映画を観る前に知っておきたいこと

【私たちのハァハァ】4人の女子高生の青春ロードムービー

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私たちのハァハァ

大好きなバンドのライブを見るために、北九州から自転車で1000キロ離れた東京に向かう4人の女子高生の高校3年最後の夏休みを描いた青春ロードムービー。ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2015で上映され、「スカパー!映画チャンネル賞」と観客の投票で決まる「ゆうばりファンタランド大賞」の2冠に輝いた。

監督は『自分の事ばかりで情けなくなるよ』や、第65回ベルリン国際映画祭に正式出品された『ワンダフルワールドエンド』の松居大悟。彼はジャンルやカテゴライズにとらわれない<今>を切り取り続ける監督。また、ミュージックビデオや映画で松居監督と多数コラボレートしているバンド“クリープハイプ”が音楽を担当し、本人役で出演。さらに主題歌『わすれもの』はこの映画のためにクリープハイプが書き下ろした。

キャストは、6秒動画Vineで有名な現役女子高生(現在は専門学生)として知られる大関れいか、メジャーデビューを果たしたシンガーソングライターの井上苑子、『男子高校生の日常』『鈴木先生』の三浦透子、ミスiD2014ファイナリストの真山朔、松居監督『自分の事ばかりで情けなくなるよ』で主演を務め、日本映画界を担う若手実力派俳優・池松壮亮をはじめ、中村映里子、武田杏香などが集結。

  • 製作:2015年,日本
  • 日本公開:2015年9月11日
  • 上映時間:90分

予告

あらすじ

福岡県北九州市の片田舎に住むチエ(真山朔)、さっつん(大関れいか)、文子(三浦透子)、一ノ瀬(井上苑子)の女子高生4人組は、若手ロックバンド“クリープハイプ”の大ファンだ。彼女たちは、福岡のライブを見に行って出待ちした時に、「東京のライブにもぜひ」と言われた言葉を真に受けて、東京に行くことを決意する。私たちのハァハァ高校3年生最後の夏休み、クリープハイプに報告するために自分たちでカメラを回しながら自転車を漕いだ。だが、初期衝動だけで出発した彼女たちの自転車は早々にパンクして、お尻が痛くなり、お金もなくなってしまい、仲の良かった4人に亀裂が走る。

「走れば届く気がした」

東京のライブの日が刻々と近づいていく。福岡、山口、広島、岡山、神戸から東京へ ―1000キロを駆け抜ける、女子高生の自転車旅行。この夏が終わったら、受験が始まって、きっとみんなバラバラになる・・・

どうしようもなく好きなものがある全ての人に捧げる、青春ロードムービー!

映画を見る前に知っておきたいこと

『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』を抑えての受賞

3人はほぼ演技未経験の女子高生4人を主演にしたこの映画、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2015で上映され、「スカパー!映画チャンネル賞」と観客賞である「ゆうばりファンタランド大賞」の2冠に輝いたのも凄いが、アカデミー賞受賞作品であり、今年の賞レースを席巻した『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』を抑えての「ゆうばりファンタランド大賞」受賞であったのに驚いた。ちなみにこの賞は観客自身の投票によって選ばれる。

もちろん国内の映画祭ということもあるだろうが、それだけ観客の心に響いたのは間違いないだろう。まず演技未経験の女子高生を使うことで、リアルな青春を描くことに成功した。これが、僕みたいな青春時代を好きな音楽に捧げていた人間には、たまらなく響く。今では考えられない行動だが、自分にもこんな時期があったのを思い出した。僕は大学の頃だったが、ライブを見るために同じく東京まで1000キロの道のりをヒッチハイクで行ったことがある。さすがに自転車ではなかったが・・・

最近では、こうした若い世代の青春映画はあまり感情移入できないので見ることは少なくなったが、この映画は僕にも少し響くものがあった。また青春映画でありながら、フォーマットはロードムービーというのがよかったのかもしれない。

“クリープハイプ”とはどんなバンドなのか

本作で女子高生たちが青春を捧げて追いかけるバンド“クリープハイプ”がどんなバンドか少し紹介しておきたい。独特の歌詞と、ハイトーンボイスが特徴的な日本のロックバンドで、本作の監督・松居大悟はメジャーデビューの1年半ほど前から楽曲を気に入っており、自身が主催する劇団ゴジゲンの開演前に“クリープハイプ”を流していた。その後、Twitterがきっかけでバンドとの交流が始まり、メジャーデビュー以降のビデオクリップを監督している。

またそれ以外にも映画との繋がりとしては、2015年5月5日にリリースされたシングル「愛の点滅」が映画『脳内ポイズンベリー』主題歌となった。この曲はオリコン初登場2位となった。
クリープハイプ – 「愛の点滅」MUSIC VIDEO

-邦画, 青春

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