映画を観る前に知っておきたいこと

海のふた よしもとばななの小説、待望の映画化

海のふた

よしもとばななの同名小説を豊島圭介監督が待望の映画化。モデルや女優、ムック編集長など幅広いジャンルで活躍し、おしゃれな若者から支持されている菊池亜希子が主人公・まりを演じる。そして、2012年に映画『シグナル~月曜日のルカ』で初主演を果たした三根梓が、顔に火傷の痕が残り心にも傷を抱えている女性“はじめちゃん”を演じる。

故郷の海辺の町で、自分らしく生きる道を探す女の子たちのひと夏の物語は、都会に住む人々の心に癒しをもたらす。


  • 製作:2015年,日本
  • 日本公開:2015年7月18日
  • 上映時間:84分
  • 原作:よしもとばななの小説「海のふた」
  • 海のふた (中公文庫)

予告

あらすじ

今では寂れてしまった西伊豆にある故郷の小さな町。都会での生活に疲れ、実家のあるこの町に帰ってきたまり。酒屋の自転車で通った元彼のオサムと再会し、この町でかき氷屋で生きていくことを宣言する。

「結局、私が本当に誇れるのは、かき氷を嫌いにならなかったことなんだなぁって」

すぐに店舗を探し、自らペンキを塗り、家具を配置し、改装をし始める。そんなある日の朝、突然母から大学時代の友人の娘であるはじめちゃんが、しばらくうちに滞在することになったから面倒を見てくれ、と頼まれる。はじめちゃんは顔に火傷の痕が残り、また一緒に暮らしていたおばあさんを亡くしたばかりで、心に傷を抱えていた。海のふた開店準備を整えた店内。メニューには、糖蜜、みかん水、エスプレッソだけ。自分が本当にいいと思えるものだけしか出したくないというこだわりのメニュー。そしてはじめちゃんがお客さん第一号。まりははじめとともにかき氷店を切り盛りしながら、それぞれの生き方を探していく。海のふた

映画を見る前に知っておきたいこと

今年、『白河夜船』に『海のふた』と立て続けに、よしもとばななの小説が映画化された。『白河夜船』はよしもとばなな自身も「こんなに完璧な映画化は奇跡的です。夢が叶い、感無量!」と絶賛のできだった。本作はどうだろう。豊島圭介監督が原作とは違う表現にした部分と世界観を忠実に描いた部分を紹介したい。

まず原作とは違う表現にした部分は、“まりがはじめを見る物語”として描いているところだ。原作では登場人物として、まりとはじめは同じぐらいの存在感がある。映画ではまりが主人公として、友情ともつかない、二人の不思議な関係が描かれている。

世界観を忠実に描いた部分は、原作にある“田舎に帰って店を作るのは、キレイゴトではすまない”という現実感だ。例えば、かき氷屋の開店準備をするまりに重いものを運ぶシーンなどが多く描かれ、生っぽさを演出している。本作の豊島圭介監督のインタビューでも現実感という言葉が多く出てくる。

先に書いた、原作とは違う表現にした部分も、実際はこの現実感を表現するための豊島圭介監督の手法なので、ある意味では原作にとても忠実な映画なのかもしれない。

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