余命6カ月、最愛の人に贈る“やさしい嘘”とは?
テレビ業界で働く敏腕放送作家が余命6カ月の宣告を受け、愛する家族の未来のために妻の“最高の結婚相手”を探しだす……それはある男の一風変わったエンディング・ノート。
原作は2012年の樋口卓治による同名小説。その斬新な設定、心温まる物語が多くの支持を集め、2014年と2015年に内村光良主演で舞台化、TVドラマ化が立て続けにされた。そして2016年、今度は織田裕二主演で映画化される。
純粋に感動!リアリティの欠如!そんな賛否両論ある原作を基にしたこの映画、あなたはどう評価する?
Contents
- 1 予告
- 2 あらすじ
- 3
映画を観る前に知っておきたいこと
- 3.1 賛否両論の原作
- 3.2 原作者・樋口卓治も放送作家
予告
あらすじ
「妻になんて言おう。」
最初によぎったのはそんな想いだった。バラエティ番組の放送作家・三村修治(織田裕二)は数多くのレギュラーを抱え多忙な日々を送る中、身体に異変を感じた。病院での検査結果は……
末期のすい臓がん。余命6か月。

© 2016「ボクの妻と結婚してください。」製作委員会
愛する家族は妻と受験を控えた息子が一人。1日でも長く延命し家族と静かに過ごすこと。それこそが正しい最期の過ごし方。しかし、放送作家である修治は今までずっと世の中の色々なことを 好奇心で“楽しい”に変えてきたという想いからある企画を練りはじめる。それは家族に残せる“最後の企画”。
専業主婦の妻・彩子(吉田 羊)はまだ小学生の息子・陽一郎を抱え苦労するだろう。気丈そうに見えてもろいところがある妻を何とかして笑顔にしてあげられないか?
そんな時、修治の目に入ったのは結婚相談所の看板だった。
「妻の結婚相手を探そう!」

© 2016「ボクの妻と結婚してください。」製作委員会
そんなひらめきを胸に修治は突っ走る。同僚の手を借りてお見合いパーティーに潜入。そして結婚相談所の社長・知多かおりになんとか協力を取り付けて、妻にとって最高の結婚相手を探し出してもらうのだった。婚活を続けているとやがて現れたのは奇跡のような男。伊東正蔵(原田泰造)。インテリア販売会社社長。真面目で誠実、加えて独身。
修治の命がけのプレゼンテーションが迎える最高の結末とは!?
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映画を観る前に知っておきたいこと
映画は両極端な意見が聞かれる原作が基となっているので、劇場に足を運ぶかどうかの判断材料に……
賛否両論の原作
「余命宣告された男が自分の妻の再婚相手を探す」という設定は実に斬新で、「ボクの妻と結婚してください。」というタイトルもバッチリはまっている。しかし、注目された小説だけあって感情移入できないという辛辣な意見も多い。
少し現実離れした設定の中に“人の死”をテーマとしている以上、こうした評価が出てくるのは避けられない。身近な人間でそれを経験したら小説のように割り切れないのは当然だ。つまらないという評価を通り越して不愉快に感じることもあるかもしれない。
その反面、純粋な感動作として挙げる人が多いのも事実だ。評価が読み手次第で極端に変わるということを踏まえて、手を出すか考えるべき作品である。
原作者・樋口卓治も放送作家
リアリティの欠如が指摘される中、原作者の樋口卓治はもともと「さんまのからくりテレビ」「笑っていいとも」などを手がける本物の敏腕放送作家であるため、作品にエンターテイメントとしての説得力はある。
生粋の売れっ子放送作家が家族のために命懸けの企画を練ったら?そんな着眼点は彼ならではのものだ。
ちなみに「ボクの妻と結婚してください。」には続編「続・ボクの妻と結婚してください。」がある。さらに突飛な設定になっていることからも、原作者も本来リアリティなど追求していないようだ。結局、放送作家らしく人を楽しませるためのエンターテイメント作品を生み出している点では好感が持てる。
「続・ボクの妻と結婚してください。」あらすじ
目が覚めると、三村修治はこの世とあの世の狭間にいた。修治は生前に積んだ善行「天国マイレージ」のおかげで、天国に行けるという。人は笑うたびに0.1マイルが貯まる。修治は生前、35万回も笑っていた。しかし、そのことを知った修治は悩んだ。妻の彩子は明るく、よく笑う女性だった。だが息子の陽一郎はどうか?腹を抱えて笑っている姿をみた記憶がない。かくして修治は、天国行きを中止した。すべてのマイルを使ってこの世に1週間だけ戻り、陽一郎を笑わせるために。
作品データ
原題 | 『ボクの妻と結婚してください。』 |
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製作国 | 日本 |
製作年 | 2016年 |
公開日 | 2016年11月5日 |
上映時間 | 114分 |
原作 | 小説「ボクの妻と結婚してください。」 樋口卓治 |
キャスト
キャスト | 織田裕二 |
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吉田 羊 | |
原田泰造 | |
込江海翔 | |
森カンナ |
監督・スタッフ
監督 | 三宅喜重 |
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脚本 | 金子ありさ |
製作 | 横澤良雄 |
市川南 | |
製作総指揮 | 山内章弘 |
主題歌 | 中島美嘉 |