映画を観る前に知っておきたいこと

ギリシャに消えた嘘 普通のサスペンスとは違う奇妙な不安感

投稿日:2015年2月11日 更新日:

ギリシャへ消えた嘘 タイトル

ギリシャのアテネとクレタ島からトルコのイスタンブールへ。美しい風景を舞台としながら、詐欺師とその美しい妻、図らずも彼らの犯罪に加担してしまった青年の逃避行の物語。

『太陽がいっぱい』『リプリー』の原作として名高い伝説の作家パトリシア・ハイスミスの傑作小説「殺意の迷宮」が、ハリウッドの豪華キャスト共演で映画化された。


  • 製作:2014年,アメリカ・イギリス・フランス合作
  • 日本公開:2015年4月11日
  • 原題:『The Two Faces of January』
  • 原作:小説「殺意の迷宮」パトリシア・ハイスミス著
  • 上映時間:96分

予告

あらすじ

舞台は1962年。ギリシャのアテネでツアーガイドをしている米国人青年ライダル(オスカー・アイザック)が、パルテノン神殿で詐欺師チェスター(ヴィゴ・モーテンセン)とその妻コレット(キルスティン・ダンスト)と出会うことから物語は始まる。

リッチで洗練された紳士淑女の風貌をした夫妻に、たちまち魅了されたライダル。彼は、チェスターには亡き父を、コレットには若き日に裏切られた恋人の面影を重ねていたのだった。

3人はその日の観光を終え、楽しい夕食のひとときを共にする。ところがその夜、チェスターは自分を追ってホテルの部屋に現れた探偵を、もみ合いの末に殺害してしまう。

それを目撃したライダルは、二人の逃亡を手助けする。同時にライダルは、チェスターが大勢の投資家を欺き、大金を奪った詐欺師だということを知るのだった。

そうして、偽造旅券が届くクレタ島へ逃亡する3人。しかしその道中、ライダルはコレットと親密な関係となっていく。それを見ていたチェスターは嫉妬に駆られ、徐々に平常心を失っていく。

やがて警察の捜査網にも追いつめられた3人が向かう先は、後戻りできない破滅への道だった・・・。

映画を見る前に知っておきたいこと

原作者、パトリシアン・ハイスミス

1921年生まれのアメリカの作家。ミステリー、サスペンスの分野で読者を獲得していく傍ら、彼女自身はそう評価されることに不満を持っていたという。

wikipediaによると、イギリスの作家グレアム・グリーンは「英雄的な主人公の予定調和の展開を嫌い、不合理、不条理な展開がもたらす人間的な不安感が彼女の作品の特徴だ」と語っている。

パトリシア・ハイスミスの作品がいかに愛されているかがよく分かるエピソードが、ひとつの小説が全く別のキャスト、タイトルで映画化されているという話。

『リプリー』『太陽がいっぱい』は、どちらも彼女が書いた小説「The Talented Mr. Ripley」を原作としてる。当然、映画ファンやパトリシアファンの間では良く比較される映画で、どちらも当時のハリウッドを代表するスター達が共演したことで、大きな話題となった。

同時に彼女の作品の解釈の難しさも表れている。

普通のサスペンスとは違う奇妙な不安感

本作品は、1964年英国推理作家協会賞(CWA賞)外国作品賞を受賞した傑作。原作者のハイスミスが描き出すキャラクターたちは、どこまでも屈折していながら、その屈折を愛おしく思う不思議な性格の持ち主ばかり。

そんなキャラクターたちを、メディアは”ハイスミス的”と表現する。見所はやはり、不合理、不条理に屈折した愛すべきキャラクターたちの、予定調和にはないどこまでも人間的な絡み合い。

普通のサスペンスが持つ張り詰めた緊張感とは違う、奇妙な不安感を味わうことが出来るのではないだろうか。この映画を宣伝する、配給会社の公式ページの文句が、この作品を良く表現している。

「魅惑的なまでに屈折したハイスミス的なキャラクターたちの心理戦を切なくもスリリングに映し出す。その出口なき狂おしい迷宮は、神が愚かな人間に与えた残酷な試練か、それとも罠か。荘厳なギリシャ悲劇のメタファーに彩られた映像世界は、登場人物の運命の目撃者であるあなたの胸をも引き裂くに違いない。」

監督・キャスト

監督・ホセイン・アミニ

小説原作の映画脚本を書くことを生業にしていた。本作品が初監督作品。

ヴィゴ・モーテンセン:(チェスター)

Viggo Mortensenアメリカ出身の56歳。『ロード・オブ・ザ・リング』三部作のアラゴルン役で世界的な名声を得る。俳優を志したのは大学卒業後。大学時代に映画館に入り浸っていた彼が俳優を志すと言った時は、誰も本気にしなかったらしいが、見事に世界のトップスターに上り詰めた。

キルスティン・ダンスト:(コレット)

Kirsten-Dunstアメリカ出身の32歳。愛称はキキ(Kiki)。これは子供の頃からで、アニメ映画『魔女の宅急便』の英語版で主人公キキの声優を担当したことからそう呼ばれている。2011年、ラース・フォン・トリアー監督の映画『メランコリア』に主演し、第64回カンヌ国際映画祭で女優賞を受賞。

オスカー・アイザック:(ライダル)

Oscar-Isaacグアテマラ出身の35歳。あまり聞きなれない国、グアテマラ共和国はマヤ文明が栄えたことで有名。1996年の最近まで内戦をやっていて、いまだに内情は不安定。

-ミステリー・サスペンス, 洋画
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