1991年にサーファー文化×犯罪アクションという個性的な取り合わせで話題を呼んだ名作アクション『ハートブルー』をリメイクしたエクストリームスポーツアクション。
サーフィンはもちろん、スノーボード、モトクロス、ウイングスーツなど、トップアスリートの命がけのスタントによる迫力のアクションシーンが満載。
監督は、『ワイルドスピード』で撮影監督を務めたエリクソン・コア。監督としては2007年のスポーツ伝記映画『インヴィンシブル 栄光へのタッチダウン』に続く長編二作目となる。
主演のユタをオースラリア出身の新人俳優ルーク・ブレイシー(26)、ボーディをベネズエラ出身のエドガー・ラミレス(38)がそれぞれ演じる。
- 製作:2015年,アメリカ
- 日本公開:2016年2月20日
- 上映時間:114分
- 原題:『Point Break』
- 原作:映画『ハートブルー』キャスリン・ビグロー
Contents
- 1 予告
- 2 あらすじ
- 3
映画を見る前に知っておきたいこと
- 3.1 ハートブルーとの違い
- 3.2 時代の違い
- 3.3 最大の見所
予告
特別映像(ウィングスーツ)
特別映像(スノーボード)
あらすじ
若きFBI捜査官ジョニー・ユタに、一流アスリートが集まるエクストリームスポーツ集団への潜入捜査という指令が下る。
カリスマ、ボーディが率いるこの集団には、その超人的なスキルを駆使して前代未聞の手口で犯罪行為を繰り返しているという、重大な疑惑がかけられていたのだ。ユタは自らも元アスリートだったこともあり、ホーディに身体能力と度胸を買われて潜入に成功する。
さっそく犯罪の証拠をつかむために捜査を開始するユタだったが、命知らずなアスリートたちと行動を共にするうち、彼らの間には不思議な信頼関係が芽生え始めていた。FBI捜査官としての使命か、命を賭けた信頼か。そして明かされる、彼らの本当の目的とは――。
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映画を見る前に知っておきたいこと
ハートブルーとの違い
本作はパトリック・スウェイジとキアヌ・リーブスが主演した1991年の名作アクション『ハートブルー』をリメイクした作品だ。
『ハートブルー』が名作と言われている所以は、偏にスポーツシーンの美しさと個性的な構成にある。強引な展開や役者の演技については賛否があるものの、それもふまえて突き抜けた唯一無二のアクション映画として愛されている一本だ。
しかし、リメイクと言いつつ本作が似通っているのは大まかな脚本とスポーツ×犯罪アクションという下地のみで、内容はもう全く別の作品に仕上がってる。
『X-ミッション』は『ハートブルー』よりも全体的なスケール感がアップ、エクストリームスポーツによるスタントがより派手になり、サーフィン、スカイダイビングの他に様々なスポーツが登場する。
スポーツスキルを用いた犯罪集団というのも新しい設定だ。原作におけるボーディ率いる犯罪集団は特別なスキルは使わず、ただ銀行強盗を繰り返すケチな窃盗団だったのに対し、本作では一回りスケールが違う特殊な犯罪集団に設定され、その目的にも大きく焦点が当てられている。
『ハートブルー』歴代大統領の覆面を被って銀行強盗を繰り返すホーディー一味
ちなみに予告動画を見ているとこの大統領の覆面らしきものは今回も登場するみたいで、『ハートブルー』を見たことがある人はニヤリと出来るかもしれない。
また『ハートブルー』では、犯罪集団に当時のサーファーの文化背景や思想などが強く反映されていて、それに感化されていくエリート主人公という構図が見所だった。しかし残念ながら、個人的にはその辺りのドラマがいまいち印象に残らなかった。
その点、『X-ミッション』ではFBI捜査官と犯罪者の微妙な関係をどう表現してくるのかも気になるところだ。
『ハートブルー』は下地の良さ故に「もっとこうすれば良かった」と色々と語られている作品だけに、一回りも二回りもスケールアップしている『X-ミッション』には期待がかかっている。
時代の違い
もうひとつ、『ハートブルー』公開当時とは大きく違う点がある。それは、エクストリームスポーツ全体の浸透度だ。
こうした発展を支えたのは競技に望む選手達はもちろんだが、その姿をプロモーションする力があってこそ。世界に浸透するには経済効果が必要不可欠であり、経済効果を生もうと思えばプロモーションがしっかりしていないと始まらない。
その結果、エクストリームスポーツにまつわる撮影技術は目覚しい進歩を遂げ、2015年の1月には専用の自動追尾無人撮影機が発表されたりなんかもしている。
映画界では「CGなし」を大々的に謳っているが、エクストリームスポーツの世界ではむしろそれは当たり前。ネットの発展も相まって、日夜新しい動画が発信され続けている。
それがアクション映画の撮影監督のキャリアを持つエリクソン・コアによってスクリーンで見られるってんだから胸が躍るのも致し方なし。
折角なので、エクストリームスポーツの動画を一本紹介しておこう。本作の予告編でも話題になったウィングスーツでの滑空も登場する。
People Are Amazing 2015
最大の見所
ところで、みんなが口を揃える『ハートブルー』の最大の見所と言えば、あのスカイダイビングのシーン。後にも先にも映画史上に『ハートブルー』より美しいスカイダイビングシーンはないと言われている。映像の美しさはもちろんだが、加えてスカイダイビングに挑む言い表しがたい感動を、キアヌ・リーブスが素人の視点から演技で伝えてくれたことによって、まるで自分が飛んでいたかのようにも思えた良いシーンだった。
ストーリー上でも、ちょうど主人公が鬱屈とした問題にぶち当たった直後だったのもあって、爽快感はより一層。まぁそれもこれもボーディーによる布教活動だったんだが・・・。
『ハートブルー』はDVDで見たので、是が非でもスクリーンで見たかったと思ったものだが、『X-ミッション』の公開によりいよいよそれが叶う。エクストリームスポーツに挑む金も暇も度胸もない僕にとっては、こんなに嬉しいことはない。