ゲッツ板谷の自伝小説「メタボロ」「ズタボロ」を『探偵はBARにいる』『臨場 劇場版』『王妃の館』など立て続けに話題作を撮り続けている橋本一が監督する不良映画。
- 製作:2015年,日本
- 日本公開:2015年5月9日
- 上映時間:110分
- 原作:自伝小説「メタボロ」「ズタボロ」ゲッツ板谷
- 映倫区分:PG12
Contents
- 1 予告
- 2
あらすじ
- 2.1 あらすじ ※ネタバレ
- 3
映画を見る前に知っておきたいこと
- 3.1 自伝小説:メタボロ・ズタボロ
- 3.2 10代~20代向けヒーローもの
予告
あらすじ
中学を卒業し、高校に入学したコーイチ、ヤッコ、キャームの三人。中学時代、地元の不良グループの間で幅を利かせていた3人は、高校でもデカい顔をしたくて地元最凶と言われている暴走族“立川獄門”に入る。しかし調子に乗っていたのも束の間、新人教育という名目でヤキを入れられる日々を過ごす羽目に。
コーイチはそんな生活から逃れるように、高校で出会った植木と鬼の3人でつるみ初め、新しい生活を謳歌しだす。そして次第に地元の集会には顔を出さなくなっていった。コーイチがいなくなり、“立川獄門”の新人教育はタフなヤッコに集中する。ついには半殺しになるまで追い込まれ、ヤッコは恐ろしさのあまり引きこもってしまう。
映画を見る前に知っておきたいこと
自伝小説:メタボロ・ズタボロ
自身を”身の回りの出来事の書記係”というゲッツ板谷の自伝小説。中学時代までは学習塾通いの勉強付けで、暴力や不良とは無縁の生活を送っていたが、ある日同じクラスの番町の行き過ぎた悪ふざけに怒り、病院送りにしてしまう。それが校内中に知れ渡り、不良の道を歩むように。
高校進学後は暴走族「地獄」を経て、叔父の手伝いでテキ屋や借金の取立てを手伝うなどヤクザ予備軍のような生活をしていた。
スタボロは2008年に映画化された中学時代を描いた「ワルボロ」の続編で、高校時代の青春を描いている。メタボロ・ズタボロの2冊1000ページを100ページの脚本に凝縮。1/10のボリュームになってしまった脚本を読んでゲッツ板谷本人は「プロの技を見た」と出来栄えに満足の様子。ちなみに、ヤングジャンプで漫画も連載中。
ゲッツ板谷からのオファーはひとつだけ。「痛さ」が伝わる映画にしてくれと。公式サイト見に行きました?絶対やめたほうがいいですヨ。もう開いた瞬間めっちゃ痛い。画像がデカイだけで迫力が違います。グロ注意ですヨ。そんなわけで、痛いの苦手な人はやめておいた方がいいかもしれない・・・。
10代~20代向けヒーローもの
不良ものというと最近流行ったのは『クローズ』のシリーズだろうか。僕は映画は見てないので何とも言えないが、漫画の頃からあんまりリアリティがない。坊屋さん強すぎるしカッコよすぎるし、憧れに近い目線はあったものの、それこそ子供の頃にウルトラマンや仮面ライダーに向けた憧れと同じような目線で見ていた気がする。めちゃくちゃ面白い漫画だったし、今でも大好きだけれども。
今回は自伝小説が原作という事もあって、不良少年の持つ鬱屈さ、フラストレーション、そういうものがリアルに描かれていないかなーと少し期待している。
例えば「爆音列島」の様な。あの漫画も自伝漫画だが、主人公は別に喧嘩が強い分けじゃないし、ヤクザだのそういうのに憧れてるわけじゃない。漠然と何かが気に入らなくて、世の中がしょうもないものに見えて、そういうのを吹っ切る様にただ暴走する。暴走族が人生の全てだと思っていた、それだけで無敵だと思っていた、ほんとにただの甘えん坊の不良少年の日常。
『ズタボロ』もあらすじを読んでいると、一度は萎れたヒーローが復活して活躍する王道のヒーロー活劇の様。肩書きに浮かれまくる主人公の人間臭さや青さに少し共感したり。しかし大人が見るにはすこしポップすぎる気もする。10代~20代向け、かな。
映画と全然関係ないけど、高橋ツトムの「爆音列島」はかなりおすすめ。絵もカッコいいし、読みやすい。作品全体に流れる独特な陰鬱な空気がたまらなく好きだ。全然関係ないけど。