クリスマス、あなたの街には
どんな映画がやって来ますか?
恋人や家族と、あるいは一人で。このクリスマスに映画を必要としている人に向けておすすめの劇場公開作品を紹介してみたい。折角のクリスマス。わざわざ劇場まで足を運んだあなたが、どうかつまらない映画に出くわさないように。
懸念はいくつかの作品の公開劇場数が少ないこと。あなたの街ではどうだろう……
Contents
スモーク
冬が訪れる度に、僕が必ず思い出す映画。クリスマスにまつわる心温まるストーリーを含んだ群像劇で、いかにもクリスマス映画という気取ったところがないのもその魅力だ。
1995年と少し古い映画だが、今年は21年ぶりにデジタルリマスターでリバイバル上映される。
もしあなたの街でこの映画がリバイバル上映されているなら、劇場で観られる幸せな機会を逃さないで欲しい。向こう10年クリスマスに劇場へ足を運ばなくてもいいから、今年の冬だけは僕の話を信じてくれまいか。
ピートと秘密の友達
クリスマス映画というわけではないが、ディズニー・ファンタジーの最新作ということで、クリスマスのファミリー向け映画の大本命だ。
1977年に製作された日本未公開作品『ピートとドラゴン』のリメイクとなるこの映画、オリジナル版よりもずっと評価が高くなっている。当時あったミュージカル要素とアニメーションは排除され、フルCGと実写になったことで大人まで楽しめる作品となった。
3D、4DXでの上映がないのが少し残念だが、家族の平均点が最も高くなるのはきっとこの映画だ。
ドント・ブリーズ
選択肢のひとつとしてホラー映画も1本紹介しておきたい。この12月はあの『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』(99)の続編も公開されるのだが、ネームバリューに騙されずこの『ドント・ブリーズ』を選ぶべきだ。近年稀に見る王道骨太ホラーであるこの映画、きっと期待した以上の恐怖を提供してくれる。
『ブレア・ウィッチ』に唯一負けるとすれば、B級感だけだ。
皆さま、ごきげんよう
映画通同士で観るなら、この『皆さま、ごきげんよう』がおすすめだ。少し変わった映画だが、人生の達人と呼ばれる巨匠オタール・イオセリアーニはどんな重たいテーマでも、そのユーモアで必ず心地よい余韻に変えてくれる。
映画通にと言ったが、決して敷居の高い作品ではない。ただ、ゆったりとしたリズムを得意とする監督なので、いわゆるハリウッド的な映画が好きな人には向かないかもしれない。『スモーク』のリバイバル上映を除けば、僕ならこの映画を選ぶ。
ミス・シェパードをお手本に
イギリスをはじめ世界で16年間も演じられてきた舞台劇の映画化であるこの作品が、すでに多くの人の心に刻まれていることは間違いない。舞台でも主演を演じ続けてきたイギリスの名女優マギー・スミスの存在や、舞台演出を手がけたアラン・ベネットによる脚本は、舞台劇をそのままスクリーンに持ってきたかのような秀逸な出来栄えとなっている。
実話から生まれたこの心温まる物語に、クリスマスの予定を預けても何の問題もない。
幸せなひとりぼっち
この映画は、本国スウェーデンで160万人を動員し、約5人に1人が観たという国民的映画だ。北欧の心を温めた珠玉のストーリーは今年の最後に観る映画としても悪くない。
タイトル通り、クリスマスにひとりで観ても重大な疾患を抱える羽目にはならない。孤独な中年男にシンクロするほど、生きる活力をもらえるはずだ!
Sponsored Linkあとがき
少々マニアックな映画も紹介したのだが、あなたの街で観ることができる作品はあったでしょうか?僕はきっと、今年のクリスマスを映画館で過ごさない。うちの田舎街では観たい映画をやっていないから。
僕は家で猫と一緒に『スモーク』のDVDを観ることにしよう。