『博士と彼女のセオリー』アルバート・アインシュタイン以降、世界で最も偉大な物理学者、車椅子博士としても有名なスティーヴン・ホーキング博士の半生を描いたヒューマンドラマ。監督は2008年、『マン・オブ・ワイヤー』でアカデミー最優秀長編ドキュメンタリー賞をはじめ、全米、全世界で実に35以上の賞を獲った、ジェームズ・マーシュ。
- 製作:2014年,アメリカ
- 日本公開:2015年3月13日
- 原題:『The Theory of Everything』
- 上映時間:124分
Contents
予告
あらすじ
天才物理学者として将来を期待されるスティーヴン・ホーキングはケンブリッジ大学院に在籍中、詩について勉強していたジェーンと出会い、恋に落ちる。その直後、彼はALS(筋萎縮性側索硬化症)を発症し余命は2年だと宣告された。治療法はない。スティーヴンはショックのあまり、寮の自室に引きこもり、ジェーンとの連絡も絶ってしまう。それでもスティーヴンと共に困難を乗り越えることを決意したジェーンは彼を支え、彼と結婚する道を選ぶ。
Sponsored Link映画を見る前に知っておきたいこと
5年も生きられないといわれている死の病ALS。ホーキング博士は医療もまだ今ほど発達していない50年以上も前に発症したにも関わらず健在の73歳。2015年現在も研究や執筆活動を続けている。
ホーキング博士とジェーンは離婚していた
「死を恐れてはいない。私は71歳だが毎日、働いている。1分1分を全力で生きたいと望んでいるんだ」
「私は幸運だ。なぜなら脳は筋肉で出来ていないからね。」
と、当たり前になってしまった病気の事なんか考える暇もないといった様子。愛!これこそ愛ですよみなさん!この愛の力でホーキング博士は現在も……と思いきや1991年に2人は離婚していた。
博士とジェーンの離婚の原因
離婚の原因は、あの有名な著書「ホーキング、宇宙を語る」。宇宙理論を一般的に分かりやすく解説した本で、瞬く間にベストセラーになった。(それでも難しすぎて積んでいる人が多い)この本の出版は、博士の知名度を世界的なものにした。
しかしその直後に2人は離婚。妻のジェーンは「私たち夫婦は富と名声の波に流されてしまった。得たものが多過ぎて、私たちは以前のように幸せではなくなった」と話してる。
もたざる者である僕には何のことかさっぱりわからないが、持てるものが多い苦しみというのもあるのだろう。
予告編通りのただの美しい愛の物語なのか?
この映画は元妻であるジェーンの自伝がもとになっている。原題は「The Theory of Everything」。ジェーン・ワイルドの自伝というところが、この映画最大のポイントだと思う。なぜならば、妻目線、そして自伝である。身体障害者の夫を持った妻側の苦労や苦悩が必ず描かれているはず。2児の育児と夫の身の回りの世話に全く苦労がないはずがない。愛でご飯は食えないのだ。結婚している方なら特に身に染みるのではないだろうか。
そして映画を撮るのがドキュメンタリーの名手、ジェームズ・マーシュ。作品のリアリティは大いに期待してもいいと思う。身体障害者でありながら偉大な夫を持った妻の、誰にも話せないリアルが描かれているのではないかと考えてしまう。
監督・キャスト
監督・ジェームズ・マーシュ
1974年にワールド・トレード・センターのツインタワーを綱渡りした、フランスの大道芸人のドキュメンタリー映画『マン・オン・ワイヤー』でアカデミー賞を含む実に30以上の賞を獲り、世界に名を轟かせた。そんなドキュメンタリーの名手が初の自伝原作で映画を撮った。
エディ・レッドメイン :(スティーヴン・ホーキング)
英国ファッション雑誌の読者が選ぶ男性ベストドレッサー賞を受賞するほどのイケメンモデル俳優。黒縁メガネで上向きにはにかんでいると若い頃のホーキング博士そっくり。ちなみにベネディクト・カンバーバッチもTVシリーズでホーキング博士を演じていたが、そっちも黒縁メガネで上向きにはにかんでいると若い頃のホーキング博士そっくりだった。マトリックスを撮った監督の最新作『ジュピター』にも出演中。
フェリシティ・ジョーンズ :(ジェーン・ワイルド・ホーキング)
スモーキーなアイメイクが良く似合う、お人形ルックスで日本でも人気がある。バーバリーやドルチェ・ガッバーナなどの高級ブランドの広告モデルを務めた事も。最近では『アメイジング・スパイダーマン2』にも出演している。
感想・評価まとめ
感想は概ね好評。逆回転するカメラに強い印象を受けたという人が多い。特に映像表現を取り上げて絶賛するコメントが目立ち、さすがはジェームズ・マーシュといったところ。恐るべし演出力。この映画にはまった人は『マン・オン・ワイヤー』も見るべきだろうと思う。
酷評はあまり見かけなかったが、「妻目線で思ってたのと違った」とか「映画として期待しすぎた」とかそんな意見がちらほら。これはもうね、予告動画が悪いと思う。
映画「博士と彼女のセオリー」観了。甘ったるさがなく、ピリリとした良い作品。演技やメイクの表面的な素晴らしさだけでなく、内面の危うさを表すかのような、どことなく不安を覚える映像表現が絶妙。人物それぞれの位置関係のバランスも良くって、実話ベースなのにとっても良いドラマになっていたナ。
— たまたまキンゴロー (@TamakinTheCat) 2015, 3月 27
『博士と彼女のセオリー』泣いた…。泣いたよおれは…。螺旋階段を登る彼女と、逆回転するカメラ、あれはずるいよ…。あのシーンだけで観てよかったおもたよ…。ラストなんかもう…ダメだよあれは…
— ゆうし (@u4_sato) 2015, 3月 18
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