絶滅しなかった、恐竜はしゃべることが出来るが人間はまだしゃべれない世界。この世界では人間はペットとして扱われているようだ。
制作側が自信をもって「多くの人に賞賛を受けるに値する最高傑作」と言っているにもかかわらず、日本公開を目前に興行収入はかなり不振。それもピクサー史上初の大不振だそうで、このままいけばひょっとしたら赤字もありうる・・・というとこまで来ているらしい。日本公開で巻き返しなるか。
- 製作:2015年,アメリカ
- 日本公開:2016年3月12日
- 原題:『The Good Dinosaur』
Contents
- 1 予告
- 2 あらすじ
- 3
映画を見る前に知っておきたいこと
- 3.1 史上最悪の業績不振とその理由
- 3.2 実はぞっとするピクサー映画
予告
あらすじ
三兄弟の末っ子のアーロは、体も気も小さい甘えん坊で弱虫な恐竜。親がいないと何も出来ない性格をいつもからかわれていた。兄姉にコンプレックスはあるものの、優しく見守ってくれる両親のもとで幸せな日常を送っていた。
しかしある日、アーロは川の激流に飲み込まれ、遠い見知らぬ土地に流されてしまう。
初めて家族から離れて、むき出しの大自然にポツンとひとり。ひとりぼっちの寂しさは、アーロをこれまで味わったことのない不安でいっぱいにする。
アーロはそこで、ひとりぼっちの少年スポットに出会う。スポットと出会い、不安でいっぱいだったアーロの心はいつしか、帰りたいという希望に燃え始める。
そうして二人は、アーロの故郷を探す大冒険に出るのだった。
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映画を見る前に知っておきたいこと
史上最悪の業績不振とその理由
『アーロと少年』のストーリーが極めてシンプルなのは、ちゃんと理由があった。
「自然がもつ魔法や美しさ、そして怖さをいかに描くかが課題でした。だからこそ、ストーリーはシンプルにしたのです」
― 監督ピーター・ソーン
ピクサーによる3Dアニメーションでスクリーンいっぱいの大自然が描かれるのは、本作が初めてかも知れない。思うに、業績不振の理由は、このシンプルさが裏目に出たのではないかと・・・。
これまで感動の名作をいくつも生み出してきた映像作家が最高傑作と語るのだから、思惑は成し遂げられたのだろう。
つまり、臆病な恐竜と言葉をしゃべれない人間との間に育まれた友情の美しさ、そしてアーロの成長の軌跡を、脚本の巧みさや予想外の展開をすっぱ抜いて、映像によって表現することに成功したってことだ。
見てればきっと、ありきたりの展開で先なんか読めているにも関わらず、問答無用で感動の波がやってくるに違いない。
しかしながら、このシンプルな感動を興味をかきたてるように、人々の心にフックをかけるようにアピールするのはなかなか難しい。「大冒険で育まれる感動の友情物語」はそれこそ溢れかえって腐っている。感動物語そのものはもうみんな見飽きているしね。
この辺の事情がピクサー史上最悪の失敗となった原因のひとつだと思う。
Rottentomatoesや海外の作品レビューを覗いても見た人の評価は決して悪くはないので、これからの巻き返しも十分にあり得る。そして見るならぜひともスクリーンで見たい。
実はぞっとするピクサー映画
『メリダとおそろしの森』『カーズ』『トイストーリー』などなど、大人も見れる3Dアニメーションを続々と世に送り出してきたピクサー・アニメーション・スタジオ。
夢と希望に溢れたファンタジーのピクサー映画の世界は、実はひとつの世界で描かれている・・・という説をご存知だろうか。
この説の始まりは「なぜピクサーは世界の終末を秘密裏に描いているのか」という海外の動画。それを見たとあるファンが「ピクサーの映画の出来事は全てひとつの世界で起こっているのではないか」という仮説を立てた。
そしてその仮説をあらゆる面から検証し、自身のブログで「The Pixar Theory」という記事を書いた。それが海外のBuzzサイトに取り上げられ、海を越えて日本にまでやってきた。
「The Pixar Theory」の内容を日本語でまとめたサイトもあるが、雰囲気や解説も分かりやすい良く出来た日本語の動画があるので、時間がある人はぜひそちらを見て欲しい。
ゾワァ・・・と、まるでホラーを見ているかのような何とも言えない鳥肌に襲われる。
ピクサー映画は全て同じ時間軸の中に存在するという説を動画にした
大人も感動できるアニメーションを作るピクサー映画だが、子供を連れて行くだけで興味はないという中には人もいるだろう。そんな人はこの動画を見てからいくと、少し違う視点から映画を見ることが出来るかもしれない。