映画を観る前に知っておきたいこと

【殿、利息でござる!】江戸時代に貧しい宿場を救うために戦った庶民の実話

殿、利息でござる!

今から250年前の江戸時代、藩の重い年貢により夜逃げが相次ぐ宿場町・吉岡宿に住む十三郎(じゅうざぶろう)は、知恵者の篤平治(とくへいじ)から町を救う計画を聞く。それは藩に大金を貸付け、利息を巻き上げる「庶民がお上から年貢を取り戻す」逆転の発想だった!資本を持つ取る側と、資本を持たない取られる側。現代の資本主義社会で生まれる格差問題と向き合う痛快時代劇エンターテイメント大作!

これは庶民の忠臣蔵だ!そう語るのは原作者の磯田道史である。一見、奇想天外なこの物語りは実は実話である。それもそのはず、原作者の磯田道史は小説家ではなく歴史学者であり、2010年に映画化された『武士の家計簿』の原作「武士の家計簿 「加賀藩御算用者」の幕末維新」もノンフィクション作品であった。本作の原作である「無私の日本人」の中に収録された一編「穀田屋十三郎」は江戸時代に宿場を救うために戦った庶民の物語りであり、資本・価値・貨幣・家族・共同体・権威・支配など現代にも通じる様々な問題を問うたこの史実を若い世代に伝えるために執筆された。

そしてこの史実をユーモアたっぷりに映画化したのは、『白ゆき姫殺人事件』(2014)『予告犯』(2015)『残穢【ざんえ】ー住んではいけない部屋ー』(2016)などの話題作を手掛けてきた中村義洋監督。キャストは時代劇では初主演となる阿部サダヲを始め、瑛太、妻夫木聡、竹内結子、松田龍平ら豪華な顔ぶれとなった。また、物語の舞台となる仙台出身のフィギュアスケート選手・羽生結弦が、仙台藩の第7代藩主・伊達重村役で映画に初出演を果たしている。

庶民VSお上!知恵と勇気と我慢の銭戦(ゼニバトル)が今、はじまる!!


  • 製作:2016年,日本
  • 日本公開:2016年5月日14
  • 上映時間:129分
  • 原作:評伝「穀田屋十三郎」磯田道史

予告

あらすじ

金欠の仙台藩は百姓や町人へ容赦なく重税を課し、庶民の間で破産と夜逃げが相次いでいた。さびれ果てた小さな宿場町・吉岡宿で、町の将来を心配する十三郎は、知恵者の篤平治から宿場復興の秘策を打ち明けられる。それは、藩に大金を貸し付け利息を巻き上げ、百姓が搾取される側から搾取する側に回るという逆転の発想であった。

殿、利息でござる!

計画が明るみに出れば即刻打ち首。千両=三億円の大金を水面下で集める前代未聞の頭脳戦が始まった。大好きなお風呂もお酒も我慢。宝物も家財道具もすべて売り払い、家族を奉公に出し、家を売り払ってでも、とにかくひたすら小銭を貯める。塵も積もれば千両=三億円。

殿、利息でござる!

「この行いを末代まで決して人様に自慢してはならない」という“つつしみの掟”を自らに課しながら、十三郎とその弟の甚内、そして宿場町の仲間たちは、己を捨てて、ただ町のため、人のため、私財を投げ打ち悲願に挑むのだった!

殿、利息でござる!

破産寸前、絶対絶命の大ピンチを乗り越え庶民は、お上を相手に一世一代の大勝負に勝てるのか!?


映画を見る前に知っておきたいこと

本当は後世に伝わるはずのなかった史実

「なんだ、今の日本と(うちの職場と)ちっとも変わらないじゃないか、なんて思いながら観て頂けたら嬉しいです。」そう語るのは監督の中村義洋である。この映画で描かれる史実はまるで現代社会の縮図のようだ。資本・価値・貨幣・家族・共同体・権威・支配など現代の様々な問題に通じている。

そんな問題に江戸時代に挑んだ庶民の英雄たちは「この行いを末代まで決して人様に自慢してはならない」という“つつしみの掟”を自らに課したにも関わらず、現代においても後世にこの史実を伝えようと映画化されているというのは、なんとも滑稽な話である。

しかし、原作「穀田屋十三郎」のもととなった国恩記(こくおんき)という記録は、もちろん十三郎らが残したものではない。これは彼らの行いに対して感謝の気持ちを忘れないため、歴史の舞台である吉岡の龍泉院で住職をしていた栄洲瑞芝(えいしゅうずいし)というお坊さんが残した記録である。また現在においても、郷土の誇るべき歴史として後の世に長く伝えていこうと九品寺(吉岡)に顕彰碑が建てられている。

ただ、この史実はあまり知られていなかったりする。原作者の磯田道史も映画『武士の家計簿』を見たファンからの手紙で知ったという。それから「国恩記」を読んで執筆された「穀田屋十三郎」を中村義洋監督が読み、二人は「世の中を少しばかり良くしてみたい」という思いを共有したことで映画化に至った。二人とも「国恩記」を初めて読んだ時、涙を流したという。この映画は滑稽であると同時に、感動作でもある。必ず実話であることを理解した上で見てほしい作品だ。

「映画『武士の家計簿』を観ました。私の故郷・吉岡宿にも、涙なくしては語れない立派な人たちがいました。書いてください」

ファンからの手紙

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