映画を観る前に知っておきたいこと

【ヤング・アダルト・ニューヨーク】ジェネレーションギャップをテーマにした鋭い人間観察

ヤング・アダルト・ニューヨーク

『イカとクジラ』(05)でその鋭い人間観察眼が評価され、アカデミー賞脚本賞にノミネートされたノア・バームバック監督。“新世代のウディ・アレン”と評される彼が“現代におけるジェネレーションギャップ”をテーマに再び鋭い人間観察眼を光らせる!

若いつもりの40代夫婦と成功したい20代カップルのモラルや価値観のズレ、成功への夢と野心のぶつかり合いをリアルとユーモアで描いた、誰もが共感できる笑えてビターな“迷子の大人たちの成長物語”。


  • 製作:2014年,アメリカ
  • 日本公開:2016年7月22日
  • 上映時間:97分
  • 原題:『While We’re Young』

予告

あらすじ

ニューヨーク・ブルックリン。売れないドキュメンタリー映画監督ジョシュと、映画プロデューサーのコーネリアは40代ミドルエイジの夫婦。ジョシュが高く評価された前作も過去のもの、あれから8年間も新作は編集中のままだ。

そんなジョシュは、人生にも夫婦関係にも何かが欠けてしまったと感じている。

ヤング・アダルト・ニューヨーク

ある日、アートスクールの講師をするジョシュは聴講生の20代の夫婦と出会う。夫ジェイミーは、監督志望でジョシュを尊敬していると熱く語り、アイスクリーム職人の妻ダービーはそんな夫を応援していた。

ヤング・アダルト・ニューヨーク

作品を見て欲しいと、ジェイミーの家に招待されたジョシュとコーネリアは彼らの暮らしぶりにすっかり魅了される。レトロな音楽と映画、家具は手作り。インスピレーションの赴くまま映画を撮るライフスタイルはまさにアートだった。

時代に遅れまいとSNSに縛られるジョシュだったが、そんな若い夫婦から刺激を受け、マンネリだった夫婦関係も解消されていく。

ヤング・アダルト・ニューヨーク

ジョシュとコーネリアは日に日にエネルギッシュになるが、ジェイミーが彼らに近づいたのには目的があった……


映画を見る前に知っておきたいこと

新世代のウディ・アレン

“新世代のウディ・アレン”と言われるノア・バームバック監督だが、それは卓越した人間観察眼を持って作品に挑むというスタイルが似ているからだ。

ウディ・アレンと言えば、アカデミー賞に史上最多となる24回もノミネート(うち監督賞を1度、脚本賞を3度受賞)されたアメリカを代表する監督だ。かなりの変わり者ではあるが、ニヒルでブラックな笑いを得意とし、人間を独自の哲学で描く事でも知られる。とにかく世界中から敬愛される監督だ。

“新世代のウディ・アレン”とは映画監督からしたら最高の褒め言葉である。

ノア・バームバック監督が高く評価された作品に『イカとクジラ』というのがある。タイトルだけ聞くとどんな映画か全く想像できない……

この作品も舞台はニューヨークで、二人共が作家の夫婦が離婚し、二人の息子を巻き込んで家族が真っ二つになってしまう様子をリアルに描いた人間ドラマだ。

本作のように明るいタッチで描かれている訳ではなく、万人向けの映画でもなかった。しかし、それでもアカデミー賞脚本賞にノミネートされた事は作品の評価の高さの表れである。

人間の内面に興味があるなら、ウディ・アレンやノア・バームバック監督の映画はきっと面白いと感じるはずだ。

ジェネレーションギャップによる切ない悲哀と笑い

“現代におけるジェネレーションギャップ”というテーマは、人間の内面を滑稽に描く上では格好の材料だ。

僕も30代半ばになり、しばしばジェネレーションギャップを感じる事がある。上の世代側に立って感じるジェネレーションギャップは意外に切ないもので、時代の流れや、年齢を痛感させられる。

しかし、このジェネレーションギャップによる価値観のズレは往々にして驚きと笑いを含んでいる。そこには、会話によるコメディが存在しているのだ。

ごく最近、僕がジェネレーションギャップを感じたのは、4つ年下の友人との会話だった。

僕の子供はポケモンを見て育ったという何気ない話題だったのだが、その友人も子供の頃ポケモンを見ていたと言うのだ。一瞬こいつは記憶障害かと思ったが、どうやら本当らしい。

まあ、4つしか違わないので笑い話になったというのもあるが、ジェネレーションギャップにはこうしたくだらない驚きが付いてくる。

ジェネレーションギャップによる切ない悲哀と同時にある驚きや笑いは、いかにも人間観察を得意とするノア・バームバック監督が好みそうなテーマだと思う。

このテーマを選んだ時点で、この映画はノア・バームバック監督のものだ。

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