『ザ・フライ』や『ムカデ人間』など、これまでこの手のホラーは数あるが、次はセイウチだ。人間とセイウチの融合を目論む老人の狂気を、『クラークス』『ドグマ』のケビン・スミス監督が描いたホラー。
公式サイトではなぜか伏せてあるが、映画後半に登場する酔いどれ探偵ギー・ラポワンテをジョニー・デップが演じている。そしてジョニー・デップの娘、リリー=ローズ・デップのスクリーンデビュー作でもある。
- 製作:2014年,アメリカ
- 日本公開:2015年7月18日
- 上映時間:102分
- 映倫区分:PG12
- 原題:『Tusk』
Contents
- 1 予告
- 2 あらすじ
- 3
映画を見る前に知っておきたいこと
- 3.1 制作の奇妙なきっかけ
- 3.2 タランティーノのオマージュ的作品
予告
あらすじ
ポッドキャスト(ネットのラジオ番組)を運営するウォレスは、おもしろいネタ探しのため元船乗りだった老人の家を取材で訪れる。ハワードと名乗るその老人から手厚いもてなしを受けたウォレスだが、出された紅茶に睡眠薬が含まれていた。
「これから君はセイウチになるんだ、Mr.タスクさん。」
目が覚めると車椅子に縛り付けられ、足の感覚がなくなっていた。パニックに陥るウォレス。ハワードはウォレスをセイウチ化する手術に取りかかる。ハワードの目を盗み、、友人のテディと恋人のアリーに留守電を残したウォレス。消息を絶ったウォレスを心配し、テディとアリーは警察に紹介された酔いどれ探偵ギー・ラポワンテと共にウォレスの行方を探し始める。
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映画を見る前に知っておきたいこと
制作の奇妙なきっかけ
『Mr.タスク』の始まりは、2013年にケビン・スミス監督がネットにおもしろい広告を見つけたことだった。その広告の内容はこうだ。
「私はグレゴリーというセイウチと海で漂流した経験がある。そして本物のセイウチのスーツを作った。1日に2時間そのスーツを来てセイウチの鳴き声を出して、私に餌をやらせてくれ。」
後にわかるのだが、この広告はいたずらだった。しかし、これを見た時ホラー映画のポテンシャルを感じたケビン・スミス監督が脚本を書き上げたのだ。
そしてこの広告を作ったクリス・バーキンソンはちょっとだけ本作に出演することとなった。ネットというのはこの映画同様に奇妙な世界だ。
タランティーノのオマージュ的作品
ケビン・スミス監督は『Mr.タスク』の中にある残酷性とユーモアの融合にタランティーノに通じるものを感じていたことから、本作の冒頭でタランティーノのオマージュ的なシーンがある。『キル・ビル』の刀さばきを真似して、自らの足を切り落としてしまった少年を主人公のウォレスが取材に行くというものだ。
実際に観てもらうと、タランティーノに通じる残酷性とユーモアを感じると思うが、このユーモアの部分はジョニー・デップの演技によるところが大きい。あまりにもダークな内容は後半のギー・ラポワンテ(ジョニー・デップ)の登場から別のストーリーとなっていく。ケビン・スミス監督もジョニー・デップが映画を抑制するのに重要な役割だったと語る。しかし公式サイトではなぜかジョニー・デップの存在は伏せてある。サプライズということだろうが・・・